「市立病院運営委員会」に市長から「諮問書」が出されました
今日フジノは『市立病院運営委員会』を傍聴しました。
何故ならば、フジノが提案してきた『うわまち病院の建てかえ』の議論がこの『市立病院運営委員会』でついにスタートしたからです。
正式に、市長が『諮問書』を読み上げて、市立病院運営委員会の土屋委員長に手渡されました。
横健地第67号
平成27年(2015年)2月5日
横須賀市立病院運営委員会
委員長様
横須賀市長 吉田雄人
諮問書
本市が開設する市立うわまち病院は、平成14年7月1日に国立横須賀病院の移譲を受け、公設民営方式(指定管理者制度)により管理運営を行っている。
移譲から今日までの問、南館の増築(療養病棟及び回復期リハビリテーション病棟の開設)や、救命救急センター及び地域周産期母子医療センターの指定など医療機能の充実を進めてきた。
一方、病院施設については、一部を除いて国立横須賀病院時代の昭和40年に建築された建物であり、平成14年度から15年度にかけて大規模改修を行ったものの、老朽化のほか、医療機能の充実を進めてきていることから手狭になっており、病院運営上の課題となっている。
また、今後、高齢化の進展や人口減少が予測される中で、うわまち病院だけでなく、市民病院も含めた二つの市立病院がどのような役割を担っていくべきか、方向性を示していく必要がある。
このため、以下の事項について検討されるよう諮問する。
記
- うわまち病院が担うべき医療機能について
- うわまち病院の建替えについて
- 市民病院との機能分担について
こんなにも『大切な議論の場』なのですが、傍聴はいつもながらフジノ1名でした。
フジノは市民のみなさまに「全ての情報を必ずお伝えしていきます」と昨年このブログでお約束しました。
そこで今日のブログでは、フジノとして「何故ここが『大切な議論の場』なのか」をしっかりと記してみたいと思います。
「古い建物」を壊して建てかえるだけではなく、30年先の未来を見据えて「必要な医療体制」を実現すべきです
横須賀市には2つの市立病院(市民病院・うわまち病院)があります。
このうち、うわまち病院は築50年が経つ建物もあります。
老朽化に対して『リフォーム的な手直し』を重ねてはきました。
それに対して、フジノは『建てかえの必要性』を市議会で繰り返し提案してきました。
何故なら
「超少子・超高齢・多死社会(2025年問題、2050年問題)において、横須賀市の在るべき医療の姿を考えると『現在のうわまち病院の体制(建物だけではありません)』では対応しきれない」
と判断したからです。
もちろん提案にあたっては、うわまち病院で働く方々や市内医療関係者の多くの方々にヒアリングをしました。
その結果、すでに昨年おしらせしたとおり、横須賀市は2014年度予算に『うわまち病院建てかえの検討』を盛り込みました。フジノの提案が実現した訳です。
「うわまち病院」建てかえの議論をスタートするにあたって
ただし、このプロジェクトは完成まで今後約10年にわたって続くものです。古い建物を壊して新しくするだけではダメなのです。
このまちの未来をしっかりと見据えて、いくつもの視点をしっかりと議論していかなければなりません。
新しい「うわまち病院」のソフトとハードの在り方を検討する前提として詳細に検討すべきだとフジノが考える視点
- 社会保障制度の変化(特に、県の医療政策の権限が強くなっていくなどの大きな変化がすすめられています)
- 今後の横須賀市と三浦半島全体の人口と人口構造の変化
- 横須賀・三浦2次保健医療圏の在るべき医療の姿
- 横須賀・三浦2次保健医療圏における、総合病院と診療所の医療機能の分化
- 医療と福祉の連携と統合
- 横須賀市の将来的な財政の在り方
このまちに暮らす人々のいのちを守るという明確なビジョンのもとで、いくつもの視点を丁寧な将来推計と照らし合わせながら、横須賀・三浦2次保健医療圏の拠点病院の1つとしてのうわまち病院の姿を議論していかなければなりません。
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限られた医療資源(人口減少で若者が徹底的に減っていく中での医療人材の確保の難しさをはじめ、ソフト・ハード両方の不足)、増えていく一方の高齢者(高齢=複数の疾病を抱えている)という現実が目の前に存在しています。
わが国の医療政策としては、どんどん病院のベットを減らしていく方向に向かっています。
世界の先進国ではみな、入院主体の医療はもはや終わったからです。日本も同じです。
医師・看護師・検査技師・薬剤師などの医療人材は、全く足りない現実があります。
そこで、急性期(今すぐに治療をしなければ命に影響があるような状態)に限られた医療資源を集中的に投下します。
その一方で、どのようなケガや病気であってもまずは誰もが『診療所(かかりつけ医)』にかかる仕組みを作っていくことになります。
本当に重篤な方々だけが総合病院や高度な医療施設のある病院での治療を受ける仕組みへと変わります。
そして、急性期の治療を終えた方は、亜急性期〜慢性期の病棟を経て、福祉施設or自宅へと帰っていかねばなりません。
戦後日本がこの60年近く誰でも総合病院にかかれた、安心できる時期まで入院していられた、そういう医療の仕組みは完全にもう終わったのです。
財政的にも、医療人材的にも、あらゆる意味においても。
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それは、横須賀も全く同じです。
だから、今回の『うわまち病院の建てかえ』は建物を壊して新しくする、というようなレベルのお話では全くありません。
例えば、西地区のみなさまの大きなご不安や反対のお気持ちを理解しながらもフジノは、市民病院の小児科医のみなさんをうわまち病院に集約することに賛成したのも同じ理由です。
医療の仕組みは、あなたが慣れ親しんでこられたであろう、これまでの60年間の日本の医療とは全く姿が違うものになります。
今後さらに議論が重ねられていきます
こうした「慎重な議論が必要だ」という考え方はフジノだけでなく、横須賀市健康部も同じく共有しています。
議論の場である『市立病院運営委員会』を定期的に開催して、議論を重ねていきます。
それから、ようやく建てかえの工事に向けて動き出すことになります。
市立病院運営委員会の今後の予定
【第1回 (今回)】
- 諮問事項(うわまち病院建替え検討)の説明
- うわまち病院の現状説明
建物等について
職員数について
患者数の状況
医療機能について
経営状況
【第2回(2015年度・春)】
- うわまち病院の見学
【第3回(2015年度・夏)】
- 横須賀市及び地域の人口推移予測
- 横須賀市及び地域の患者推計
- 横須賀市及び地域の医療資源
【第4回(2015度・秋)】
- 今後『うわまち病院』が担うべき医療機能について
第5回 (2015年度・冬)
- 今後『うわまち病院』が担うべき医療機能について(第4回からの継続審議)
- 『市民病院』との機能分担等について
ちなみに、今日配布された資料はこちらです。
改めてお約束します
フジノにとって、『医療政策』は最重要な取り組みの1つです。
財政がどれだけ疲弊しても、人口がどれだけ減少しても、ご高齢の方々がどれだけ増えても、絶対にフジノは『セーフティネットとしての社会保障』を守ります。
国・県・市の制度を全てしっかりと学んで、どんなささやかな法改正も追いかけて、保健・医療・福祉政策のあらゆる情報をみなさまに発信していきます。
かつて吉田市長があまりにもいいかげんな対応をしたせいで西地区のみなさまに大きなご不安を与えた『市民病院の小児科入院診療の廃止』のような間違った方法は、『うわまち病院の建てかえ』にあたっては、絶対に取らせません。
昨年と同じ言葉ですが、改めてお約束します。
どんな細かなささやかなことに思える情報も、全て発信していきます。
全てを市民のみなさまにお伝えして、そして1つずつ丁寧にご説明して、そうすることがいったいどのような未来につながっていくのかをお話していきます。