「障害者施策検討連絡会」のみなさんと議員の懇談会
今日は『ヴェルクよこすか』へ向かいました。
『障害者施策検討連絡会』のみなさんが毎年開催して下さっている『議員との懇談会』に出席する為です。
障害者施策検討連絡会とは
市内の障害者関係団体を網羅し、障害(身体障害、知的障害、精神障害、内部障害、発達障害等)の相互理解を進め、個別及び全体の課題の検討と施策の市への提言等を行っています。
- 参加団体
「福祉のまちづくりを進める市民集会」実行委員会
横須賀・三浦作業所連絡会
横須賀市障害者団体連絡協議会
事務局:横須賀市福祉部障害福祉課 - 活動状況
- 代表者会、全体会、分科会:1〜2ヶ月毎に開催
- 意見交換会、学習会の開催
- 予算要望書の提出
- 市長懇談会、議員懇談会の開催
- 社会福祉審議会、障害とくらしの支援協議会(全体会)、療育センター運営委員会に参加等
障がいのある方々のあらゆる団体が作るネットワーク組織が、会派を超えた市議会議員全員に対して、毎年『懇談会』を呼びかけてくれています。
今回は、土田議員(公明党)、田辺議員(自由民主党)、角井議員(研政)、大村議員(共産党)、小林議員(無会派)、そしてフジノの6名が参加しました。
今年のテーマは、障がいのある方々と災害時の支援の在り方について
『障害者施策検討連絡会』のみなさんは、ここ数年間、手分けをして、各地域の避難訓練に参加してみました。
その結果、地区ごとに訓練の内容にも大きな差があることがわかりました。
ある地域では、長年にわたって障がいのある方々の作業所も避難訓練に参加するのが当たり前になっていました。一方、別のある地域では、障がいのある方々の参加そのものがあまり好まれない現実もありました。
そうした状況を受けて、『障害者施策検討連絡会』は横須賀市に対して『災害時要援護者プラン』に関する要望書を出し続けてきました。
けれども横須賀市の反応は鈍く、なかなか状況は変わりませんでした。
そこで今年(2014年)、『障害者施策検討連絡会』の中に新たに『防災に関するワーキンググループ』を設置したのです。
こうして『モデル訓練』の在り方を提案して実現したのが、9月7日に実施した『体験型・要援護者避難所受け入れ訓練』なのです。
そのような経緯もあって、今日の『議員との懇談会』のテーマも『障がいのある方々と災害時の支援の在り方について』でした。
6名の議員からも、30名の『障害者施策検討連絡会』からも、真摯な意見がたくさん出されました。
フジノは今、防災を担当する常任委員会に所属しています。
今日の意見交換をもとに、必ず常任委員会でも提案して、災害時の要援護者支援の在り方を改善していきます。
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『障害者施策検討連絡会』のみなさま、本日は貴重な機会を作って下さいまして、ありがとうございました。
フジノが9月議会で行なった質疑
閉会したばかりの9月議会において、フジノは災害時の要援護者支援についていろいろな質疑を行ないました。
その一部を報告します。
2014年9月8日・生活環境常任委員会
フジノの質問
まずは、要援護者支援の関係で、市民安全部と消防局に伺います。
昨日、『障害者施策検討連絡会』と一緒に、市民安全部、消防局に協力をして頂いて、『要援護者避難所受け入れ訓練』というものを初めて開催しました。
大変ありがたいことだと思います。
僕自身もその場にお邪魔したのですが、いろいろ考えることがありました。
市民安全部、消防局それぞれに、実際に今回行なってみて、どのようなことを考えたか、今後検討していかねばならないと考えたのか、お答えいただければと思います。
市民安全部・危機管理課長の答弁
要援態者支援、こちらの特別委員会でも大変熱心に御鑓論いただきましたが、正直申し上げて「鮮やかな解決策はない分野だ」と思っています。
従前、障がいをお持ちの方は、もう障がいをお持ちの方、そうでない町内会の方は、そういった町内会の方、それぞれほとんどお互いを意識することが無いというのが、正直なところだったと思っています。
私たちも「障がい者の方に特化した何か、災害時の何かができるのならば、必ずそれを検討してやっていきます」ということをずっとお伝えしてきたのです。
ただ、正直申し上げて、できないので、最初は、地域に担って頂くしかありません。
ですので、障がい者の方々には「地域の方々がどんな防災訓練をやっているのかを見て、それを踏まえて何か御提案をください」ということで、ようやく、3〜4年かかりましたが、昨日を迎えることができました。
ただ、昨日は障がい当事者の方々が主導でやられたので、あれはあれとして、あれを実際に今度、各小・中学校70カ所で全てできるかという話は、なかなかゴールは遠いのですが、 1つでも2つでも、こんなことだけでも受け入れる法、あらかじめ準備できることがあれば、それはぜひ実施していきたいと私たちも思いましたし、参加して頂いた町内会長さんも同じ思いを抱いて頂いたと思っていますので、「まずは第一歩」というのが市民安全部としての率直な感想でございます。
消防局・総務課長の答弁
先般の訓練では、消防局としては、車いすの搬送訓練を担当した訳ですが、実際に、消防局では、原子力の災害対策車の搬送車が2台ありまして、これには、 車いす2台を積載して、その方を搬送できる車両を現在保有しています。
また、災害対応につきましては、昨年度、新しい指令システムを導入させて頂きまして、そのシステムに要援護者の方を登録しております。
万が一、119番が入電すれば、その方の情報がすぐ入りますので、先着隊が即人命救助に向かう。
またそのことは各消防隊に伝達されて、責任者が乗っている車両から、即人命救助に当たるというような指示命令を出しまして、やはり要援護者を素早く救出できるようにという体制をとっているということでございます。
フジノの質問
今回は、いわゆる肢体不自由な方や知的障がいのある方がメインで、精神障がいのある方や御高齢の認知症の方の存在は、あまりオープンな感じでは参加されていなくて、それぞれの障がい特性に応じた困難もきっとあると思うのです。
今回、本当に初めて行なってよかったと思うのが、『福祉避難所』での想定とかでは無くて、あるいは『福祉施設』の中での想定ではなくて、『一般場面』の中で、障がいのある人も無い人も一緒にやるという訓練だったということ。より現実場面に近かったかと思います。
この実施は、『障害者施策検討連絡会』からの提案ではあったというものの、ぜひこの訓練を少なくとも1年に1回は行なって頂けるように、毎年の項目として意識に上がるようにして頂けないかと思うのですが、いかがでしょうか。
市民安全部・危機管理課長の答弁
我々市民安全部としては、障がい者に特化したことというのはなかなか正直難しい場面がございます。
ただ、東日本大震災以降は、福祉部のほうも身体的に不自由な方々、もしくは知的、精神的にいろいろ問題がある方の災害時の対応ということも、福祉部・健康部もかなり一緒に考えてくれる体制になっております。
今、委員から御発言があったことは、まず福祉部に伝え、我々がふだん行なっている『地域での避難所運営訓練』と、障がい当事者の皆さんやその御家族の方々が考えていらっしゃることを、どのように今後リンクさせていけるか、福祉部とぜひ連携を図っていきたいと思います。
フジノの質問
本当に、今年、市民安全部には「福祉側によりぐっと近づいていただいた」という感触を持っています。
人工透析をしておられる方の当事者の集まりにも来賓として出席して頂いたり、いわゆる障がい当事者側も、ようやく『市民安全部』という存在を意識して、「福祉の側も一歩こっちに近づいてきた」という印象を強く持っています。
この意識が今、変わりつつある中で、ぜひ市民安全部の方も、要望があればぐっと近づいてきて下さると思うのですが、「毎年、定例でこういう訓練をやっていこう」と、『障害者施策検討連絡会』の側から提案が無い年があっても「今年はやらないのですか」と聞いて頂けるようになっていただきたいと思います。
フジノの専門分野である『障がい福祉』への知識と経験をもとに、災害時の支援の在り方をより改善できるように全力を尽くしていきたいです。