日本の自殺対策研究の最前線「ACTION-J」の成果を学んできました/第12回日本うつ病学会総会(その1)

第12回日本うつ病学会総会に参加しました

今日は、東京・新宿の京王プラザホテルへ向かいました。

『第12回日本うつ病学会』に参加する為です。

第12回日本うつ病学会総会ポスターより

第12回日本うつ病学会総会ポスターより


学会は全国各地で開催されて、数年おきに東京に戻ってきます。

第1回から『日本うつ病学会総会』に参加してきたフジノですが、パニック障害もちの為に関東以外で開催された総会には欠席せざるをえません(飛行機にも新幹線にも乗れないので関東を出られません)。

第12回日本うつ病学会総会会場にて

第12回日本うつ病学会総会会場にて


学会は、その分野の最前線の研究を学ぶことができる最高のチャンスです。

仮に欠席しても『抄録(内容が記された本のことです)』はもらえるのですが、発表者と語り合うようなことはできません。

ですから、都内での開催のおかげで自分自身が参加できることを、とてもありがたく感じました。



「自殺対策」の発表をメインに聴きました

3日間の開催なのですが、忙しくてフジノは1日だけしか参加できませんでした。

そこで、最も関心の強い自殺対策に関わるプログラムが開催される今日を選びました。

自殺対策に関するプログラムの会場にて

自殺対策に関するプログラムの会場にて


まず、教育講演『地域における自殺対策』です。

プログラムより

プログラムより


座長はリリー賞選考委員会でご一緒させていただいている中村純先生(産業医科大学名誉教授、北九州古賀病院)、演者は大塚耕太郎先生(岩手医科大学医学部災害・地域精神医学)です。

大塚先生は、被災地支援にも深く関わっておられる方です。

大塚耕太郎さん「地域における自殺対策」

大塚耕太郎さん「地域における自殺対策」


基本的にはオーソドックスな内容のお話でした。

  • ハイリスク者のケアは、医療だけでなく、生活支援・福祉的支援などの複合的な支援が必要である。

  • 専門的なケアから住民相互の見守りまで様々な支援が重層的に地域に存在することが必要である。

  • 地域の自殺対策の人材・場の確保が大切である。

  • それぞれの従事者はスキルを向上させていくことが必要である。

  • 実務者のネットワークとともに、関係機関・国県市それぞれの各部局の連携体制も不可欠である。

ただ、下の2つについては、とても強く賛同しました。

  • 包括的な自殺対策の為には、『地域診断』や詳細な実態把握を行なって地域の実情に即した対策につなげること

  • 中長期的な戦略を立てることも需要であること

フジノは『横須賀市の自殺対策』を念頭に置きながら講演を聴いていたのですが、長年フジノが市議会で提案を繰り返しながらも実現していないのが上の2つでもあります。

『地域診断』は本当に大切なのに、横須賀市の場合には自殺対策だけでなく、『介護保険事業計画』や『障害福祉計画』を策定する時にも十分にはできていないとフジノは感じています(唯一、新たな計画である『こども未来プラン』は比較的よくできていると評価しています)。

また、『自殺対策の計画づくり』の重要性は、つい先日の6月議会でも新たに提案をしたばかりです(その前の予算議会でも提案しました)。

国による自殺対策基本法の改定作業がまもなく行われますが、全国の市区町村にも計画づくりを義務化する方向にあると聴いています。必ず実施すべきだとフジノは考えています。

こうした点から、大塚先生の後半のお話には特に強く共感しながら聴いていました。




(その2へ続きます)



第12回日本うつ病学会総会会場にて

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