完全に出遅れた神奈川県の、「地域医療支援センター」立ち上げの議論の経過をチェックしにいきました
今日は、霞ヶ関から大急ぎで横浜・伊勢佐木長者町にある『神奈川県総合医療会館』に向かいました。
第4回となる『神奈川県医療対策協議会・地域料支援センター検討ワーキンググループ』が開かれたからです。
過去3回にわたってこの会議は開かれてきました。
第1回:2014年11月10日、第2回:2015年2月16日、第3回:2015年3月30日、です、
しかし、神奈川県ではすでに2012年12月の時点で黒岩知事が「検討したい」と発言していました。
にもかかわらず、会議の立ち上げが2年も遅れて2014年11月だったこともフジノにはまず疑問でした。
そして過去3回の議事録などを読むにつけても
「何故こんなにのろのろと議論を進めているんだ」
とフジノは焦りと怒りを感じながら見守ってきました。
2025年を迎える前にあらゆる取り組みが必要ですが、医療人材を育成することはとても大切なのに、医療政策の権限を持つ県の動きの鈍さにフジノは率直に『いらだち』を感じてきました。
そこで、今日は実際に会議の場に足を運んで、自ら傍聴することにしたのです。
実は、医師不足や医師の地域的偏りを解消する為の取り組みを議論する会議なのですが、この『センター設置』の取り組みが全国の中で神奈川県は完全に出遅れています。
国は全ての都道府県に「地域医療支援センター」設置を求めています
そもそもこの『地域医療支援センター』とは何かを簡単にご説明しますね。
2014年6月に成立した『医療介護総合確保推進法』において、全ての都道府県に『地域医療支援センター』の設置を求めています。
センターの部分だけ、大きく取り上げてみますね。
日本の医学部・医大を卒業した学生たちが医者になった後、「どの地域に行きなさい!」という命令を出すことはできません(*)。
ですから、高い技術力や素晴らしいドクターがいる医大や病院には優秀な医師がどんどん集まります。そこで自らの腕を高めたいとい思うのは当然のことです。
無料で医学校に入学できるかわりにへき地や農村での1年間働くことが義務とされました。
革命から50年が経った今も、WHOもキューバの医療の成果には強く注目しています。
一方の日本では、わが『横須賀・三浦2次保健医療圏』のように医師が足りないせいで『周産期医療』が厳しい地域もたくさんあります。
そこで政府は医師不足の地域をうまないように(偏りを無くす為に)法的な取り組みをスタートさせたのです。
厚生労働省がイメージしている『地域医療支援センター』とは、下のようなものです。
医療法上に、医師不足の医療機関の医師確保の支援等を行なう為に『地域医療支援センター』を明確に位置づけたのです。
法律に位置づけたのは2014年ですが、その前から各県が独自にスタートさせていました。
すでに2011年度以降、42道府県で合計2,170名の医師を各道府県内の医療機関へあっせん・派遣をするなどの実績を上げていました(2011年7月1日現在)。
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先程も記しましたが、神奈川県ではすでに2012年暮れに黒岩知事が「設置に向けて検討したい」と発言していました。
それが伸びて、次は「今年2015年4月スタート」を目指していました。
2014年12月1日・神奈川県議会での黒岩知事の答弁より
医療介護総合確保推進法に基づく新たな財政支援を活用し、医療従事者を確保するための事業等を実施する経費を、今定例会に補正予算として提案したところです。
また、地域で不足している医師の確保については、医師の地域偏在解消に取り組むコントロールタワーとしての地域医療支援センターを来年度(2015年度)設置できるよう、このたび検討を開始しました。
それなのに、まだ議論をしているのです。
今回がワーキンググループでの議論は最終回のようです。
ただ。。。ワーキンググループの上に位置する『医療対策協議会』でさらに議論をするようです。
はっきり言って、何故こんなにのろのろと議論をしているのかフジノには全く理解できません。
医療に強いはずの黒岩知事なのに、とても残念です。
早くセンターをスタートさせるべきです。
2025年問題、それ以前に三浦半島の周産期医療を守る為に、神奈川県はもっと力を尽くしてほしい
『地域医療支援センター』はすでに他都県では設置されています。
神奈川県がこのようにとても遅れてスタートしたことは、県民のみなさまにとっては医師偏在解消に向けて大きなデメリットです。
ただし、他の成功例・失敗点を参考にすることができるメリットもあります。
絶対に失敗させないように、先行事例を学びながら慎重かつ大胆な取り組みをしてほしいです。しかも早く!
こういう強い怒りがたまりにたまっていたフジノは、神奈川県議会に社会保障政策に詳しい井坂しんやさんを県議として送り込まねばならない、という決意をしたのです。
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もう『超少子・超高齢・多死社会』は進行していますし、1度目の最大の波が来る2025年は目の前です。
また、周産期医療が不十分で、こどもを産みたいおかあさんたちを守れないようなまちからはどんどん人が流出していきます。
フジノは横須賀の市議会議員として、神奈川県にもっと迅速な取り組みを強く求めます。
神奈川県知事を筆頭に、県庁の医療課のみなさま、医療政策の権限を持っているのは県です。
ならば、その責任を果たして下さい!
県議会ももっと厳しく県を追及して下さい!