(前の記事から続いています)
現時点での「2025年の必要病床数」と「現状との差」
本日の会議で発表された、最新のデータに基づいた集計は以下の通りでした(いまだ完成前のデータです)。
横須賀・三浦構想区域の現状と必要病床数
現状の病床数 (2015年) |
必要な病床数 (2025年) |
現状との 差引 |
|
---|---|---|---|
高度急性期 | 1781床 | 772床 | ▲1009床 |
急性期 | 1741床 | 2210床 | 469床 |
回復期 | 386床 | 1913床 | 1527床 |
慢性期 | 949床 | 1227床 | 278床 | 未選択等 |
この表では分かりづらいので、言葉でご説明いたしますね。
- 横須賀市・鎌倉市・逗子市・三浦市・葉山町において
- 2025年に必要なベット数と比べて
- 2015年12月現在では
- 『高度急性期』は1009ベットも多くあって
- 『急性期』は469ベット足りていなくて
- 『回復期』は1527ベット足りていなくて
- 『慢性期』は278ベット足りていない。
という意味です。
ですから、今ある病院・有床診療所(入院できる診療所)は2025年に向けて、自分たちの在り方を変えていくことが必要です。
現在の横須賀・三浦構想区域は、とても『高度急性期』のベットが充実しています。
大ケガや深刻な病気によって救急車を呼べば、救急車は受け入れ病院を探す為にわずか1.5回のコールで受け入れ先が見つかるそうです。
けれども2025年に求められている病院・有床診療所の役割は、だいぶ異なっています。
急性期・回復期・慢性期ともにベット数が全く足りません。
ですから、横須賀・三浦構想区域の医療関係者のみなさまにはご協力をいただいて、『高度急性期』から『急性期』『回復期』『慢性期』へと変更していっていただかねばなりません。
横須賀市は市民病院で2016年10月から「回復期(地域包括ケア病棟)」をオープンします
もちろん、民間病院に対して無理やり「変えろ!」と命令はできません。
日本には民間病院が多いという現実がありますので、公立病院が積極的にリーダーシップをとらねばなりません。
このような現状を受けて、2025年に向けて回復期の病床が圧倒的に不足することに対応しなければなりません。
そこで、横須賀市立市民病院では2016年10月に『回復期病棟』を新たにオープンすることに決定しました。
これは、大変重要な取り組みで高く評価したいです。
- 市民病院の『急性期病棟』からの受け入れ
- 『自宅』『施設』で病状が悪化した方の受け入れ
こうした方々の『在宅への復帰支援』をしていきます。
個室×2部屋と、4人部屋が8部屋で、合計34床です。
看護師10名、看護助手4名、理学療法士3名、言語療法士1名、作業療法士1名、社会福祉士1名の体制です。
リハビリルームも新設しますが、すでにうわまち病院にある『回復期リハビリテーション』と比べると、やや簡単なリハビリテーションがメインとなります。
『在宅への復帰支援』がメインの目的のリハビリなので、具体的には歩行訓練や洋服を着る練習や食事をとるなどのリハビリが中心になります。
「市民病院に『地域包括ケア病棟』を開設すべきだ」と提案してきたフジノにとっては、政策の実現です。とても嬉しいです。
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『回復期』だけでなく、『慢性期』のベットも足りません。
2025年を待つまでもなく、現在でも『慢性期』のベットは足りていません。
(父が倒れてから亡くなるまでの11年間、フジノは公私問わずこの問題とずっと向き合い続けてきました)
フジノは、「『地域医療構想』の実現には公立病院が果たすべき役割が大きい」と考えています。
つまり、市が責任をもって『慢性期』のベットを確保していくべきだという立場です。
そこで先日の予算議会(3月4日・健康部での予算審査)においても
「市民病院の休棟している病棟を、『慢性期』の病床としてオープンすべきだ」
と提案しました。
市立病院担当課長も「前向きに検討してまいります」と答弁しています。
(次の記事に続きます)
後日談:タウンニュースが市民病院の地域包括ケア病棟開設を報じてくれました
約半年後の2016年8月19日付タウンニュース紙が、市民病院の地域ケア病棟(回復期病棟)の開設を報じてくれました。
ぜひ実際にオープンした後も、取材にいらして下さい。
よろしくお願いいたします。