2015年度の第1回横須賀市自殺対策連絡会が開かれました
今日は、年2回の自殺対策のネットワーク会議が開かれました。『自殺対策連絡会』といいます。
フジノはこのネットワークの生みの親です。
今から12年前、2003年の初当選直後に「設置すべきだ」と提案をしました。
そして2006年、当時の蒲谷市長が神奈川県内で初めて横須賀市が設置を実現しました。自殺対策が全国で皆無だった当時、この設置は「画期的だ」との新聞報道も多数あり、賞賛されました。
ただ、その実態は残念ながら『生みの親』の願いどおりにはいかずにいます。
もっともっと実際の効果を生むような組織に育ってほしかった。
その為にフジノ自身は何度も何度も市議会で提案を繰り返してきました。
そうした提案はときどきわずかに取り入れられるものの、抜本的な改革には至っていません。
メンバーの入れ替えは実現しませんでした
フジノは昨年度の圧倒的な自殺の急増を受けて、
「『自殺対策連絡会』はいったん解散してメンバーを選びなおし、自殺対策を立て直す為にゼロから出直すべきだ」
と考えてきました。
フジノがこれまで市議会で何度も提案してきた『メンバーの大幅な入れ替え』は実現しませんでした。
2015年度横須賀市自殺対策連絡会構成員名簿
- 社団法人横須賀市医師会 (湘南病院院長:精神科医)
- 社団法人横須賀市医師会 (汐入メンタルクリニック院長:精神科医)
- 横須賀市民生委員児童委員協議会・副会長
- 神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部リハビリテ−ション学科准教授
- 横須賀公共職業安定所・次長
- 横須賀労働基準監督署・安全衛生課長
- 横須賀商工会議所 産業・地域活性課長
- NPO三浦半島地域・精神障害者の生活を支える会・理事
- 財団法人横須賀市産業振興財団・常務理事兼事務局長
- 横須賀警察署・生活安全課長
- 田浦警察署・生活安全課長
- 浦賀警察署・生活安全課長
- 横浜弁護士会・横須賀支部
- 神奈川県司法書士会・横須賀支部
- 横須賀市薬剤師会
- 市民部市民生活課長
- 市民部人権・男女共同参画課長
- 市民部消費生活センタ一所長
- 福祉部高齢福祉課長
- こども育成部こども青少年支援課長
- こども育成部こども健康課長
- 消防局消防・救急課長
- 教育委員会事務局学校教育部支援教育課長
- 教育委員会事務局学校教育部教育研究所・所長
人事異動による人の交替はありましたが、それだけです。大変に残念です。
現在の『自殺対策連絡会』は、『支援を提供する側』のメンバーしかいません。自死遺族もいませんし、公募市民もいませんし、精神疾患や過重労働に苦しんだ体験を持つサバイバーもいません。
『支援を提供する側』だけの議論で『当事者』の気持ちを理解することができるのでしょうか。
必要な支援が何なのか本当に分かるのでしょうか。
上から目線の議論に陥っていないでしょうか。
また、神奈川県の同じ組織『かながわ自殺対策会議』のように、メディア代表にメンバーとして参加していただくべきです。
自殺に対する報道がもっとまともな内容に改善される上で、このネットワークに入っていただくべきなのです。
「『充て職』だから」
というだけの理由で、年2回ここに参加しているだけの人がいませんか。
ここでの議論を毎回自分の職場に持ち帰って本当に対策を共有してくれていますか。
お互いの職場がどこにあってどのような方々を対象に相談援助をしているかも知らないままではありませんか。
過去の全てにフジノは立ち会っていますが、激しい議論を交わすことも1度もありませんでした。
この連絡会のメンバーがお互いの職場をお互いに訪問して現場でその仕事の説明を受けるなど、よく言われる『顔と顔の見える関係』を超えた、本当に苦しんでいる方が自分のもとに訪れた時に「あの機関のあの人ならば相談にのってくれるはず」とすぐに浮かぶようになるべきなのです。
今日のメインは閉会後の「研修会」で、本体の「連絡会」は30分で終わりました
今日の議事は、極めてシンプルでした。
今日のプログラム
- 部長あいさつ、事務局あいさつ、メンバー自己紹介。
- 横須賀市の自殺の概要
- 横須賀市の自殺対策の概要
- 教育委員会からいじめ防止対策の説明
何故ならば、今日の『連絡会』のメインは閉会後に開かれる『研修会』だからです。
『NPO法人自殺対策支援センターライフリンク』代表・清水康之さんに講演をしていただくのです。
その為、『連絡会』そのものは30分ほどでさらりと閉会しました。
事務局(保健所健康づくり課心の健康係)による、この思い切った判断をフジノは高く評価したいです。
外部の方(今回の場合はライフリンク代表の清水さん)から『喝』を入れてもらうことで、根本的になぜ自殺対策が必要なのかをみなさんに共有していただくことはとても大切だからです。
特に、清水康之さんほど適任な方はいらっしゃいません。
日本の自殺対策の初期からフジノは一緒に活動をさせていただいてきました・
彼ほどずっと変わらない人はいません。
絶対に、ぶれない。
そもそも何故自殺対策が必要なのか、という根っこにある想いも決して変わらない。
事務局が今回の研修会の人選で、講師に清水康之さんに決定したことはとても高く評価したいです。
資料の作り方はものすごく改善されて良くなりました
そしてもう1つ、とても良いと感じたことがありました。
それは配布資料の作成方法が完全に変わったことです。
過去の資料は良くはできていたのですが、その量は膨大で、連絡会メンバーが全て読んでいるとはとても思えませんでした。
今回の資料は読み物としても大変に優れていますので、ぜひ市民のみなさまにもお読みいただきたいです(こちらに掲載いたしますね)。