完全に『形骸化』してしまった国の自殺対策会議
5回目となる『自殺対策官民連携協働会議』を傍聴してきました。
こんな挑発的で生意気なタイトルをあえて付けた訳ですが...
実際のところ、反論がある方々はぜひフジノにどんどんご意見下さい。
『自殺対策官民連携会議』とは、上の図のような位置づけです。
2006年に自殺対策基本法が成立し、自殺総合対策大綱を策定し、やがて現在に至るまでそのほとんど全ての過程をずっと自分自身の目で観てその場に立ち会ってきたフジノとしては、この『官民連携協働会議』はもう廃止したほうが良いくらいに感じています。
こんな本音を書くのは、本当に変わってほしいからです。
第1回からきちんと「開催」を周知しようとせず、議事録の掲載も半年遅れ
第1回の開催から、国民にその周知を全くしようとしませんでした。
委員メンバーであるNPO法人自殺対策支援センターライフリンク代表の清水康之さんを通して、内閣府に改善を申し入れました。
しかし、2回目・3回目も改善はみられませんでした。いつもギリギリの開催告知、これでは誰も傍聴できません。
仮に傍聴できなくとも議事録が読めればなんとか議論を知ることができますが、議事録の掲載も全く進みません。
前回の第4回も半年が過ぎていながらも、議事録は掲載されていません。
そもそも「人選ミス」
フジノは第3回以外は毎回、傍聴してきました。
しかし、毎回約2時間の会議には、ほとんど中身がありませんでした。
特に、第4回はひどかった。フジノは傍聴すると必ずその内容をブログで報告します。けれども内容がひどすぎて、報告する気持ちにさえなりませんでした。
最大の理由は人選ミスです。
具体的に言うと、何故に選ばれたのか全く理解できないメンバーが、持論を延々とまくしたて続けました。
『日本の自殺対策を前に進めようという意思』が全く伝わってきませんでした。できることならば、途中で議長に発言を止めてほしかったです。
噂では、この方が委員会メンバーに選ばれた理由は、ある国会議員がその方をメンバーにしろと内閣府にゴリ押ししたとのことでした。
議論そのものも消極的…
今回(第5回)も、内閣府は2時間のうち1時間まるまるを資料の説明にあてる始末。
- 『自殺対策白書』の説明
- 平成28年度予算案での自殺対策予算の概算要求の内容
閣議決定されてから数ヶ月が経っている『自殺対策白書』なんて、フジノたち自殺対策関係者はみんな読んでいますよ…。
何故こんなことの『ご説明』に1時間もかけるのか、全く理解できませんでした。
その後の質疑応答や議論も消極的でした。
唯一、以前と変わらずしっかり発言をしておられたのはライフリンク清水代表や京丹後市長の中山さんたちだけでした。
もう1度、日本の自殺対策を立て直すべきだ
自殺対策は、内閣府から厚生労働省に所管が移されます。
ますます消極的になっていくのではないかと不安に感じている自殺対策関係者も多々います。
全国の自殺が2万人台に下がったとはいえ、危機的な事態は続いています。
けれども、ピンチこそチャンスです。
もう1度、日本の自殺対策を立て直すべきです。
『自殺対策基本法』が成立してからまもなく10年間が経ちます。
6月2日になされた参議院厚生労働委員会での全会一致の決議に基づいて、自殺対策基本法をより良いものに改正しましょう。
全国の自殺対策に関わる全てのみなさま、もう1度、基本法を成立させた原点に帰って、立ち上がって下さい!