(前の記事から続いています)
神奈川県での地域医療構想づくりスタート
さて、前置きをとても長く書いたのですが、肝心なのはここからです。
今日は、『神奈川県保健医療計画推進会議』が開催されました。
神奈川県は『地域医療構想』づくりの為に新たな組織を作ることはあえてせずに、既存のこの会議の場で策定作業を進めていくこととしています。
いつもながら思うのですが、ここでの議論は神奈川県全体に関わることなのに傍聴者がほぼ毎回フジノのみ(あとは医師会の方と神奈川新聞の方がしばしばおられます)なのは本当に残念です。
医療・介護・福祉にまつわる議論の場に、現場で働く人々や、医療・介護・福祉を受ける側の神奈川県民のみなさまがもっともっと来てほしいとフジノは強く願っています。
どのように作っていくのか
これから1年強をかけて、『地域医療構想』を下の3つの組織で、作っていくことになります。
フジノの数年間の体験から、実質的に最も決定権があるのは2の『保健医療計画推進会議』です。
- 医療審議会=名目上の最終決定機関
- 保健医療計画推進会議=実質的な決定機関
- 各地区保健医療福祉推進会議=地域ごとの意見を述べる場
けれどもフジノとしては「それはおかしい」と考えています。
繰り返し訴えてきましたが、医療政策の権限を持っているのは都道府県です。しかし、あなたがふだんかかっている診療所や病院のことを最も理解しているのは、『市区町村』です。
しかも地域包括ケアを実現するには介護・福祉との連携・統合が必要ですが、介護政策と福祉政策の権限を持っているのは市区町村です。
つまり、あくまでも現場に最も近い、地域の医療・介護・福祉を熟知している3の『各地区保健医療福祉推進会議』こそが強い発言権を持つべきなのです。
例えば、フジノたちが暮らす横須賀市をはじめ三浦半島の場合は『三浦半島地区保健医療福祉推進会議』が立ち上げられます。
『地区ごとの保健福祉推進会議』の場で、どんどん生の声を伝えて現場の意見を訴えていかなければなりません。
そして、この場には医療・福祉・介護の提供者側だけでなく、実際にサービスを受ける側も参加できるようにすべきです。
傍聴だけでなく、実質的な意思決定のプロセスに参加できるようにすべきです。
また、あくまでも『県』には『現場の声に対する調整役』として活躍してほしいです。
人々のニーズや想いを理解することないままに、県がデータだけをもとに医療機能や病床の増減を決めるようなことは許されません。
これからのスケジュール
これからのスケジュールは下の表のとおりです。
来年10月には完成させねばならないので、かなりタイトです。
しかも、市民のみなさまの声を県に伝えるタウンミーティングなどは一切なく、唯一の機会は2016年7月頃のパブリックコメントしかありません。
- 『骨子案』の作成と『素案の』作成=2016年1~2月
- 『構想案』の作成=3~6月(その後にパブリックコメント)
- 10月には決定
繰り返しになりますが
「これはおかしい。もっと市民(=医療が必要な方をはじめとする全ての人々)の声を伝える機会を持つべきだ」
とフジノは考えています。
(この指摘は、会議の終了後に県担当者の方にもお伝えいたしました)
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今日の会議では、委員メンバーがデータの共有をして終わりました。
先に記した『医療機能報告制度』の初めての報告結果にもとづいたデータ集計をメンバーで共有したのです。
神奈川県にはベットが不足しています。
ベットだけでなく、医療人材・介護人材も不足しています。
これからいかにしてベットを増やすとともに、人材を育成していくか、離職されない労働環境へ改善していくか、こうした点をしっかり議論して『地域医療構想』に盛り込むべきです。
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フジノはこれからもどんどん情報発信を続けていきます。
だから、どうかあなたも知って下さい。
「今、全国ではすさまじい数のベットを減らそうという国の動きがある」
「神奈川県は逆にベット数が不足している。いかにしてベットを増やし、医療・介護人材を増やせるか」
という大切な議論がスタートしました。
あなたもどうかこの議論に参加していって下さいね。2025年、2050年、みんなが生き延びられる為に。