横須賀市は「歴史的な価値を守るべき責任」を1億8000万円を得る為に捨てたのだ、と分かりました
3月末をもって廃止された『婦人会館』が早くも売りに出されてしまいました。
郵送による『一般競争入札』という仕組みで、売却先を決めるそうです。
フジノはブログで
「売却されるまで、門こそ閉じられていますが、その美しい庭を門越しにぜひ観にいらして下さい」
と書きました。
しかし、それができるのもあと数ヶ月だけになってしまいました。
その『説明書』を読んで、深く落胆してしまいました。
『1億8070万円以上』というのが、地域の大切なコミュニティ拠点であり歴史的な価値も高かった『婦人会館』の売値です。
この説明書を読んで分かったことは、約2億円という現金収入を得る為に、横須賀市は歴史的価値を守る責任を捨てたということでした。
虚しい気持ちに襲われて、ため息がたくさん出ました。
売却先が決定する(郵送による一般競争入札が改札される)日は、9月2日です。
そして、あの素敵な『建物』は、引き渡しから1年以内に取り壊すことが売却のルールとして記されていました。
『婦人会館』の庭園を愛し、自らの小説の中で触れるまでした菊池寛は、とても悲しんでいるのではないかと思いました。
悲しむと言えば、つい先日、米が浜の『料亭小松』が火災によって失われてしまい、ゆかりのある全国の方々が悲しみにくれました。
『婦人会館』もとても大切な歴史的な価値のある建物・庭園でした。
横須賀から大切なものがどんどん失われていってしまうことに、さみしさを感じます。
しかも『料亭小松』は火災によって失われてしまいましたが、この『婦人会館』は地域住民の反対にもかかわらず、『横須賀市の決定』で廃止されたのです。
市が自らの歴史を守る責任を放棄する、それも現金約2億円を得る為に。
なんて虚しいことだ。
説明書に記載されている「参考事項」より抜粋
- 本物件の旧用途は、市立婦人会館です。同会館は、平成28年3月31日をもって閉館となりました。
- 売買物件引渡しの日から1年以内に敷地内に存する建物及び敷地西側の万年塀を解体撤去することを条件としますので、建物の所有権移転登記は行いません。
- 建物解体完了後、速やかにその旨を報告してください。現場検査後に建物滅失登記に要する委任状を交付します。
- 敷地内にある建築物、工作物(池、灯篭、井戸、藤棚等)及び立木(樹種、本 数等は判然としません。)は所有権移転の時点における現状有姿での引渡しとなりますので、解体撤去等は落札者の負担で行ってください。
- 本件土地の区画形質の変更を行う場合、敷地全体を開発区域に設定した一体の開発行為で計画する必要があります。
- 土地利用(解体工事を含む。)を行う際は土地利用計画及び工事車両の通行について、地元町内会を対象とした事前説明会を実施するように努めてください。なお、対象となる町内会は工事車両の通行が予定されている幅員8m未満の道路が存する町内会とします。
- 工事車両の通行に当たっては、地域住民の生活に配慮し安全確保に努めてください。
- 敷地南側の市道と本件土地の塀を利用してごみ集積所が設置されています。土地利用に伴い新設、増設又は移転(一時的な仮移転も含む。)が必要な場合、馬 堀町1丁目町内会と協議を行った上で必要な措置を講じてください。
- 本件土地に道路を新設し、その新設道路を南側で接面する道路(市道1799号) に接続する場合、その付近の安全に配慮し、必要に応じてカーブミラー等の設置を検討してください。
- 特定建築等行為のお知らせ看板を設置したときは、速やかに資産経営課あて報告してください。
(中略)
かたやDeNAベイスターズ2軍が横須賀から出て行ってしまわない為に、あっという間に数十億円の市税を出すことを市長は決めてしまいました。
こうした姿勢はとてもおかしいとフジノは感じずにはいられません。
今の横須賀市政は間違っています。
とても虚しいです。
後日談:神奈川新聞が報じてくれました
市民のみなさまに馴染みの深かった『婦人会館』の売却について、地元紙・神奈川新聞が報じてくれました。
こうした大切なことを報じてくれる新聞メディアの存在は、本当にありがたいです。