横須賀にはまちの中心に2つの原子炉を積んだ原子力空母があります
今日は、朝9:30から日米合同で『原子力防災訓練』を行ないました。
9月には『核燃料工場GNF-J』での防災訓練もツイキャスで生中継したのですが、今日もフジノはツイキャスで生中継しました。
横須賀には中心部に米海軍横須賀基地があって、1年間の3分の2以上の期間は、原子力軍艦(原子力空母・原子力潜水艦)が母港として停泊しています。
『原子力空母』は当然ながら原子力発電所と同じ危険を持っています。
そもそも米海軍横須賀基地を原子力空母の母港にするという話が日米政府から出た時に、フジノたちは必死に反対運動をしました。
モニタリングポストはあっても「避難の基準」は「原発の20倍」という異常事態が続いています
原子力空母の母港化の後、政府は、放射線量を測定する『モニタリングポスト』を増やすなどの対応は取りました。
また、『原子力防災資機材の整備』や『医療救護活動体制の整備』も進めています。
でも、事故や災害が起こった時の避難を含めた『防災訓練』は、不十分な状態が続いています。
そもそも『避難の基準値』の設定が、異常です。
国会でも市議会でも何度も何度も質疑がなされているのですが、原子力発電所と原子力軍艦では『避難の基準』が20倍も異なります。
原子力発電所の場合には、5マイクロシーベルト/毎時が避難の基準値です。
原子力軍艦の場合には、100マイクロシーベルト/毎時が避難の基準値です。
原子力発電所の場合には5マイクロシーベルトで避難しなければならないのに、横須賀市民は100マイクロシーベルトにならなければ避難しなくて良いという異常なダブルスタンダードがあるのです。
そこで市民団体をはじめフジノたち議員も、今はとにかく『原子力発電所があるまちと同じ基準に基づいた防災訓練』を行なうように求め続けています。
しかし、それは実現していません。
現在の「原子力防災訓練」は現実に対応していないけれど、それでも「実施していること」だけは市民のみなさまに知ってほしいのです
いちおう横須賀市は米軍とともに『原子力防災訓練』を実施していますが、フジノには『現実的な訓練』とは考えられません。
しかも『原子力防災訓練』が実施されていること自体、そもそも市民のみなさまに知られていません。
(*東日本大震災後、大人向けにも原子力防災パンフレットを作成したりはしているのですが、周知は全く足りていません)
だからフジノは
「せめてその訓練の様子をお伝えすることで知ってほしい」
「いつかはもっと多くの市民のみなさまに防災訓練に参加してもらいたい」
と願って、こうしたインターネットでのリアルタイム中継・録画放送を行なっています。
本日、米軍とともに「原子力防災訓練」を実施しました
今日の訓練の概要は下の通りです。
- 実施日時:
2014年12月17日(水) 9:30〜2時間半程度 - 参加機関:
●日本側:横須賀市、政府機関(外務省、内閣府、原子力規制庁、防衛省、海上自衛隊、海上保安庁)、神奈川県、神奈川県警察、横須賀共済病院
●米国側:米海軍、米国大使館 - 訓練想定・項目
横須賀港寄港中の原子力空母ジョージ・ワシントンの機関室内で配管から漏水が発生し、乗組員1名が軽度の被ばく・汚染を伴う怪我(骨折)を負ったという想定の下、次の訓練を行います。
- 情報伝達・共有
・日米間の密接な情報伝達・共有
・横須賀市警戒本部に日米のあらゆる情報を集約 - 広報
・市民生活の安全と安心確保のため、広報(3回にわたりプレス・ リリースの発出) - 負傷者の搬送
・搬送に携わる者が2次被ばくすることを防ぎながらの負傷者の搬送 - 負傷者の治療
・治療に携わる者が2次被ばくすることを防ぎながらの骨折の治療と除染 - 基地内従業員への連絡・通報
・空母艦内のアナウンス
・艦船修理に携わる従業員へ迅速な連絡・通報 - 合同環境モニタリング
・日米の専門家による合同環境モニタリングの実施(空母停泊場所周辺と米海軍病院の患者搬送口付近)
実際の様子を動画でご覧下さい
【録画その1】
フジノが市役所に到着〜市消防局内の災害対策本部へ移動〜呉東弁護士らとの談話〜訓練開始
フジノは下の『災害対策本部』と取材エリアの間に貼られたロープから身を乗り出して撮影してました。
しかも今日はラッキーなことに、フジノの隣の席に『原子力空母の横須賀母港問題を考える市民の会』共同代表の呉東正彦弁護士がいらっしゃいました。
いろいろなお話をうかがいながら、訓練に立ち会うことができました。
【録画その2】
ジョージ・ワシントンで事象発生〜
【録画その4】
【録画その5】
【録画その6】
【録画その7】
訓練終了〜最後に、呉東弁護士とフジノの談話も少しあります
「脱原発」も「原子力空母母港化撤回」も、自分たちが先頭に立っていかねばならない時期にきているはず
ところで、今日はたまたま呉東弁護士(『原子力空母の横須賀母港問題を考える市民の会』共同代表)のお隣でお話しながら過ごせたのですが、とてもありがたかったです。
日頃はお互いに忙しくて全然お会いする機会がありません。
呉東弁護士や『非核市民宣言運動ヨコスカ』の新倉さんのような先輩方、つまりフジノたちよりひとまわり上の世代のみなさんが、ずっと横須賀では活動を続けてきて下さいました。
こうした諸先輩方のおかげで、今までフジノは(『受け身』の立場で)いろいろなイベントに出席したり、活動に『参加』してきました。
でも、そろそろしっかりと世代交代をしなければならないことを自覚しはじめました。
だって、小学生時代からこうした活動に参加してきたのですが、フジノも今ではもう40才です。
40代といえば、ふつうの企業ならば部下を引っ張っていかねばならない立場です。
フジノは『自分たちの世代』がしっかりとバトンを受け継いで、活動を発展させていかなければならない責任を感じています。
脱原発も原子力空母母港化撤回も、イベントに出席とか活動に参加、ではなくて、イベントを企画したり活動を引っ張っていかねばならないのだと感じています。
どうか同世代のみなさま、力を貸して下さいね。
安全保障の要にある横須賀基地だから、カンタンに母港化撤回はできないかもしれません。
だからって、日本の原子力発電所が立地している他のまちと同じ基準で、この横須賀でも防災訓練を実現したいのです。
これには保守もリベラルもありえません。
市民のみなさまのいのちを守る為に必要な『当たり前の訓練』を実現したいのです。
どうか同世代のみなさま、一緒に声をあげていってくださいませんか。