社会教育委員会議を傍聴しました
今日は『社会教育委員会議』でした。
先日の教育委員会定例会傍聴を書いたブログ記事に記したようにフジノは、図書館の在り方に関する本格的な議論が今日の『社会教育委員会議』からスタートすると考えていました。
しかし残念ながら、事務局側から報告書の提出はありませんでした。
先日の教育委員会定例会と同じ資料が配布されました(その他に3ページ、北下浦行政センターの図書室の表示の在り方の改善例が掲載されています)。
「庁内プロジェクトチームの議論はすでに終わりましたが、報告書のまとめの作業を行なっています。後日まとめたものを報告します」
とのこと。
教育委員会定例会での『経過報告』と全く同じ内容の説明がわずか5分程行なわれただけでした。
「報告」だけでなく「質疑」や「意見交換」も全く活発ではありませんでした
質疑応答ではわずか2人の委員からの意見があっただけでした。
中学校長である委員からは
「こどもがうちに帰って勉強できる環境もあれば、こどもが多かったり家族が多くて机に向かえない生徒もいます。私の学校ではボランティアの協力で昼休みに図書館を開放しています。図書館には、ゆったりと過ごせる中に学習空間も保障していただけるようにしてほしいです」
との意見がありました。
他の委員からは
「北下浦のサテライト型の図書室を今後も見守って下さい」
との意見がありました。
フジノからすると、『社会教育委員会』として活発な議論が意見交換があったとは全く言えない内容でした。
時計を観ていたのですが、スタートから6分20秒で図書館に関する議事は終わり、図書館長をはじめ図書館職員は退室していきました。
「図書館の在り方」を議論するならば市民の声を何故聴かない!
もう本音を書きます。
正直なところ、フジノはとても深く失望しています。
それは今日の『社会教育委員会議』に対してではありません。
『庁内PT』の『経過報告』に対してです。
こんなレベルの議論に1年間もかけたなんて、理解できません。
この『経過報告』では、『教育委員会』も『社会教育委員会議』も質疑のしようがありません。
加えて、フジノが最も失望を感じている理由は『市民の声を全く聴いてこなかったこと』です。
図書館内部での議論に1年間、市役所全体での議論に1年間、合計2年間も費やしておきながら市民の声を聴く機会はゼロでした。
フジノは「図書館改革をするならば、市民の声こそ反映されねばならない」との想いから、2014年予算議会では『図書館協議会の設置』を提案しました。
2014年2月28日本会議
本市の公共図書館のあり方を検討する必要性について
吉田市長就任後、本市の図書館サービスは改善が重ねられてきました。
自宅でインターネットで予約をして、受け取りや返却をするのは図書館以外の場所、例えばコミュニティセンターやコンビニエンスストアなどでもできるようになりました。
横浜F・マリノスと児童図書館の絵本のコラボレーション、コミュニティセンターとのジャズ演奏のコラボレーション、課題解決コーナーの設置なども記憶に新しいところです。
ただ、これまでこうした1つ1つのサービス向上はなされてきましたが、しかし、公共図書館にはもっともっと大きな可能性があります。
3つの最重点施策である『子育て・教育環境の充実』『生涯現役社会の実現』『地域経済の活性化』に対しても公共図書館は大きく貢献してくれるはずです。
ここで1度しっかりと根本的な意味で本市の公共図書館のあり方を検討する必要があると僕は考えています。
1.本市の公共図書館のあり方を検討する必要性について、市長、教育長はどのようにお考えでしょうか。
2.また、そうした検討の場として図書館法第14条に規定されている『図書館協議会』を本市も立ち上げるべきではないでしょうか。
お答えください。
市長の答弁
本市の公共図書館のあり方を検討することについて御質問をいただきました。
現在の図書館については、改革が必要であると考えています。
これからの公共図書館は、市民や地域の抱えるさまざまな問題解決に結びつく情報を得られる施設であるべきだと捉えています。
また、開館日や開館時間の拡大等の利用しやすさという面でも、そのあり方を教育委員会には検討していただきたいと考えています。
次に『図書館協議会』について御質問をいただきました。
市立図書館を運営する上で、市民意見が反映・実現される仕組みは必要と考えていますので、『図書館協議会』に限定せず、改革の中で検討していただきたいと考えています。
教育長の答弁
本市の公共図書館のあり方を検討することについて御質問をいただきました。
横須賀市立図書館ではこれまで、図書の貸し出しをサービスの中心に置いて運営をしてまいりました。
現在は、市民の知的困り感を解消する施設として、中央、北、南の各図書館で課題解決コーナーを設置するなど、市民の役に立つ図書館を目指す取り組みを始めております。
今後は、市民の知的欲求を満足させるだけでなく、気軽に立ち寄れる魅力ある図書館づくりを目指して検討していきたいと考えています。
次に『図書館協議会』について御質問をいただきました。
現在、本市では『図書館協議会』を設置しておりませんが、各図書館の貸し出しカウンターや各館に設置している利用者の声の箱、電子メール等でいただいた御意見を図書館運営に反映するとともに、必要に応じて社会教育委員会議に報告し、御意見を伺っております。
市民意見が反映・実現される仕組みについても、市立図書館のあり方を検討していく中で、具体的な手法を考えていきたいと考えています。
要するに、フジノが提案した図書館法第14条に規定されている『図書館協議会』を設置する考えは、市長・教育長ともに「無い」という答弁です。
こうして市民の声を聴かないままに2015年も終わります。
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次回の『社会教育委員会議』は予定では来年3月の開催となります。
つまり、図書館の在り方に関する議論も3月まで『放置』ということになります。
市民全体の議論は無いままに「ハード」としての図書館の将来は決まりました
しっかりした議論が進まない一方で、今年1月に市長が決定した『施設配置適正化計画』の中に『ハード』としての図書館の将来は決められています。
去年2015年10月6日〜11月5日の1ヶ月間、パブリックコメントが行なわれましたが、『図書館』についての意見はわずか3件。
フジノは、市民のみなさまはパブリックコメントがあったことさえ知らなかったのだと思います。
市民のみなさまを巻き込んだ議論が無いままに、『ハード』としての図書館の未来は決定されてしまいました。
- 『児童図書館』は建て替え
- 『中央図書館』は移転・建て替え
あなたはこんな決定を知っていましたか?
十分な議論も無く、市民も置いてきぼりのままで決められていって良いのですか?
フジノは絶対に間違っていると思います。
「図書館は民主主義の砦だ」と信じています。
今、誰も話題にしないのは、しっかりと横須賀市が市民のみなさまを巻き込んだ議論をしていないからです。
フジノは情報を出し続けます。
だから、どうか市民のみなさまも図書館について一緒に考えて下さい。どうかお願いします。
大切なモノは失なって初めてその価値に気づくことが多いものです。
けれども、在るべき公共図書館を失なってしまうことは、絶対にあってはならないことです。
絶対に。