資源循環部の新年度予算に対する質疑で「市長の姿勢」と「横須賀市の方針」がズレていることを指摘しました
3月9日の予算決算常任委員会(生活環境分科会)では、資源循環部の2015年度当初予算案に対する審査を行ないました。
フジノが指摘したことは、
資源循環部がかつての環境部時代からずっと一生懸命とりくんできた『生ごみの減量化』の方針と、吉田市長の姿勢には大きなズレがあるのではないか
ということです。
これはあってはならないことですが、吉田市長の姿勢は『ごみ減量化』に極めて消極的だとフジノは受け止めています。
実際にフジノが行なった質疑を文字起こししてみました。ぜひご覧下さい。
2015年3月9日・予算決算常任委員会生活環境分科会
フジノの質問
『燃せるごみ』に関する排出量は、9万3,601トンとなっております。
このうち、本市分の『生ごみ』は何トンあるのでしょうか?
南処理工場長の答弁
9万3,601トンのうち、収集の分が8万7,842トンになります。
『直接搬入』が5,759トンという内訳なんですけれども、このうちの『生ごみ』がどれくらいかというと南処理工場の『ごみ質分析』の中で、4回やっていますけれども、その数値をかけて推計するしか無いと思います。
西郷委員長の発言
それは今、計算で出せますか?
藤野委員、おおよそでよろしいんですよね?
南処理工場長、おおよそで分かれば答弁して下さい。
南処理工場長の答弁
平成25年度の平均値で『生ごみ』が27.2%となっております。
平成26年度は、3回測っておりまして、25%になります。
フジノの質問
予算説明資料29ページをご覧頂きたいのですが、
『減量化・資源化推進事業』の中の『生ごみ減量化推進事業』について関連して伺います。
本市の『燃せるごみ』のうち、25〜27%を有している生ごみをいかに減らすかによって、焼却する量を減らすことができるかがかかっていると思います。
この為の1つの手段が『家庭用生ごみ減量化処理機』かと思うのですが、新年度はどのようにこれをより普及啓発・利用していただく為の取り組みを行なうんでしょうか?
推進課長の答弁
普及の方法でございますが、今まではやはり広報紙ですとか販売しているお店にうちの方のパンフレットを置いて頂いたりとか補助の申請書を置いていただいたりとかしております。
また、ホームページですとかそういったことで、考えられるあらゆる手段を一応やっているつもりですが、やはり委員おっしゃるようにですね、『生ごみの減量化』というのは非常に大切なことですんで、なお一層、力を入れていきたいと思っております。
リサイクルプラザ館長の答弁
今の件で補足でございますけれども、3月21日、『第50回アイクルフェア』が開かれます。
その中でもですね、『生ごみ処理機の展示』というのもやりますので、そんな形でも啓発を進めていきたいと思っております。
フジノの質問
『アイクルフェア』が記念すべき第50回ということで、その場でもこの普及啓発をしていただけるということで大変ありがたく感じています。
『啓発』は『対・一般向け』と『対・事業者向け』と行なっておられるということを伺ったのですが、例えば『小学生のリサイクル学習事業』でもこれはやっておられるんでしょうか?
リサイクルプラザ館長の答弁
『小学生の体験事業』の中身は、まず講堂で『リサイクルプラザ』また『横須賀市の分別』などその辺をまず学んでいただきまして、その後、工場の中を見学すると基本的にはそういう形になっています。
ただ、ガイドの方でですね、口頭でいろいろ『減量化の手法』ですとか『横須賀市の現状』ですとか、そういうこともお伝えしておりますので、「生ごみを減らしていこう」といったことですとか、そういったことも学んで頂いております。
フジノの質問
かねてから、それこそ旧『民生常任委員会』(教育福祉常任委員会の前身にあたる委員会です)に環境部(資源循環部の前身にあたる部です)があった時から、
「小さい時からの啓発が大切だ」ということをお伝えしてきました。環境部のみなさんにも同じ想いを持って頂いたと思います。
そんな中でやはり『燃せるごみ』の4分の1ですよね、4分の1を占めている『家庭用生ごみ』がなんとか減らせれば、大きく本市にも貢献するし、誰にとっても良い結果を生むということだと思うのですね。
その意味で今の質問をさせていただきました。
『小学校』についてはこれでよろしいかと思うのです。ほぼ全校、毎年、見学に来て頂いていますし、こういうふうに堆肥化することもできるんですよという仕組みも知ることができるので。
けれども、『中学校』『高校』に対する啓発というのはどう行われているのでしょうか?
推進課長の答弁
『子どもごみ教室』という名目でですね、中学校から高校にもご案内はさし上げているところです。
平成25年度実績では、少学校の他に中学校でも4回。
それから過去、平成21年度になりますが、高校でもやっております。
まあ、なかなか高校は「忙しい」ということでご希望が少ないのですけれども、そういったことで『子どもごみ教室』といったことでご案内を差し上げております。
フジノの質問
ありがとうございます。
引き続き、『子どもごみ教室』の中でぜひ『家庭から排出されている生ごみ』の減量化をさらに訴えていっていただきたいと思います。
先日、新聞報道で知ったのですが、
三浦半島のうち我が横須賀市長を除く各市町の首長が集まって、堆肥化の為の機具である『キエーロ』というものを各まちの首長がご自宅で実際に使っていて、町民や市民に普及啓発を促している
という様子が報じられました。
葉山発祥のごみ処理器「キエーロ」普及へ 首長と大学がタッグ
◇学生食堂、寮に導入
ごみ問題をテーマとし、鎌倉市の松尾崇市長、逗子市の平井竜一市長、葉山町の山梨崇仁町長がそろって出席したシンポジウムが14日、関東学院大学(横浜市金沢区)で開かれ、3者と同大が連携し、課題解決に取り組むことを確認した。
同大は手始めに、自然の力だけで生ごみを分解でき、3市町が普及に力を入れる葉山発祥の処理器キエーロを学生食堂、学生寮、運動部寮に導入すると表明した。
学生や市民の関心を高めるため、来年度にはキエーロのデザインコンテストを実施することも明らかにした。
3首長は現状報告で、一般会計に占めるごみ処理費は、鎌倉市が7%、逗子市が13%、葉山町が11%に及ぶことを示し、「ごみを燃やし、埋める費用は、お金を燃やし、埋めていることと同じだ」と強調。
『家庭系の燃やすごみ』の約5割が『生ごみ』であるため、キエーロなど処理器の普及が課題解決の鍵になると訴えた。
逗子市在住の経済学部3年の男子学生(21)は「ごみのことを気にしたことはなかったが、『ごみ処理経費は金を捨てているのと一緒』と聞いて気が変わった。生ごみは汚いというイメージだったが、自分にもできることに取り組みたい」。不動産業界への就職が決まっている都内在住の同学部4年の男子学生(23)は「近隣住宅同士のごみの苦情も、キエーロを各家庭で使うことで解消できるのではないか。シンポを聞き、新しい発見がいろいろあった」と話していた。
「生ごみがなくなるのが楽しい」「キエーロは世界を救う」-。
自然の力で生ごみを分解するキエーロ。
かねて愛用する3首長はシンポジウムで、“キエーロ愛”に熱弁を振るった。
「最初は妻に『虫がわく』と反対されたが、実際やると全然気にならない。さらに天ぷら油もカレーも処理できるんですよ」
平井竜一逗子市長が使い勝手の良さを力説。
山梨崇仁葉山町長は
「家庭菜園の堆肥に使うとおいしい野菜もできますし。生ごみが消えるのがすごく楽しいんですよね」
と実用例を紹介した。
松尾崇鎌倉市長は
「パーティーで出た生ごみを、もらって帰ったこともある。いつでも快適に埋められるように、うちには今5台ある」
と披露し、会場を驚かせた。
『燃やすごみ』の約半分を占めるのが『生ごみ』。
3首長は、各家庭で『生ごみ』を処理できれば、運搬費用などに掛かる億単位の税金を節減できることや、二酸化炭素などの環境負荷を軽減できることにも言及。
「キエーロは単なる箱だが、世界を救うことができる」(松尾市長)と、可能性を熱く語った。
その上で
「学生寮などで使ってもらい、キエーロ製作ワークショップなどにも関わってもらえたら」
と学生の若い力に期待を寄せていた。
あれは「素晴らしいメッセージだ」というふうに僕は受け止めました。
逆に「何故この場に横須賀市長が居てくれないんだろう」というすごく残念な気持ちにもなりました。
まず、何故、本市長はあの場に居なかったんでしょうか?
サイクリングパンフレットを配布するよりも、よほど意味のあることだと思うんですけれども。
これまで資源循環部が打ち出してきた『生ごみ減量化』のメッセージとも反する気がするんですが、いかがでしょうか?
資源循環部長の答弁
市長が居なかった理由については分かりません。
フジノの質問
やはり、「あの場に市長がおられなかった」ということは本当に残念だと思うんですね。
ぜひそれを挽回すべく、市長には先日もエレベーターの中でお会いした時にこのお話をした訳ですが、
やはり市長が前面に立って「生ごみ減量化っていうのは本当に大切なんだよ」とおっしゃってほしい。
過去の吉田市長の主張というのは、例えば「小さな紙ごみも分別して資源化できるんだよ」という本当に細やかなことをおっしゃってきた。
それが、『家庭用生ごみ』、これだけ25%も占めているのに『減量化』のアピールがあの場ではできなかった。
だから、平成27年度、ぜひアピールを市長が強くしていってほしいと考えているのですが、部長としてはどのようにお考えでしょうか?
資源循環部長の答弁
『キエーロ』についてもうちの補助メニューの中に入っておりますし、市長にも『アイクルフェア』の50回の時に市長も参加するような形になっています。
その中では、『キエーロ』の開発者も来て、『キエーロ』の展示もしますし、電気式の『生ごみ処理機』その他いろいろな製品も並べるようになっています。
ぜひそういう機会も捉えて、アピールしていきたいと思っています。
フジノの質問
予算説明資料29ページの『家庭用生ごみ減量化処理機器購入費補助金』の中に『キエーロ』については含まれているんでしょうか?
推進課長の答弁
コンポストの中に含まれております。
フジノの質問
『キエーロ』そのものはトタン1枚と木の板が数枚あれば、風通しを良くして傾斜をつけて、あとは畑と同じ原理で太陽の光が発酵させるというようなカンタンな仕組みなので、実際にかかる費用そのものはそんなに高くないし、
先日も関東学院大学のみなさんが作っておられる様子が報じられていました。
生ごみ処理器「キエーロ」
学生寮や食堂に設置 関東学院大生10台製作
関東学院大学(横浜市金沢区)の学生が、自然の力だけで生ごみを分解できる処理器「キエーロ」を10台製作した。
横須賀市追浜本町にある学生寮やキャンパスの食堂などに設置。家庭系の可燃ごみの約5割を占める生ごみの削減に向け、大学を挙げて取り組んでいく構えだ。
キエーロは葉山町の夫妻が考案した生ごみ処理器。
横長の木箱に入れた土に生ごみを埋めるだけだが、採光や通風の工夫でバクテリアの動きを活発にし、貝や太い骨などを除き生ごみを完全に分解でき、堆肥化する。
もともと土の中にいる微生物の力を活用しているので、設置後に追加費用はかからない。生ごみは大半が水分のため、埋め続けてもほとんどかさが増えない。考案者がホームページ上で作り方を公開しているため、関心のある人が日曜大工などで自作できることも特色だ。
関東学院大で製作にあたったのは、大学側の呼び掛けに応じた寮生11人。
作業開始にあたり、学生生活部長でもある小山嚴也副学長が
「キエーロ普及の担い手の一つとして、関東学院が手を挙げた」
と意気込みを表明。規矩(きく)大義学長は
「小さな動きから、大きなうねりができたらいい」
と語った。
学生たちは、建築学が専門の小林謙二教授や大学院生らの指導の下、作業をスタート。あらかじめキットのように仕立ててあった木材を、クギやネジを使って組み立て、仕上げとしてニスを塗った。
約6時間で、予定していた10個を作り上げた。
学生寮や食堂に加え、横浜市金沢区にある体育会の野球部、ラグビー部、陸上部の寮にも設置する。
同市港南区にある同学院の認定こども園にも置いた。
キエーロの中に入れる土は、地盤工学が専門の規矩学長の研究室にある土を活用する。
実際に使用しながら、今後の展開を考えていく方針だ。
関東学院大は昨秋、キエーロ普及に力を入れる鎌倉市の松尾崇市長、逗子市の平井竜一市長、葉山町の山梨崇仁町長を招いてシンポジウムを開催。
連携してごみ問題の解決に取り組むことを確認しており、今回の製作もその一環。
ですから、実際の補助金額というのは少なくて済むと思うのですが、ここに書かれているのが『コンポスト容器30基』。
これだと『目標』としてはとても低く感じるんですね。
例えば、葉山町などですと、資源循環部のみなさんもう把握しておられると思うのですが、「町民の何割まで普及させたい」っていう目標を打ち出しておられる。
すごく、ごみに対する良い意味での危機感の現れだと思うんです。
このコンポスト容器30基分というのは少なすぎませんか?
どうお感じでしょうか?
推進課長の答弁
おっしゃるように『キエーロ』につきましても横須賀市は以前から補助しておりまして、平成22年から補助の実績がございます。
現在まで14基、補助しております。
今年度(2014年度)になりまして、やはり知名度があがってきまして今年度は8基、これまでの14基のうち8基が『キエーロ』補助しております。
おっしゃるように今後も増える可能性ございますんで、全体の中でまた見ていきたいとそう思っております。
フジノの質問
物事にはやはり『流行りすたり』があって、コンポストも一時期本当に流行りましたよね。
今は『キエーロ』という形で、電気を使わない、カンタンに作れるという形で、良い意味で『ブーム』が来ていると思うんです。
ここで一気に普及させることが、『燃せるごみ』の中の『家庭用生ごみ』を減量化することに大いに役立つと思うんです。
今、課長のご答弁の中で「様子をみながら」というお話があったんですが、ぜひですね、単価はとにかく低いので、補助限度額3万円には絶対にいかないはずです。
予備費の流用の範囲で十分に対応できると思いますので、もし要望が多くあれば30基を超えても50基・70基になってもぜひその時はご対応していただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
資源循環部長の答弁
対応できるような形で動きたいと思っています。
ぜひ予算が足りなくなるような好評になるようになればと思っています。
フジノの質問
繰り返しになるのですが、その為にも『普及啓発』にぜひ力を入れていただきたいと思います。
正直、部長も僕もたぶん同じ意見だと思うのです。
『減量化』できる手段が『電気式コンポスト』であれ『キエーロ』であれ、何でも正直なところいいと思うんです。
ただ今、認知度が急激に上がっていて、かつ各町・各市、首長まであげて訴えているこの波に横須賀市が乗らない手は絶対に無いと思っているんです。
ですので、平成27年度は、特にとにかくこの『普及啓発』『普及宣伝』に力を入れてほしい。
『子どもたちの工作教室』のような形で、どんどん宣伝もしていって頂きたいと思うのですが、その辺りのお考えをお聞かせ下さい。
資源循環部長の答弁
いろいろな機会を捉えて『キエーロ』も含めて、啓発をしていきたいと思いますけれども、『子どもたちの工作教室』というのはちょっと今の段階では難しいのかなとは思っております。
フジノの質問
やっぱりこういう事業には、旗振り役がいて、本当に大学生に教えてあげたり、いろんなところで教えてくれている名人みたいな人(発案者)がいますので、そういった方の講師としてのご活用などもお考えいただいて
そうして『子ども向け』『大人向け』いろんなかたちで、それこそマンション一棟まるまるで10個くらい作って頂くとかそれくらいやって頂けたら、かなりのごみの量が減らせることになると思うので
それはぜひ進めていただきたいと思います。
質疑は以上です。
『キエーロ』は本当にお勧めです。
そして、家庭が出す生ごみがゼロになれば、ごみの焼却量は大幅に減らせます。
当然、ごみに支出する税金も減らせます。
その分の財源をもとに福祉や教育に税金を回すことができます。
もちろん、新たなごみ焼却施設だって規模を小さくできたはずなのです。
それを吉田市長の消極的な姿勢が市民の足を引っ張っています。
フジノはそれが残念でなりません。
●
市民のみなさま、3月21日には第50回となる『アイクルフェア』が開催されますので、ぜひ遊びにいらして下さいね!
そこでは『キエーロ』実物の展示もありますし、『キエーロ』の発案者もいらっしゃいます。
吉田市長も来場して、果たしてフジノの質疑を受けた上で、果たしてどのような『ごみの減量化』のお話を市民のみなさまに向けて挨拶をするのか、注目したいと思います。
これまで歴代の資源循環部は、ごみを減らす為に一生懸命がんばってきました。
しかし、新ごみ焼却施設ではこれまでの市民のみなさまの分別へ費やして頂いた努力が水の泡になってしまうような側面もあります。
フジノはそれでもあえてごみの分別化・資源化を一生懸命進める道をこのまちは選ぶべきだと固く信じています。
世界を見渡しても、日本だけがごみを燃やし続けています。
異常なくらいに燃やしています。
日本はもっとごみを減らせます。燃やすこともやめることができます。
そのためには、ひとりひとりからスタートしなければなりません。
フジノであり、あなたであり、吉田市長がやらねば何も変わりません。
どうか一緒にごみをゼロにしていく為に、1つずつ一緒に動いていきましょう!
よろしくお願いします!