市長に対する一般質問を行ないました
本日の本会議で、フジノは市長に対して一般質問を行ないました。
答弁ではいくつもの成果が得られましたので、ブログで1つずつ報告していけたらと思います。
*ただ、現在すでに市長に対する100条委員会が開かれていることからもお分かりのとおり、市長の答弁には虚偽答弁や不誠実答弁が多く、答えたからと言ってそれがウソの可能性もあります。もはや今の横須賀市議会では、市民代表である市議会が市長に質問をしても、返ってくる答弁が本当なのかウソなのか分からないという不信感が強くあります。もはや議論の前提が成立しない現状にあることがとても残念です。
性的な多様性を保障する単独の条例を再来年度以降に検討する可能性が答弁されました
今回のフジノの一般質問の全文はこちらに掲載しました。
(市長からの答弁とその後の一問一答による再質疑は、ボランティアの方のご協力をいただきながら一生懸命文字起こしをしているところです)
今回の質問の1問目は
についてでした。
現在の『男女共同参画推進条例』とその実施計画である『男女共同参画プラン』は、あくまでも世の中には『男』『女』しか存在しないという『男女二元論』に基いて作られています。
『性的な多様性』を当たり前の前提として、条例もプランも根本的に見直すべきだとフジノは提案しました。
特に、条例もプランもともに来年度から見直し作業に入るスケジュールになっています。大変な好機です。
しかし吉田市長は、
「今回の条例の見直しのスケジュールではやらねばならないことが多く時間に余裕が無いから難しい(まだ作業がスタートさえしていないのに)」
という趣旨の答弁をしました。
とても失望させられました。
ただし、その後の再質問でフジノは以下の答弁を得ることができました。
2015年12月議会・一般質問の再質問より
(男女共同参画推進条例の見直しに『性的な多様性』を明文化しない、という市長の答弁に対して)
フジノの質問
市長、「今の条例の中にも(性的な多様性に関する)理念は含まれている」とおっしゃっているじゃないですか。
『理念』は含まれているなら文章に戻すだけの話で、条例の背景が変わるとか、そんなこと詭弁じゃないですか。
今、『理念』に含まれているなら、それを分かりやすい言葉に直すだけで、それがどうして市長の中では結びつかないのか分かりません。
どうしてこれだけ取り組みを進めているのに『条例』には書きたくないのか。
それは何故なんですか。
市長の答弁
決して「書きたくない」と申し上げている訳では、まずありません。
ただ、社会的な課題の1つとして、やはりまだまだ女性の社会進出・社会参画、そういった課題が一方で目に見える形で大きくある。
そういった課題の解決するためにつくられたこの『条例』と、その多様な性を認めていく世の中を作っていくという理念的なものとを一緒にしてしまっていいのか、という議論というのは当然生じなければいけないと私は思っています。
往々にして女性の社会参画、そういった取り組みと、いわゆる『性的な多様性』を認めていく取り組みといういのは、一概に同じ手段を伴うとは限らないと思っていますので、理念のレベルで共有できていても、やはり『条例』の中で位置付けるとなれば発生する作業というのは多いのではないかと思っています。
フジノの質問
「まだ女性の社会進出が解決できていないからこのまま(の条例で)続けたい」ということなんですけれど、では『性的マイノリティ』の方々が就職活動に大変苦しんでおられたり、企業の中で自分の本当の気持ちを話せないまますごく苦しい思いをしている。そういう人たちのことは関係ないと、この『条例』の中では関係ないんだと、そういうふうなお考えだということですか。
市長の答弁
この『条例』に位置付けることが適当かどうかというのはやはり議論はしなければいけないと思います。
フジノの質問
そうすると「別の条例を単独でつくる」ということでよろしいですか。
市長の答弁
そういった議論も含めて『単にひとこと追加する』というでは済まない議論がこれから必要になるだろうというふうに思っています。
ただ、「『審議会』への諮問を」というふうにおっしゃいましたけれど、来年度の中でやるべき作業というのは、ある程度現在想定をしている中では、『条例』に関する審議まではなかなかボリュームとしても難しいのではないかと思っています。
フジノの質問
来年度できない、ということなんですけれど、将来については含みを残している、再来年度やるかもしれない。そう受け止めてよろしいですか。
市長の答弁
そう受け止めていただいて結構です。
つまり、スケジュール的に無理なので『男女共同参画推進条例』は『男女二元論』のまま見直しをしない。
しかし、『性的な多様性』を当たり前の前提とした現代社会で共生社会を実現する為の単独の条例を、再来年度以降は検討していく可能性がある。
そのような答弁を得たのです。
質疑応答の淡々とした文章や本会議の録画中継では分からないと思うのですが、フジノはこの答弁を引き出した時、
「ついに市長から条例化の言質を得た!」
と心の中でガッツポーズを取りました。
こんなのんびりしたペースでは、政府の方が先に動き出してしまうかもしれません。
けれども、横須賀市にとっては大きな前進です。
これまで8年近く横須賀市では性的な多様性の取り組みを進めてきたものの、公的な文章の中にはっきりと載せることができたのは3つだけなのです。
横須賀市が性的な多様性の保障を明文化しているもの
- 横須賀市人権施策推進指針(2009年1月策定)
- 横須賀市「性的マイノリティに関する施策」(2013年予算議会で了承)
- 横須賀市「性的マイノリティに関する施策体系」(2013年予算議会で了承)
これまでフジノはこうした文書に文言を明記できたことをもって、実践的な取り組みをどんどん推進していくことを優先してきました。
そしてすでに様々な取り組みが行なわれてきたのですが、本来は行政にとってそうした実践活動の根拠になるものが『条例』であり『計画』なのです。
だから、この8年間の横須賀市での取り組みが成熟しつつある今だからこそ、次は『条例化』が絶対に必要です。
みんなの力で『条例』を作りましょう。前に進めましょう。
(次回も良い報告です。ぜひご覧下さい)