内閣府自殺対策推進室が発表した「2015年1月の自殺による犠牲者(速報値)」
警察庁から提供を受けた自殺データ(2015年1月分・速報値)に基づいて、全国・都道府県別・市区町村別自殺者数について再集計したものです。
フジノは毎月このデータが発表されるたびに、一晩中、悩んでいます。
警察庁からは、限られた情報しか提供されません。
- 犠牲者数
- 犠牲者の、10才ごとの内訳
- 犠牲者の、一緒に暮らしていた人(同居人)の有無
- 犠牲者の、職業
あまりにも少ない情報をもとに、過去のデータなど比較したり、傾向を分析しながら、打つべき対策について悩んでいます。
これでは原因の分析が全くできず、対策も有効に打てません。
原因を分析する為にはマクロ的な統計データによる分析だけでなく、おひとりおひとりの生前の姿を描き出す『心理学的剖検』が必要だと考えてきました。
実際、国の『自殺総合対策大綱』においても『心理学的剖検』の必要性は明記されています。
「早く実施してほしい」とずっと訴えてきたにもかかわらず、国は動きません。
そして、ただ毎月、犠牲者数だけが報告され続けてくるだけなのです。
あまりにも不十分な現状に怒りを感じたフジノは、
「もう国の動きを待たずに、横須賀市が独自に心理学的剖検を実施して、自殺への追い込まれた複数の要因を丁寧に調べていくべきだ」
と問題提起を続けてきました。
しかし、市長からは前向きな答弁は返ってきませんでした。
それでもフジノは全く諦めるつもりはなく、
「横須賀市単独で『心理学的剖検』を実施すべきだ」
とこの予算議会(3月2日)でも再度提案します。
最悪な昨年と同じ犠牲者数でスタートしてしまった2015年1月
政治家という立場を離れて、ひとりの精神保健福祉士として、また、それ以前にひとりの個人として、
「横須賀市がやらないならばおれがやる」
とフジノは覚悟を決めてもいました。
2007年に上智大学大学院に進学したのも、横須賀の自殺による犠牲者の方々と残されたご遺族の方々を訪ね歩いて『心理学的剖検』を実施する為でした。
『精神保健福祉士』『日本心理学会認定心理士』『心理学学士』の資格を持つフジノですが、研究者として専門のトレーニングを積まねば『心理学的剖検』には臨めないと考えました。
大学院でトレーニングを受け、そして指導教授をはじめ多くの研究者の方々のバックアップを受けながらであれば、丁寧に『心理学的剖検』が実施できると考えたからです。
父の闘病生活への費用を捻出する必要から、大学院での研究(地域社会政策としての自殺予防対策の立案がテーマでした)を2009年に断念しました。
その後も全く諦めるつもりは全く無く、内閣府に行くたびに「早く心理学的剖検の全国レベルでの実施を行なって下さい」と訴え続けています。
さらには、横須賀とも深いつながりのある松本俊彦先生(国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所自殺予防総合対策センター副センター長)にお会いするたびに
「心理学的剖検を全国で実施すべきです!」
としつこく訴え続けています。
本来は、フィンランドのように政府をあげて実施すべき。
それがムリなら、横須賀市が単独でもやるべき。
けれども誰も動かないなら、フジノは自分で責任をもって実施したいといつもいつも思っています。
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さて、2015年1月の統計が報告されました。
予算議会のまっただなかですが、過去20年分のデータと比較しながら、眠らずに、ずっと悩み続けています。
昨年2014年は、横須賀市の自殺による犠牲者数は2013年よりも12人も増えるという、悲惨な結果となりました。
その2014年1月の自殺による犠牲者数は6名でした。
2015年も6名です。
細かな年齢構成などは異なるのですが、この人数の一致にとても大きな不安感を抱いています。
2015年も2014年並みの悲惨な犠牲者数になってしまうのではないか。
そんな不安に今、フジノは囚われています。
3月2日の本会議では、今フジノが考えうる横須賀市が取るべき自殺対策を提案し対策を訴えます。
与えられた質問時間はわずか20分しかないのですが、それでもこの強い危機感を市長に対して訴えてきます。
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ご遺族の方々のご心痛を思うと、苦しくてたまりません。
どうかご遺族の方々にお願いです。
その想いをいつでも僕たちにぶつけて下さい。
横須賀市保健所健康づくり課こころの健康係をはじめ、『横須賀こころの電話』『自死遺族の分かちあいの会』など、あらゆる窓口があります。
もちろんフジノにぶつけて下さっても大丈夫です。
どうか、あなたひとりきりで悲しみの中に追い込まれないでいて下さいね。
亡くなられたご本人と心理的に近かった方々(親子・兄弟・配偶者・恋人・親友・会社の同僚など)は、自殺という出来事に直面した後、ハイリスクな状況へと追い込まれてしまうことが研究で分かっています。
どうか、あなたひとりきりで苦しまないで下さい。
せめて、僕たちにその声を聴かせていただけないでしょうか。
お願いします。