ぎっくり腰発症後、初めて大学院の聴講へ
今夜は、ぎっくり腰を患って以来、初めての大学院での聴講でした。
案の定、帰宅ラッシュでぎゅうぎゅう詰めの東京メトロ銀座線(朝には火災騒ぎがありました)に苦しめられました。
「パニック発作が出るんじゃないか」という予期不安に加えて、「横須賀から遠く離れたこんな場所でぎっくり腰が起こって動けなくなったらどうしよう」という恐怖にさいなまれて、とても苦しかったです。
2回ほど途中下車して、なんとかたどりつくことができました。
これを見越して1時間半以上早く出発していたので、講義開始にはなんとか間に合うことができました。
後期は「地域包括ケアの事業マネジメントを考える」を受講しています
さて、2015年度後期に受講したのは、中村秀一先生と堀田聰子教授による
です。
地域包括ケアの事業マネジメントを考える
国際医療福祉総合研究所 所長 中村 秀一
医療福祉学分野 教授 堀田 聰子
地域包括ケアシステムを構築していくために求められることは何か。
地域包括ケアシステムの5つの構成要素(住まい、生活支援・福祉、保健・予防、介護・リハビリテーション、医療・看護)を踏まえ、安心して暮らし続けられる地域を支える事業展開とそのマネジメントのあり方について、事業経営責任者をお招きして考えます。
講師の人選に当たっては、地域性、法人主体、事業種、事業規模の観点からのバランスを配慮したので、多様なアプローチを学ぶことができます。
中村先生は「後期の講義は、堀田聰子教授に人選をメインにしていただいた」とおっしゃっていました。
実際、すさまじいメンバーが講師として勢揃いしました。
この聴講料(15回の講義で3万4000円)でこれだけのすごい方々に出会い講義を受けられるのですから、「破格」と言っていいと感じています。
講義名 | 講師 |
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地域を面で経年的に支える仕組みづくり〜小規模事業所でもできる地域リハビリテーションの実践と可能性 | 一般社団法人りぷらす 代表理事 橋本 大吾 |
生きづらさを支える 地域での生活・居住支援~ふるさとの会の実践報告 | 特定非営利活動法人自立支援センター ふるさとの会 代表理事 佐久間 裕章 |
在宅医療・在宅介護・生活支援の統合ケアマネジメント~社内資源の水平統合とリーダーシップ | 株式会社やさしい手代表取締役社長 香取 幹 |
ソーシャルキャピタルシェアモデル~まちづくりとしての地域包括ケア | ささえるグループ 代表 村上 智彦 |
福祉で描く地方創生 | 社会福祉法人佛子園 理事長 雄谷 良成 |
「富山型デイサービス」の日々 | 特定非営利活動法人このゆびと~まれ 理事長 惣万 佳代子 |
過疎地における安心して暮らし続けられる地域共生型事業の展開 | 社会福祉法人ゆうゆう 理事長 大原 裕介 |
「地域密着型サービスが高齢者だけ見ているならサギ!」~「藤沢型」事業と地域マネジメント | 株式会社あおいけあ 代表取締役社長 加藤 忠相 |
介護拠点の地域展開と地域包括ケア | 地域密着型総合ケアセンターきたおおじ 「リガーレ暮らしの架け橋」代表 山田 尋志 |
地域に根づいた社会福祉法人天竜厚生会の取り組み~地域包括ケアシステムの構築に向けての実践事例 | 社会福祉法人天竜厚生会 理事長 山本 たつ子 |
地域包括ケアに貢献する医療介護事業 ~尊厳の保障と自立支援へ向けて | 医療法人博愛会・医療法人和香会 理事長 江澤 和彦 |
地方都市でCCRCを中心に農業・教育を通じた街づくりに挑む | 公益財団法人星総合病院 理事長 星 北斗 |
「地域とともに生きる」を支援 | 特定非営利活動法人たんがく 理事長 樋口 千惠子 |
目指すべき地域像 助け合いの仕組みをどう定着させるか~新総合事業と生活支援体制整備事業の視点から | 公益財団法人さわやか福祉財団 理事長 清水 肇子 |
こうほうえんにおける地域包括ケアの取組み | 社会福祉法人こうほうえん 理事長 廣江 研 |
すでに9月29日に開講しています。
けれどもフジノは9月議会とぎっくり腰の発症で4コマも続けて欠席してしまいました(もったいない!)。
欠席した学生向けにはWEBで『録画中継』を観ることができますので、もちろん全ての講義は観ています。
でも、やはり『その場で実際に質疑を交わせる』ことはとても大きいです。時間の許す限り、必ず出席するようにしています。
社会福祉法人佛子園理事長・雄谷良成さんは本当にすごい実践家でした
今夜の講師は、『社会福祉法人佛子園』理事長の雄谷良成さんです。
『佛子園』の取り組みが評価されてきたのは今に始まったことではありません。
しかし昨年から今年にかけては、もはや『圧倒的』としか表現できないくらい、全国からすさまじく注目されています。
『まち・ひと・しごと創生本部』の会議の1つである『日本版CCRC構想有識者会議』においても、日本におけるCCRCの代表的な動きの筆頭に挙げられました。
特に、『Share金沢』を視察・見学に訪れる人々の数はすさまじく昨年は年間20万人、今年はこのままのペースでいくと40万人にのぼるとのこと。
政治家では、地方創生担当である平将明副大臣(2015年8月22日)はもちろんのこと、安倍総理(2015年4月11日)までもが視察に訪れました(民主党の岡田克也代表も8月23日に視察に訪れています)。
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今夜の講義の内容も、フジノがあえて記すまでもありません。
インターネットを検索すれば、社会福祉法人佛子園のあらゆる取り組みを紹介するすさまじい数の記事が掲載されています。
例えば、内閣府の制作した政府インターネットTVでも大きく取り上げられていますので、ぜひご覧下さい。
参考に、いくつかリンクを紹介します。
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フジノはパニック障がいがあるので現地を訪れることはできません。
けれどもすでにここまで情報発信があらゆる媒体でなされていて、さらには今夜の講義で生の雄谷理事長のお話もお聴きすることができました。
佛子園の素晴らしい実践をしっかりと吸収して、横須賀の為に活かせるようにしたいです。
後日追記(12月9日)
横須賀市はここ数年間の人口流出が激しく、全国ワースト1〜2位の多さとなっています。
その横須賀市から『Share金沢』に移住された方のことが、毎日新聞2015年12月9日の記事で報じられていました。
以下に、一部を引用させていただきます。
くらしをひらく 高齢者、地方移住
金沢の民間施設、73歳「理想通り」 仕事・交流・趣味の畑
政府が進めようとしている『日本版CCRC』は、既に民間での取り組みが始まっている。
約2年前に社会福祉法人がオープンさせた『シェア金沢』(金沢市若松町)は成功例の一つとされ、全国の市町村や民間事業者の視察が相次いでいる。
『シェア金沢』の『移住生活』を見て、課題を探った。
「いらっしゃい。今日はカップめんは買って行かないのかい」
11月下旬、『シェア金沢』の共同売店で鈴木総七郎さん(73)は客の男性に声をかけた。慣れた手つきで日用雑貨を売っている。
鈴木さんは『シェア金沢』の住人、買い物に来た男性も敷地内の障害者施設で働いている。男性は「ここらへんで鈴木さんのことを知らない人はいないよ」と話す。
約3.5ヘクタールの敷地内には約30の建物が並ぶ。
移住高齢者が住むのは、見守りサービスの付いた『サービス付き高齢者向け住宅』(サ高住)。1〜2階建てで6棟(計32戸)あり、60〜90歳代の約40人が入居し、半数が首都圏や近畿圏などからの県外出身者だ。
それぞれの棟に担当職員がおり、毎日朝夕の2回、安否確認を行う。残り1戸には6世帯の申し込みがある。
敷地内には学生や障害児らが暮らす住宅もある。
鈴木さんら住人が共同出資した売店のほか、入浴施設やレストラン、グラウンドも併設され、多世代が暮らす一つの「街」だ。
日常的に顔を合わせるだけでなく、地元住民が経営する店舗や、時には学生のライブなどで自然に交流が生まれる。
『シェア金沢』の施設長は「移住高齢者だけで閉ざされていないことが移住者、地域双方にとって満足度を高めているのではないか」と話す。
神奈川県横須賀市出身の鈴木さんが入居したのは今年4月。
60歳で定年を迎えた後、市内で暮らしていたが昨年春に妻に先立たれた。
子どもに負担をかけたくないが、まだ健康だったため、介護施設ではなくサ高住を探した。
「厚生年金でやりくりできる」「都市部が近い」「地域住民との交流がある」などの条件で探し、『シェア金沢』に決めた。金沢は旅行で訪れたことがあるだけだった。
鈴木さんは月額12万円の約42平方メートルの1LDKに住む。朝7時に起床し、夜10時に就寝。週に1〜2日は共同売店で働く。障害のある子どもたちと交流するうちに介護にも関心を持ち、週に4日ほどは敷地内で介護士としても働く。
空いた時間は敷地内の畑でタマネギやサツマイモなどを育てる。鈴木さんは「自分の思い通りの生活をしているのが介護予防にもつながっている。自由にやりたいことがある人には向いている」と満足げだ。
入居者のうち7人が要介護・支援の認定を受けているが、敷地内には訪問介護ステーションがあり、介護サービスを受けられる。高齢者デイサービスでは血圧や脈の測定といった健康管理のほか、体操や陶芸、料理教室などの日替わり講座なども用意されている。
介護士の中村雅美さん(40)は「新たに介護が必要になった人も、以前から顔を合わせる機会が多いので親しみやすい」と話す。
(以下、省略)
【阿部亮介】
一読して
「ああ、鈴木さんは暮らしづらい横須賀市にムリに住み続けるよりも、『Share金沢』に早めの住み替えをして大正解でしたね!」
と感じました。
社会保障・社会福祉をメインの政策とする政治家として、「『早めの住みかえ』は良いことだ」とフジノは考えています(市議会でもその必要性を訴えてきました)。
横須賀市も横須賀市議会も人口流出を問題視していますが、フジノの立場は違います。
この横須賀市という『行政区分』に、人をムリに引き止めることは不可能です。
人には生存本能がありますし幸福追求権がありますから、住みづらいまちにムリに住み続けさせようなんていう政治・行政の発想自体がおこがましいし、おかしいです。
政治家としてフジノは、市民のみなさまがお元気で長生きして下さるならば、暮らしやすく自己実現ができる他の地域や『Share金沢』のようなエリアに引っ越すことには大賛成です。
横須賀を離れた鈴木さんがいつまでも健康でお元気に暮らしていかれることを願ってやみません。
大切なことは、『ご自分の意思』で決めた『早めの住み替え』です。
例えば、80代後半になって要介護度があがってから特別養護老人ホームに入所させられる、なんていうのは『早めの住み替え』とは対極のものです。
そして、政府が進めている東京一極集中を解消する手段としての『高齢者の地方移住』も違います。
それでは『単なる引っ越し』です。
あくまでも『Share金沢』のように、赤ちゃん・こども・青少年・大人・高齢の方まで気軽に集まっているコミュニティで毎日つながりを感じて暮らせる、そういうところならば『早めの住み替え』が良い形で機能します。