横浜弁護士会人権賞の贈呈式が行なわれました
『よこすかひとり親サポーターズひまわり』による『ひとり親交流会』を途中で抜けだして、大急ぎで横浜・関内へ向かいました。
横浜市開港記念館が目的地です。
横浜弁護士会が主催する『人権賞贈呈式』に出席する為です。
横浜弁護士会の中に『人権救済基金運営委員会』という委員会があります。こちらが毎年、『横浜弁護士会人権賞』の贈呈を行なっています。
そもそもこの賞が設立されたのは、横浜市緑区で発生した米軍機墜落事故訴訟弁護団からの寄付をきっかけに、平成4年3月に『人権救済基金』を設立したことだそうです。
その使いみちの1つとして、人権擁護の分野で優れた活動をした個人・団体を表彰することによって、人権擁護の輪を広げ、人権のさらなる発展と定着に寄与したいと考えて、平成8年から『横浜弁護士会人権賞』をスタートしました。
今回で19回目となる歴史のある、素晴らしい賞です。
そして、横須賀市の性的マイノリティ支援に長年にわたってご協力頂いている『NPO法人SHIP』が栄えある受賞者に選ばれたのです!
第19回人権賞の受賞者選定の理由
- NPO法人SHIP
社会の偏見や差別により孤立しがちな性的マイノリティの人たちに 対し、コミュニティ・スペースの提供、カウンセリングその他の支 援事業を幅広く行い、教育機関等への啓発活動を行うなど、その人 権の擁護に多くの成果をあげてきた。 - 一般社団法人インクルージョンネットよこはま
貧困と格差が拡大した社会の中で、経済的困窮者や孤立の問題をかかえる若者など様々な生活困難者の自立等のため、多様な分野のNPOや専門家の連携の下で相談・支援等をする体制をつくり、全国的なモデルともなる実績をあげている。
大変な評価を『NPO法人SHIP』が受けたことに、わがことのようにフジノはうれしくなってしまいました。
歴代の受賞者は、フジノの尊敬する人や団体ばかり
今回、改めて過去の受賞者・受賞団体を振り返ってみました。
すると、フジノの尊敬する方々や団体ばかりでした!
回 | 受賞者・受賞団体 | |
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18 | NPO法人神奈川労災職業病センター | 植田善嗣さん |
17 | NPO法人多文化共生教育ネットワークかながわ | 客野美喜子さん |
16 | カラカサン~移住女性のためのエンパワメントセンター | NPO法人神奈川子ども未来ファンド |
15 | NPO法人ジェントルハートプロジェクト | NPO法人ウィメンズハウス・花みずき |
14 | 神奈川県医療生活協同組合 港町診療所 | NPO法人よこはまチャイルドライン |
13 | NPO法人さなぎ達 | 神奈川県消費生活相談員ネットワーク |
12 | パレスチナのハート アートプロジェクト | |
11 | NPO法人在日外国人教育生活相談センター・信愛塾 | 社会福祉法人礼拝会ミカエラ寮 |
10 | NPO法人子ども虐待ネグレクト防止ネットワーク | NPO法人多言語社会リソースかながわ(MICかながわ) |
9 | 水谷修さん | 在日高齢者交流クラブトラヂの会 |
8 | 厚木基地爆音防止期成同盟 | 菅原幸助さん |
7 | 広田和子さん | |
6 | 福光洋一さん | かながわ市民オンブズマン |
5 | 寿支援者交流会 | 『がんばれっ!日本国憲法』上演実行委員会 |
4 | 神奈川県インドシナ難民定住援助協会 | |
3 | 横浜ダルク・ケア・センター | 女性の家サーラー |
2 | 京浜協同劇団 | かながわ・女のスペースみずら |
1 | 故 深澤キク江さん |
実際に、ご縁のある方もいらして、うれしい限りです。
贈呈式の様子をご紹介します
さて、受賞者の入場です!
改めて、選考委員長の河合幹雄さん(桐蔭横浜大学大学院法学研究科長・法学部長・教授)から発表と選考理由が述べられました。
横浜弁護士会会長の小野毅さんから表彰状・トロフィー・賞金の授与が行われました。
星野代表は、受賞後のスピーチにおいて『NPO法人SHIP』の活動スタートのきっかけをお話しして下さいました。
今から15年前、新木場でゲイ男性が頻繁に傷害事件にあったことに深くこころを痛めた星野代表。わが国では諸外国に比べてなかなか公にならないことですが、明らかにホモフォビアによる暴行事件だったのではないかとフジノは考えています。
2000年2月には、あるゲイ男性が殺害されてしまいました。その事件では、被害者であるにもかかわらず、ゲイであるということをおもしろおかしくメディアが報じたことに、星野代表はきちんとした啓発活動を行なっていかねばならないと決意して、活動をスタートしたそうです。
神奈川県教育委員会との共同事業を続けてきた『NPO法人SHIP』。
昨年度は年間40件の講演活動を学校で行ないました。
さらに、この数年間は横須賀市の様々な取り組みに大変なご協力を頂いています。
数年前から市職員らを対象にした研修の講師をお願いしているだけでなく、市長や教育長にもお会いしていただき政策にアドバイスを頂くなど、様々な形でご協力を頂いております。
全国でも初めての取り組みとなる性的マイノリティ当事者の方々と市役所関係部局の課長らとの定期的な意見交換の場である『性的マイノリティ関係課長会議との意見交換会』も、星野代表なくしては実現できませんでした。
さらに、フジノは10代のこどもたち(セクシャリティの悩みを抱えるこどもたちの自傷・自殺未遂はすさまじい割合で起こっています)を守ることが悲願なのですが、その対策として具体化したのが、2014年度から新たにスタートした10~20代の方々を対象に開催している『Cafe SHIPポートよこすか』です。これも『NPO法人SHIP』にお願いして実施しています。
今まさにわが国では、『性的な多様性』への理解が少しずつ進んできました。それはまさに、星野代表ら『NPO法人SHIP』をはじめとする先人のご尽力のおかげです。
わが国ではまだ、誰もが生きていく上で、そのままの自分らしくあることが当たり前の社会ではありません。
より良い社会へと変えていく為には、息の長い活動を絶え間なく続けていくことしかありません。
本日受賞した2団体もそうですが、多くの市民団体や市民の方々の活動のおかげで、少しずつ少しずつ世の中が変わっていっています。決してあきらめずに、もっともっと誰もが希望を感じられる社会を目指して、これからも進んでいかねばならないのだとフジノも決意しました。
ツイキャスによる録画中継をご覧ください
贈呈式の実際の様子をご覧いただけるように、録画をご紹介いたします。
三角マークを押すと再生できます。ぜひ2団体の受賞後のスピーチをご覧くださいね。
受賞後の控室にて
贈呈式が終わった後の控え室にお邪魔して、改めてお祝いの言葉をお伝えしました。
控室では、選考委員会のみなさまと受賞者の記念撮影が行なわれました。
「フジノさんもみなさんも入って入って!」
と何故か記念撮影にフジノまで入ってしまいました(苦笑)
横須賀市の人権・男女共同参画課から祝電!
そして、会場でも実際に読み上げられたのですが、横須賀市市民部人権・男女共同参画課から『NPO法人SHIP』の受賞に対して祝電が届けられました。
これはフジノも知らなかったので、本当に驚き、とてもうれしく感じました。
先日の『人権施策推進指針』の用語の改善への迅速な対応といい、この祝電(なんて粋な!)といい、フジノは人権・男女共同参画課をこころからパートナーとして信頼しています。
『NPO法人SHIP』の受賞という嬉しさに、さらに祝電で彩りを添えて下さった横須賀市の対応に、深く感謝しています。
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星野慎二代表、そして『NPO法人SHIP』のみなさま、本日は本当におめでとうございます。
けれども、わが国におけるいわゆる『性的マイノリティ』とされる方々への理解と支援は、いまだ不十分です。
どうかこれからもこの国の性的な多様性が保障されるその日まで、一緒に頑張っていきましょうね!
これからもよろしくお願いします。