号泣県議はじめ不正会計によって横領されるなど「政務活動費」にまつわる不祥事が続いています
白紙の領収書を使って『政務活動費』を横領するなどの不正会計による犯罪が続いています。
その為、世間のみなさまにとって『政務活動費』はネガティブなイメージが強く「廃止せよ」「生活費なのか」といった声もテレビや新聞で毎日報じられています。
本来の『政務活動費』は、自営業であろうと会社勤めであろうと政治家であろうと、仕事をしていく上では必ず発生する『必要経費』に過ぎません。
ただし唯一異なるのは、自営業や民間企業であれば一定のルールに基いて会計士や税務署のチェックがあることです。
しかし、『政務活動費』については残念ながらそうした『義務』の定めがありません。その為、はじめに記したような犯罪行為が起こる余地があるのです。
改革派の議会では公認会計士など第三者機関によるチェックを取り入れているところもあります。例えば、下の記事では福岡県議会の先進的な取り組みが報告されています。
第三者機関の設置や会計士を雇うだけの予算措置が成されていれば良いのですが、実際には横須賀レベルの一議会ではなかなか予算措置は難しいのが現実です(*)。
本来であれば、地方自治法で国が厳密なルールを作って『請求払い方式』『第三者機関によるチェック』などの人員配置・予算措置をしてくれれば良いのですが、現状では残念なことになっています。
(*)例えば、フジノたち『議会IT化運営協議会』メンバーは『議会のペーパーレス化』等の議会改革の為に『タブレット端末の導入』をすすめています。しかしその予算を作る為に『本会議・委員会会議録』をこれまで1800部印刷して市内各所に配布していたのをやめて、2017年度から72部のみの作成に減らします。
ここで浮いた324万円を財源にして、何とか議会改革の為の予算をねん出するような状況なのです。正しいことの為と言えども予算がかかることはなかなか実施できないのが現実です。
これまでもこれからも横須賀市議会では「政務活動費」に関する改革を続けていきます
そんな中にあっても、わが横須賀市議会では独自にできる改革を積極的に進めてきました。
当然ですが、使途基準などを定めた『運用マニュアル』を策定しています。これは適時改訂されています(最新版の2016年4月版はこちらです)。
『運用マニュアル』では費目ごとの使いみちの基準があります。その基準に基いて、まず議員個人個人が自ら収支報告書を作成します。
最終的には市議会議長に提出するのですが、その前に議会事務局による事前チェックが入ります。
単純な計算ミスをはじめ、費目の誤りや、基準に合致しているかについて改めて指摘をしてくれます。
フジノのように無会派でひとりきりで収支報告書を作っている人間は他者の目でダブルチェックができないので、いくら見直して気をつけても計算ミスや費目の誤りはどうしても起こります。
また、『運営マニュアル』で基準は定められてはいますが、あくまでも世の中の全ての種類の支出に対して定めてある訳では無いので、率直に判断に迷う部分があります。基準に合致しているか否かは最終的に議員自身が説明責任を果たすことですが(アカウンタビリティ)、議会事務局のチェックとその後の意見交換のおかげで、支出の在り方をより厳格に行なうことができています。
このチェックは、実は他のまちの議会事務局よりもとても細かく行なわれています。
あるまちでは議員から提出された収支報告書を受け取って、そのまま議長に提出している議会事務局もあると聴いたことがあります。
その為、今年9月4日に『全国市民オンブズマン連絡会議』が発表した都道府県・政令市・中核市の政務活動費に関する調査アンケートへの回答が間に合いませんでした。
回答が間に合わなかったことで市民の方からもご批判をいただきました。
けれども、しっかりチェックしていたが故の回答の遅れの為に議会事務局が批判されてしまったことはフジノはとても残念に感じました。
昨年決定し、今年から収支報告書の提出を年2回に変更しました
さて、横須賀市議会では過去から現在にかけてずっと政務活動費(旧・政務調査費)の透明性を高める改革を議論し続けてきました。
これまでもたびたびルールが改定されてきましたが、昨年12月には全会派が一致して『収支報告書』を2016年度から年2回提出に改めることに決定しました。
平成27年 (2015年)12月11日
議会運営委員会
委員長 鈴木真智子様
議会制度検討会
委員長 木下憲司
議会制度検討会検討結果(『政務活動費の透明性確保のための方策』に係る協議事項)について
本検討会は、平成27年12月11日に会議を開催し、政務活動費運用マニュアルの改正について、検討を行ないました。
その結果、下記のとおり結論を得ましたので報告します。
記
- 横須賀市議会政務活動費の交付に関する条例の改正等に伴う政務活動費運用マニュアルの改正について
横須賀市議会政務活動費の交付に関する条例の改正及び平成27年10月2日付けで報告した『政務活動費の透明性確保のための方策』に基づき、政務活動費運用マニュアルを別紙案のとおり改正する。
上の報告のとおり決定しました。
これが2016年度(今回)からついに適用されることとなりました。
ちなみに横須賀市議会では、領収書も1円の支出から全て原本を提出することになっています。
もちろん、横須賀市議会のホームページにも全て掲載されます。
フジノは今日、提出してきました
さて、初めての前期・後期の2回提出がスタートしました。
前期の締め切りは10月31日です。
フジノは今日、前期分を提出してきました。
とはいえ、これから議会事務局のみなさまにチェックをしていただくことになります。
上の方で書いたとおり、フジノのように無会派でひとりきりで収支報告書を作成していると、単純な計算ミスや費目の取り違えなどの凡ミスがどうしても発生してしまいます。
何度見直していても、やはり他者の目が入ってダブルチェックしてもらうことで正確さがあがります。
ですから今日提出してきたものは、あくまでも『暫定版』という位置づけになります。
それでもフジノとしては、一刻も早く市民のみなさまに情報公開をしたいという立場ですので、このブログで少しずつ準備ができたところから収支報告書を掲載していきます。
こちらのコーナーをご覧くださいね。
そして、ぜひ市民のみなさまにご指摘を頂きたいです。
「この視察はどの一般質問・委員会質問につながっているのですか?」
「この本を買って、政策にどんなふうに反映したのですか?」
と。
『政務活動費』での視察や研修や購入した本は、すぐに政策や質疑に反映できることばかりではありません。
けれども、政策の為に政務活動費は使っています。
ぜひ「その効果はどうだったのか?」という本質的な意見交換ができたらいいなと願っています。
どうぞよろしくお願いいたします。