諏訪幼稚園を廃園から守りたいとの陳情が署名とともに出されました
今日は、教育福祉常任委員会が開かれました。
たくさんの案件がありましたが、中でもかねてからフジノが強い関心をもって見守っている『市立諏訪幼稚園の廃園問題』を報告します。
今年6月25日の教育福祉常任委員会でこの問題については集中審議を行ないました。
その後もあまりにも教育委員会の進め方がいいかげんなので、諏訪幼稚園の現役の保護者の方々だけでなく、歴代のPTA・教員・卒園生のみなさんが立ち上がりました。
たくさんの署名とともに、市議会に対して2つの陳情が出されました。
こちらです。
上が陳情第12号です。
上が陳情第13号です。
これに対して、教育委員会事務局が出してきた一般報告資料がこちらです。
フジノは怒りの質問をしました
この2件の陳情と一般報告に対して、フジノはかなり強い怒りをもって質問を行ないました。
教育福祉常任委員会での陳情に関する質疑
フジノの質問
陳情第12号、第13号について伺います。
教育委員会にまずどうしてもお聞きしたいことがあるのですが、過去に桜台中学校が坂本中学校と統合する時に、僕は反対運動に加わりました。
「どうしても桜台中学校を残してほしい」
という想いがあって。
その時の理由というのが、『第1教室』という、障がいのあるお子さんや発達や支援の必要なお子さんがそこに所属していれば、教員のすばらしい指導やサポートを受けられて、みんな笑顔になるような素晴らしい教室を持っていて、そして学校そのものも少人数で、大変にすぐれた人材を輩出していた。
これと諏訪幼稚園が全くかぶって仕方がないのです。
障がいのある子を積極的に受け入れてくれる幼稚園、そして少人数の幼稚園、目が行き届いている。
僕は、この廃園のやり方を見るにつけても、桜台中学校の統合がフラッシュバックして仕方がないのです。
何でもっと早く、もっと丁寧に、もっときちんとゼロからPTAの皆さんと話し合ってこなかったのか。
桜台中学校から何を学んだのだろう。
あの時、教育委員会の方たちもものすごく体を壊す方もいたり傷ついたりして、ようやく統合することができた。
「2度とこんなふうなことはしない」と当時の課長は、「手続的な瑕疵は犯さない」と言ってくれたのに、どうしてこんな同じようなことをしてしまっているのか。
何を桜台中学校から学んだのだろうと率直に言わざるを得ないのです。
議会で反対しているのは少数だと書かれてしまったのですが、保護者の皆さんの御意見を見るにつけても、陳情に賛成したくなってくる気持ちがどんどん強まってくるのです。
御答弁は、まず今の僕の意見について、率直に聞かせていただけませんか。
学校教育部長の答弁
まず、今回の幼稚園の廃園の話につきましては、平成9年、10年にいったんこの話が持ち上がったというのが前提としてございます。
そこからの話ですので、私どもとしましては、この時点から地域の方とのお話し合いを進めさせていただいている認識が1つございます。
それともう1つは、今回、子ども・子育てに関して新しい制度が始まったという背景がございますので、全く桜台中学校の統合と同じレベルとは私どもとしては認識をしておりませんので、それをまず御理解いただきたいと思います。
フジノの質問
桜台中学校の反対運動が大変盛り上がり、そして学校の教員も、御自身の立場がそれこそ教育委員会ににらまれてしまうかもしれない中でも一生懸命、自分たちの教育に自信を持って、誇りを持って働いていたので、頑張っていろんなことをやってくださった。
今回も、諏訪幼稚園の教員も同じような想いで動いて下さっているのを見るにつけても、その想いに報いなければならないと思うのです。
例えば桜台中学校に関していえば、桜台の最後の校長が統合した後の新坂本中学校の校長となって、不安感を少しでも減少させられるように、桜台中学校の最後の生徒が坂本中で卒業できるまで絶対に見送るのだというような気持ちでいろんなアフターケアをして下さった。
確かに進め方に問題あったかもしれないが、その後のリカバリーというのは、ものすごく教育委員会は頑張ったのです。
今回についても、国の制度の話もあったとはいえ、やはりスタート失敗だったと率直に思います。
ならば、やはりあの時のように、リカバリーをしなければいけないと思うのです。
例えば、諏訪幼稚園の教員は、御答弁にもありましたが、中央こども園は決して諏訪幼稚園の後継園ではないにせよ、必ずカリキュラム策定過程に入るという約束をいただけるとか、本質的なことではありませんが、諏訪幼稚園をしのばせるようなものが中央こども園でも見られるとか、何らかの安心感をつなげられる対応が必要だと思うのです。
今のところ、頂いている資料を拝見する限りでは、こども育成部と教育委員会とお互いに協議を前よりは密にやるようになったのだなということはわかるのですが、それ以上のことがまだ見えてこないので、安心感はこれでは得られないと思うのです。
何か具体的な安心感を担保できるような措置というのはないのでしょうか。
学校教育部長の答弁
私どもとしましても、御理解いただけているとは思っていますが、今の幼稚園がだめだから廃止にするという気持ちは一切ございません。
これまで長年の歴史の中で培ってきたノウハウというのについては、これまでの成果として我々も捉えておりますので、今後、こども育成部と連携をしながら。
今、藤野委員のほうからは「これでは不十分だ」という御指摘も承りましたので、今後、具体的に廃園の事務を進めていかなければならない訳ですが、今、藤野委員からいただいた御意見を重く受けとめさせていただきながら、できるだけ、これまで培ってきたものが新しい認定こども園の中でつながっていくような取り組みを目指して取り組んでいきたいと思います。
フジノの質問
もう1点伺いたいと思います。
僕にとってもそうなのですが、諏訪幼稚園の最もすばらしいところというのは、発達がさまざまな状態のお子さんでもしっかりと受けとめてきてくれたことだと思うのです。
それは桜台中学校の『第1教室』もまさにそうで、市内あらゆるところから皆さん選んできていた。それは諏訪幼稚園も同じだと思います。
今回、所見の中で、過去にも説明をいただいてきましたが、
「支援を要する幼児の積極的な受け入れは、子ども・子育て支援新制度の施行により、認定こども園の入園希望者の受け入れについては、基本的には義務化されます」
と。
その役割をお願いしていくこととなりますとあって、仮に諏訪幼稚園が無くなったとしても、他の幼稚園が受け入れてくれるから大丈夫だよというのを、制度を根拠に御説明されている。
でも、制度は仮にそうであっても、現実には、私立幼稚園に断られて諏訪を選んだお母さんたちもいらっしゃる。
では今後は、私立幼稚園を指導・監督してくれるのか。
認定こども入園の希望者が必ず受け入れられるように厳しく監査などをしていくのか。
もし拒否の事例などがあったら、その幼稚園は処罰を受けるのか。
その子どもが必ず入れるようになるのか。
そういう保障って誰がしてくれるのでしょうか。
横須賀市がそれを担保してくれる言葉をいただかない限り、陳情を即不了承にするというのは難しいかなと思うのです。
きっとこれはこども育成部の答弁になると思うのですが、お願いします。
保育運営課長の答弁
先ほど、ねぎし委員の御質問にもお答えしましたように、(仮称)中央こども園、平成31年度、開設を予定していますが、そこでの障がい児の受け入れについては、経験豊富な保育士が多数おりますので、そこでしっかりと受けとめていきたいと考えています。
フジノの質問
こども育成部から今御答弁いただいたのですが、私立幼稚園協会とのかかわりで教育委員会にも伺いたいのです。
そもそもは、諏訪幼稚園が果たしている役割というのは、地域の幼稚園が、障がいがあろうが、発達に違いがあろうが、受け入れてきちんと幼稚園で見てくれていれば、諏訪幼稚園に各地から集まってくるなんていうことはなく、本来どおり、地域で生まれた子どもは地域で育っていくのが望ましい姿だった訳です。
そのまま幼稚園として存続していくところが、子どもたちの受け入れを拒んだ場合に、教育委員会としては、私立だから物を申すことというのはできないものなのでしょうか。
今、こども育成部からは、必ずやっていくという言葉をいただきましたが、同じように、教育委員会としてはいかがでしょうか。
学校教育部長の答弁
私立の幼稚園に対して指導・監督というのは、現実的にはなかなか難しい場面が想定されます。
しかしながら、私どものまずもっての役割としましては、先ほど来、藤野委員からも御意見賜っていますように、今まで私立の幼稚園が果たしてきたもの、培ってきたもの、研究成果なども含めて、今もすでに連携をとらせていただいていますが、廃園までの期間の中でこれを確実にお伝えし、お願いをしていくことがまずは最大の責務ではないかと思っています。
前回の第2回定例会の中でも御答弁させていただきましたが、私どもとしましても、特段配慮の必要なお子さんへの教育については気にかけてはいるところでありますので、これまで市立幼稚園で担ってきた役割、それから行なってきたノウハウを私立幼稚園のほうにしっかりとお伝えして、これが必ず引き継がれるようにしてまいりたいなと考えております。
フジノの質問
大変頼もしいお言葉をいただいたのですが、私立幼稚園に対しても補助などを出していると思うのです。
その中で、幼児たちが仮に発達にスピードの違いがあったり支援が必要であった場合、
「現状の幼稚園では、人員などの問題もあって、受け入れが難しい」
なんていう話があったならば、その補助を積極的に出して、人員をサポートするとか、そういう具体的な実際的な取り組みも、私立幼稚園に対しても目配りをぜひしていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
学校教育部長の答弁
今後ということになると思いますので、今、藤野委員からいただいた御意見なども参考にさせていただきながら、市立幼稚園廃園後の私立幼稚園の望ましいあり方についても検討させていただきたいと思います。
フジノの質問
ごめんなさい、こんなところで突っ込むべきではないのですが、諏訪幼稚園の廃園は今後ですが、現状、子どもが地域の幼稚園に通えてない状況があるというのもこのアンケートからはかなり受けとめられるので、今ある私立幼稚園協会についてもぜひ見ていってほしい。
そういうニーズがあるならば、サポートして、幼稚園が子どもたちをしっかり受けとめられるようにしてほしいのです。
それは今後の問題ではなくて現在進行形の問題だと思いますので、言葉じりを捉えて恐縮なのですが、その点は今から始めていただけないでしょうか。
学校教育部長の答弁
今回の陳情の中にもそういった事例があるということが盛り込まれて、明記されておりますので、こういった事象については現時点から取り組んでまいりたいと思います。
陳情は「審査終了」となりました
この2件の陳情に対して、各会派と無会派議員の意見は分かれました。
賛成(趣旨了承)と反対(趣旨不了承)と分かれてしまうと、横須賀市議会では陳情について「結論を出さない」という扱いになってしまいます。
それを『審査終了』と読んでいます。
残念ながら2つの陳情は委員間で意見の一致をみず、『審査終了』となってしまいました。
けれどもこのままで終わる訳にはいきません。
これからもずっと市立諏訪幼稚園の存続・廃園の問題は注目し続けていきます。
これではあまりにも諏訪幼稚園の関係者のみなさまの想いが踏みにじられています。
ゴールがどうなるかもそもそも大切ですが、仮にゴールがたとえ同じであっても、そのプロセスもとても大切です。
教育委員会の進め方ではフジノも全く納得できません。
ましてや陳情を出して下さったみなさまはもっと納得できておられないはずです。