市内中学校の演劇部による毎年夏の「熱いステージ」が開催されました
市内中学校の演劇部による毎夏恒例の発表の場である『中学校演劇発表会』が開催されました。
今年で33回目となりました。
毎年記していることですが、横須賀の演劇のレベルは高いです。
そして、もしもあなたが「演じてみたい」と願うのであれば、幼少期から高齢の方まで誰もが舞台に立てるいろいろな機会が横須賀にはあります。
中学生の場合(残念ながら演劇部が無い中学校もありますが)、演劇部のみなさんには毎年夏に『はまゆう会館』のステージで発表する大会があります。
日頃の成果を発表するだけではなく、次の大会への『選抜』の場でもあります。ここで最優秀に選ばれた学校は『県大会』のステージに立つことになります。
毎年フジノは『中学校演劇発表会』を応援しています。
『未来の俳優』に出会えるかもしれない場に立ち会うことは、市議としてだけでなく、元映画会社社員として、純粋にワクワクします。
さらに、照明・音響・衣装・大道具・小道具などの裏方の仕事も重要です。
全ての学校に十分な部員数がいる訳ではありません。限られた人数で演じられる台本選びや舞台づくりになりますが、実は工夫次第でとても良い作品が生まれることがあります。
演劇の道を選ばなくても、こうした経験は必ず将来に生きていくはずです。
全6校が2日間にわたって熱演しました
今年は、全6校が出演しました。
浦賀中学校、大津中学校、大矢部中学校、衣笠中学校、久里浜中学校、野比中学校です。
3校ずつ2日間にわたって発表します。
第1日 7月30日(土) | 第2日 7月31日(日) |
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野比中学校「ボクのじゆうちょう」 | 浦賀中学校「夏芙蓉」 |
大矢部中学校「天使の声が聞こえたら」 | 久里浜中学校「彼女によろしく」 |
衣笠中学校「明日、君を食べるよ」 | 大津中学校「親の顔が見たい」 |
残念ながらフジノは、1日目だけの観劇でした。実は、それでも十分に堪能できました。本当に来てよかったです。
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1校目は、野比中学校演劇部です。
今年新たに4名の部員が入部したそうです。
『演劇部』がテーマの作品でした。
楽しいシーンが多くて、ふだんの部活動の様子が垣間見えたようで、とても楽しめた作品でした。
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2校目は、大矢部中学校演劇部です。
大矢部中学校演劇部は合計6名と小規模です。
けれども、まさに小規模な人数こその台本を選び、ステージ作りをし、効果的な音響効果を駆使して、素晴らしい作品に仕上がっていました。
そもそも演劇の良し悪しは人数で決まるものではありません。
例えばプロの世界でも、五大路子さんはひとり芝居『横浜ローザ』をライフワークにしておられます。フジノが9月に観に行く窪塚洋介くんの舞台『怪獣の教え』も出演者は3人きりです。
大矢部中学校演劇部の出演者3人も見事で、作品はとても完成されていました。
来年に新入部員が入って、これからも大矢部中学校演劇部がぜひ継続していってほしい、と感じました。
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3校目は、衣笠中学校演劇部です。
作品は『明日、君を食べるよ』です。
なるせゆうせいさんの原作で、とてもよく知られている作品です。
あなたも作品そのものは知らなくても、このあらすじはきっと聴いたことがあると思います。
1人の少年と、1頭の牛。
はじめは都会から来た少年は、牛に嫌悪感を持ちます。
しかし、やがて友情が芽生えます。
その牛は『肉牛』であり、数年中には食肉の為に屠られることが決まっています。
人間は他の生命を食べねば生きていかれない存在であり、そこに起こる少年の葛藤、怒りと受容と涙…。
対象が牛でなく豚だったり、舞台が小学校や農業高校だったり、こうした『自ら育てた命とそれを屠るという物語の構成』は、他にもマンガや本や映画でもたくさんあります(例えば『銀の匙』など)。
世間によく知られている物語を演劇部として発表するのは、観客の心の中にある既知のイメージとのたたかいです。
ですから、フジノは観劇前に「とても難しい作品を選んだな」と率直に感じました。
けれども、フジノは感動して涙が出てしまいました。
衣笠中学校演劇部の17名は、見事に物語を自分たちのものにしていました。
毎日食べている物がどうやって食卓まで来ているのか、命の尊さ、いろいろなことを観客みんなが考えさせられたと思います。
とても良い舞台を観れたな、と感じました。
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3校とも、とても素晴らしかったです。
これからも横須賀の「演劇」が発展していくことを願っています
明日は浦賀・久里浜・大津の3校が発表会に登場します。
そして1校が選ばれて、県大会へと出場することになります。
スポーツと同じく、こうして1位が選ばれてさらに全国大会へと進んでいくのはとても良い経験になると思います。
それだけでなく、はじめに書いたとおりでこのまちの演劇のレベルの高さを支えているのは、今日この場に集った演劇部メンバーをはじめ、顧問の先生や指導にあたった多くの方々、大会運営にあたったみなさんなど、多くの人びとの存在です。
今後もずっとこうした取り組みが続いていくことで、これからも横須賀の『演劇』に携わる多くの人びとがますます増えていくことを願っています。
フジノも微力ながら今後もずっと応援していきます!