本会議後、生活環境常任委員会だけが開催されました
本会議終了後、フジノの所属する『生活環境常任委員会』が開かれました。
他の委員会は開かれない中で、特に本委員会だけが開かれたのは、ある陳情の取り扱いについて協議する必要があったからです。
陳情は、下の通りです。
横須賀ごみ処理施設建設事業についての陳情
陳情の趣旨
温室効果ガスのみならずダイオキシン類・PM2.5をはじめ、近年の放射性物質を拡散する日本のごみ焼却施設は、世界各国とは正反対の処理方法です。
横須賀ごみ処理施設建設事業は、いままで不燃ごみとしていたプラスティックやゴムタイヤなども焼却する計画なのでこれまで以上の汚染物質を拡散します。
横須賀市は、影響が少ないとする環境影響評価を出してこの計画を進めています。
しかし、市民による地形や風向を考慮した大気汚染調査の結果では、横須賀市のほぼ全域で現況より悪化、さらに環境基準を大幅に超える地区も出ています。
横須賀市は、平成23年に市職員を事務局とし、西部地区(大楠・武山・長井)と衣笠地区の一部連合町内会会長職を中心とした31名で『横須賀ごみ処理施設建設対策協議会』を作りました。
『対策協議会』は、297億円の血税を投入し環境汚染・健康問題を引き起こす大規模事業をすべて容認し、横須賀市が市民へ環境影響予測評価結果を公表する前に市民が不利益となる協定を次々に締結するという暴挙に出ています。
私たちは、『横須賀ごみ処理施設建設対策協議会』を住民の代表として認めることは出来ません。
議会におかれましては、『横須賀ごみ処理施設建設事業』を一旦凍結し、慎重な審議を尽くしてごみ処理事業を行うようお取り計らいをお願いいたします。
陳情項目
- 住民を無視し続ける『横須賀ごみ処理施設建設対策協議会』の即刻解散と横須賀市が同協議会と交わした協定書を無効とすること
- 横須賀市の厳しい財政状況の中、市議会が本事業に関する慎重な審議とチェック機能を果たすこと
- 『横須賀ごみ処理施設建設事業』を一旦凍結すること
平成27年2月6日
横須賀市議会議長様
陳情者
住所:横須賀市平作●丁目●-●
氏名:●● ●
他、署名1,297名
横須賀市が建設に向けて計画を進めている新ごみ処理施設についての凍結を求める陳情です。
請願・陳情を出した市民が「意見陳述」できるように条例を作ったのだから、その機会を必ず認めるべきだ
横須賀市議会では議会基本条例において、請願・陳述を提出した市民の方々が望む時は、委員会に出席して自ら『意見陳述』をできることになっています。
横須賀市議会基本条例
(請願及び陳情)
第12条 議会は、請願及び陳情を市民による政策提案と位置付け、真摯に取り扱うものとする。この場合において、請願者若しくは陳情者の求めに応じて、又は議会自ら、請願者又は陳情者が説明や意見陳述を行う場を設けることができる。
2012年12月議会の教育福祉常任委員会(当時フジノは所属していました)において、初めて実際に意見陳述が実現しました。
議会改革はフジノの大きなテーマの1つなので、この意見陳述を実現させたわが市議会を誇りに感じたものです。
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そして今回、陳述を出して下さった方々は「意見陳述をしたい」と希望されました。
ただし、実現には『大きなハードル』が1つあります。
それは、委員会のメンバー全員が一致して「賛成」しなければならないのです。
全会一致して初めて『意見陳述』が可能になります。
フジノは、どのような請願・陳述であってもそれは「政策提案」であるという議会基本条例の理念に沿って、『意見陳述』に賛成しました。
しかし、結果的に共産党以外の他の会派はみなさん反対しました。
その結果、市民の方々による『意見陳述』は認められませんでした。
横須賀市議会は、全国に誇るべき『開かれた議会』です。それなのに、市民の声を聴く機会さえ拒否してしまうのはおかしいです。
請願・陳情に賛成か反対かの立場を超えて、「そもそも意見を聴くこと」自体は、必ず実施すべきだとフジノは考えています。
何故このテーマだけ2度も意見陳述を拒否せねばならなかったのか理解できません
今回の決定は、前回に続いて、極めて残念な対応だとフジノは失望しています。
実は、この新ごみ処理施設をめぐる請願は2014年6月議会にも出されています。
2014年6月11日に開催された生活環境常任委員会においても、請願を出した市民の方々が『意見陳述』を希望されたので、取り扱いを協議しました。
そこでも、全会一致に至ることはありませんでした。
どうしてこのテーマに限って、頑なに市議会が『請願・陳述を出された市民の方々の意見を聴かない姿勢』を取り続けるのか、フジノには理解できません。
どのような問題であっても、オープンに議論できる横須賀市議会であり続けてほしい。
そう強く願っています。
*1期目の吉田市長当選の為に全力を尽くしたフジノが、彼とたもとを分かった最大の原因は、この問題での吉田市長の決定のプロセス・発表の仕方・決定そのものがあまりにも住民不在・市民不在だったからです。