「自殺の前年比17名増加は統計的に有意差は無く『誤差の範囲』だから問題ない」とフジノに伝えた方へ。その言葉をフジノは絶対に許しません。

全国でも神奈川県でも自殺は減っているのに「横須賀市だけ17名も犠牲者が急増した事実」は重いものです

毎月、警察庁が発表する『自殺による犠牲者数の速報』をフジノは調べています。

昨年、横須賀の自殺による犠牲者数は圧倒的に急増しました。なんと前年比17名も増えてしまいました。

全国では減少が続いており、神奈川県でも大きく減少しています。

そんな中で横須賀だけは急増という結果になりました。

警察庁自殺統計

2014 2015
全国 2万7283人 2万5427人
神奈川県 1608人 1468人
横須賀市 72人 89人

この事実を知ったその瞬間からずっとフジノは自らの非力さに怒り狂い、ゼロから自殺対策を学びなおしています。

今年も自殺犠牲者数の多さは毎月変わらず、この事実は選挙の時にも心からのお詫びとともにずっとお伝えしてきました。

横須賀のいのちを守る力は落ちていると感じています。

フジノは自殺対策の為に政治家になり、このまちの自殺対策をゼロから12年間作ってきました。

しかし、このような現実に至った責任も全てフジノにあると自覚しています。

『急増』させてしまった自らの非力さに怒りかつ自分を許せずに苦しみ続けていました。

それを励ましたかったのか分かりませんが、ある方からある言葉をかけられました。

それは優しさから出た言葉なのかもしれません。

けれども、例えどのような気持ちから発せられた言葉であっても、絶対に許せないことがあります。

自殺対策はフジノの人生そのものです。自殺の犠牲者が増えてしまったということは、フジノの力が足りなかったということです。

救えたはずの命を守れなかったということなのです。これは政治の責任であり、政治の敗北なのです。

その言葉をあえてブログに記し、その方には再考を促したいし、このまちの自殺対策に関わる全ての人に一緒に考えてほしいと感じています。

だから、これからたくさんの関係者に憎まれるだろうことを自覚した上で、あえて僕はこのことをブログに書きます。



絶対に許せない言葉に対する激しい怒り

フジノは今日『自殺対策連絡会』の傍聴をしました。横須賀市の自殺対策を推進するエンジンとしての組織です。

「自殺対策連絡会」議事次第

「自殺対策連絡会」議事次第


その終了後、保健所長・健康づくり課長から別々にフジノに対してこう言われました。

「藤野議員は昨年の自殺が17名も増えたことをとても気にしておられますが、ある先生(精神科医か研究者)から藤野議員に伝言を受けています。

『17名の自殺の増加は、統計的に有意ではありません。誤差の範囲です。ですからそんなに怒ったり落ち込まないで下さい、とお伝え下さい』

と言われました」

この言葉を聴いて、フジノは怒りに震えました。

まず、保健所長には

「公衆衛生学の専門家は『統計的有意差』に逃げ込みますが、その論理は許せません。実際に人が亡くなった重みを理解していない発言は絶対に受けいられません。怒りを感じます」

とお答えしました。

課長には

「僕は大学では心理学を専攻しましたし大学院では福祉政策を専攻していますから、統計処理の勉強は基礎知識なので十分に理解しています。しかし、こと自殺の犠牲になった方々を『17名増えても問題ない』と発言するようなことは絶対に許せません」

とお答えしました。

研究の世界では、統計学に基いてある出来事や実験結果が起こった時にそれを解析します。

計算式にあてはめて計算をし、その出来事や実験結果は『統計的に意味がある/無い』というチェックをします。

そのドクター(もしくは研究者)は本当に統計的な解析をしたのかは分かりませんが、もしそうだとしても、精神科医・研究者を辞めるべきです。

人として本当に恥ずかしいとフジノはその方を心の底から軽蔑します。

フジノに伝言したのと同じ言葉を、このまちの、いや日本中の自死遺族の方の目の前で言えますか。

フジノ自身も遺族のひとりです。本気で許せませんでした。

仮に統計学的には『特別な急増』とは判断しないのかもしれません。

しかし、それは自殺の犠牲に追い込まれた全ての方々への冒涜そのものです。本当に不愉快の極みです。

人のいのちはかけがえのないもので、統計的有意差なんて、くそくらえです。

統計的有意差を自殺対策において使って良いとすれば、それは『減少した時においてのみ』であるべきす。

それに、倫理的にそのような言葉が許されないことにさえ分からないのですか。

病院か大学の閉じられた世界では、人の生き死にを数字でしか感じられないのですか。

フジノはその言葉を吐いた人間を、絶対に許しません。軽い気持ちで言ったのかもしれませんが、絶対に許しません。

そして、保健所長も健康づくり課長もそんなバカげた伝言をフジノに伝えないで下さい。

この12年間、保健所のみなさんとはずっと一緒にこのまちの自殺をゼロにする為に一緒にがんばってきたじゃないですか。

何故、統計的有意差の話なんか口にするんですか。

1人の自殺でも、多いのです!

1人の自殺でさえも起こってはならないのです!

そのことを絶対に忘れないで下さい。

自殺対策基本法を読み直して下さい。

フジノは、昨年特に自殺が急増した理由の大きな要因の1つは『おととしからの市長らによる恣意的な人事とそれによって保健所がかなり手薄になったことだ』と確信しています。

だからずっとそのことへの怒りがこの2年間止まらないままに今に至っています。

それにもかかわらず、もっと真剣に取り組まねばならないはずの横須賀市が、ドクターか研究者が吐いたバカげた戯言で「安心」なんかしないで下さい。

健康部や保健所の方がどんな機会であろうとも、もしも再び「17名の自殺者増は統計的有意差はありませんから誤差の範囲です」なんて口にしたら、政治家としてだけではなく、自死遺族のひとりとしてフジノは絶対に許しません。

あえてブログに書きます。

絶対にそんな言葉を2度と口にしないでください。



「自殺対策連絡会」議事次第

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