「性分化疾患」に対する誤った呼称を使い続けていた「人権施策推進指針」へご批判を頂きました
フジノのツイッターをご覧いただいている方々はご存知のことかと思いますが、『横須賀市人権施策推進指針』において不適切な表現があるとのご指摘を当事者の方から頂きました。
それは、『指針』の21ページの注釈の欄にある『両性具有者』という表現についてです。
かつては『両性具有』などの様々な呼び方で呼ばれていた『性分化疾患』は、約4500人に1人の割合で起こるもので、近年になってようやく小説やテレビドラマなどで現実的な姿がきちんと報じられるようになってきました。
現在では『両性具有者』といった表現は、当事者・ご家族・関係者のみなさまにとって、差別的・侮蔑的な表現に感じられる、苦痛を与えてしまうものでした。
フジノは今回、ツイッターでご指摘を頂くまでこの記述に全く気づいておりませんでした。
『性的な多様性の保障』を政策として取り組んできた政治家フジノは、自らの不勉強によって多くの方々に心的苦痛を与えてしまったことを、こころからお詫び申し上げます。
大変申し訳ございませんでした。
また、ご指摘くださった方にはこころから感謝を申し上げます。ありがとうございました。
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ご指摘を頂き、即日フジノは担当部局である市民部人権・男女共同参画課に改善策を検討してもらいました。
またフジノ自身も様々な文献にあたりました。
日本小児科学会雑誌・第112巻第3号「性分化異常症の管理に関する合意見解」において、2006年に国際学会で名称について等のガイドラインが示されていました。これによると、すでに2006年には国際的に『Disorders of Sex Development(DSD)』という呼称を用いることが提唱されていました。
その後、2009年10月には日本における翻訳が確定し、日本小児内分泌学会において『性分化疾患』に統一されました。
こうした経緯をもとに、市民部人権・男女共同参画課長と市民部長とが対応をすぐに決断してくれました。
こうして「人権施策推進会議」が開催されました
本日は『第4回人権施策推進会議』が開催されました。
今年度のテーマである『高齢者の人権』について、『横須賀市人権施策推進会議報告書(案)』が議論されました。
最終的に承認されて、2月には市長へ答申を行なうことになりました。
そして、議事次第の最後において、以下の提案が事務局(市民部人権・男女共同参画課)から行なわれました。
横須賀市人権施策推進指針の文中の文言の変更について
『人権施策推進指針』の21ページをご覧下さい。
下の方に四角い枠がございまして、*1の『性的マイノリティ』というところですが、こちらに「性同一性障害や同性愛者、両性具有者など」と記載がされています。
『両性具有』とは、「染色体やホルモンに何らかの問題がありまして、男女の区別が明確でないという疾患」であり、これまで名称が複数ございましたが、こちらの『指針』の作成後に、『日本小児内分泌学会』が『性分化疾患』という名称に統一したことが分かりました。
つきましては今後、現在ホームページに掲載しておりますこちらの『指針』に注釈を加えるとともに、今後の情報発信の際などにも『性分化疾患』という呼称を使用してまいりたいと思いますので、ご報告をいたします。
なお、名称にかぎらず、専門用語は時代とともに変わっていく場合がございますので、事務局においても情報収集に務め対応していきたいと思いますが、今後みなさまにもお気づきの点がございましたらご指摘下さいますようお願い申し上げます。
これに対して、委員長はじめ、委員のみなさまがご賛同いただきました。
正式に『人権施策推進指針』の中の用語が変更されることが決定いたしました。
今後の対応につきましては、以下の3点となります。
- 2009年に配布をしたペーパーの『人権施策推進指針』は配布を終えて、回収することは現実的に不可能な為、そのまま現状維持とします(印刷物の『人権施策推進指針』が将来的に増刷される機会には、今回の該当部分だけでなく性的マイノリティに関する記述も大幅に変更される可能性があります)。
- 現在、実際に『人権施策推進指針』が読まれているのは横須賀市ホームページに掲載しているPDFファイルなどであり、そちらは早急に『性分化疾患』に変更します。
- 横須賀市職員向けの性的マイノリティに関する研修が毎年行なわれおり、その中でも『性分化疾患』について現在の正確な情報に基づいた研修を行ないます。
フジノブログの記述も、横須賀市ホームページの記述の変更にあわせて変更をいたします。
もちろんこれに加えて、2月には毎年恒例となったパネル展示(『いのちリスペクト。ホワイトリボンキャンペーン』のご協力)や、様々な取り組みの機会を捉えて、市民のみなさまに対しても正確な情報の普及啓発に努めてまいります。
今回のご指摘は、フジノにとって大変ありがたいものでした。
同時に、ご心痛をおかけしたみなさまには重ねてお詫びを申し上げます。
より一層、当事者のみなさまの想いにそった政治・行政であろうと努力を続けてまいりますので、ぜひ厳しいご指摘を今後ともお願い致します。