3年に1度の、高齢者保健医療福祉の重要な計画づくりの時期が再びやってきました
ご高齢の方々の保健医療福祉をライフワークにしているフジノにとって、3年に1度の大切な時期がやってきました。
過去のブログでも3年ごとに繰り返し記してきたことなのですが、全国の市町村では3年ごとに『高齢者保健福祉計画』『介護保険事業計画』を作らねばなりません。
介護保険法
(市町村介護保険事業計画)
第百十七条 市町村は、基本指針に即して、三年を一期とする当該市町村が行う介護保険事業に係る保険給付の円滑な実施に関する計画(以下「市町村介護保険事業計画」という)を定めるものとする。
2 市町村介護保険事業計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 当該市町村が、その住民が日常生活を営んでいる地域として、地理的条件、人口、交通事情その他の社会的条件、介護給付等対象サービスを提供するための施設の整備の状況その他の条件を総合的に勘案して定める区域ごとの当該区域における各年度の認知症対応型共同生活介護、地域密着型特定施設入居者生活介護及び地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護に係る必要利用定員総数その他の介護給付等対象サービスの種類ごとの量の見込み
二 各年度における地域支援事業の量の見込み
3 市町村介護保険事業計画においては、前項各号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項について定めるよう努めるものとする。
一 前項第一号の必要利用定員総数その他の介護給付等対象サービスの種類ごとの見込量の確保のための方策
二 各年度における地域支援事業に要する費用の額及び地域支援事業の見込量の確保のための方策
三 介護給付等対象サービスの種類ごとの量、保険給付に要する費用の額、地域支援事業の量、地域支援事業に要する費用の額及び保険料の水準に関する中長期的な推計
四 指定居宅サービスの事業、指定地域密着型サービスの事業又は指定居宅介護支援の事業を行う者相互間の連携の確保に関する事業その他の介護給付等対象サービス(介護給付に係るものに限る)の円滑な提供を図るための事業に関する事項
五 指定介護予防サービスの事業、指定地域密着型介護予防サービスの事業又は指定介護予防支援の事業を行う者相互間の連携の確保に関する事業その他の介護給付等対象サービス(予防給付に係るものに限る)の円滑な提供及び地域支援事業の円滑な実施を図るための事業に関する事項
六 認知症である被保険者の地域における自立した日常生活の支援に関する事項、居宅要介護被保険者及び居宅要支援被保険者に係る医療その他の医療との連携に関する事項、高齢者の居住に係る施策との連携に関する事項その他の被保険者の地域における自立した日常生活の支援のため必要な事項
4 市町村介護保険事業計画は、当該市町村の区域における要介護者等の人数、要介護者等の介護給付等対象サービスの利用に関する意向その他の事情を勘案して作成されなければならない。
5 市町村は、第二項第一号の規定により当該市町村が定める区域ごとにおける被保険者の心身の状況、その置かれている環境その他の事情を正確に把握した上で、これらの事情を勘案して、市町村介護保険事業計画を作成するよう努めるものとする。
6 市町村介護保険事業計画は、老人福祉法第二十条の八第一項に規定する市町村老人福祉計画と一体のものとして作成されなければならない。
7 市町村介護保険事業計画は、地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律第五条第一項に規定する市町村計画との整合性の確保が図られたものでなければならない。
8 市町村介護保険事業計画は、社会福祉法第百七条に規定する市町村地域福祉計画、高齢者の居住の安定確保に関する法律 (平成十三年法律第二十六号)第四条の二第一項に規定する市町村高齢者居住安定確保計画その他の法律の規定による計画であって要介護者等の保健、医療、福祉又は居住に関する事項を定めるものと調和が保たれたものでなければならない。
9 市町村は、市町村介護保険事業計画を定め、又は変更しようとするときは、あらかじめ、被保険者の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとする。
10・11 省略
現在は『第6期』で、来年度(2017年度)で計画期間が終わります。
そして、これから作り始めるのは『第7期』(計画期間は2018年度〜2020年度)になります。
計画どおりにいかないこともありますが、それでもすさまじく重要な計画なのです
毎回、全身全霊をこめて計画を作るのですが、なかなか計画どおりに実現しないことがたくさんあります。
また、実現しても、介護人材の不足は本当に重大なので、事業所が潰れてしまうことも多々あります。
例えば・・・
忙しさにかまけてブログには書けていないのですが、フジノにとって長年の悲願だった24時間対応型のサービス(『定期巡回随時対応型訪問看護介護』)を実施してくれる事業所が、今年2つも潰れてしまいました。
ずっと指摘してきたとおり、横須賀には『夜間対応型訪問介護』が存在しませんでした。そのことをフジノは強く問題視して導入を提案し続けてきたものの、どうしても実現できませんでした。
そんな中で、横須賀の地域包括ケアを実現する上で、新たな24時間対応型のサービスを導入することこそ絶対に不可欠なことでした。
2013年9月にようやく1ヶ所目がスタートし、2014年4月にはさらに2ヶ所がスタートしました。
まだまだ数は足りません。
それなのに、2ヶ所も潰れてしまったのです。
市の介護保険課と意見交換をしたのですが、比較的淡々と「仕方がない」と受け止めておられました。
でも、フジノは違います。「これによって、横須賀の地域包括ケアは、また後退してしまった」と感じました。
高齢者保健医療福祉を重要政策として取り組んできた政治家として胸がつぶれるくらいに悔しかったです。
特に24時間型サービスの本市導入へ誰よりも力を入れてきたフジノとしては「事業所が潰れてしまう前に状況を察知できなかったのか」とサポートしきれなかった責任を激しく感じました。
高齢であろうと、要介護度が高かろうと、医療ニーズがあろうと、誰もが自宅で安心して暮らせるまちにしたい。それがフジノの悲願です。
貴重な事業所が2つもサービス廃止となって、泣きたくなるくらい悲しいことでした。
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このように、計画通りにはいかないこともたくさんあります。絵に描いた餅になってしまうこともあります。
けれども『計画行政』といって、地方自治体ではまずは計画の中に『必ず取り組むべきこと』を書き込まなければ、予算化も事業化もできないのです。
だからフジノは、3年ごとの計画づくりにはいつも全力を尽くしています。
国が出す『指針』(介護保険法第116条)には細心の注意を払いますし、市の動きも本会議・委員会を問わず、あらゆる観点から指摘をします。今回も全力を尽くして横須賀の地域包括ケア実現に向けて働きます。
アンケートがあなたのお手元に届くかもしれません
計画づくりのスタートは、まず市民のみなさまへのアンケートでの生の声をお聴きしてニーズを把握することからです。アンケート調査を行ないます。
そこで、あなたのお手元に来週頃アンケートが届くかもしれません。
3年前、6年前にも同じお願いをしたのですが、お手元にアンケートが届いた方はどうかご回答していただきたいのです。
- 期間:11月15日(火)から12月15日(木)
- 対象者:11月1日現在で65歳以上の方の中から
① 要支援・要介護認定を有する高齢者 2,000名
② ①以外の高齢者 1,600名 - 方法:無記名式アンケート(無作為抽出による)をメール便で配達し、専用の返信用封筒により回収します。
- 内容:高齢者の日常生活実態、地域とのかかわり、認知症対応、終末期医療、介護予防、介護保険サービスの利用状況、将来のサービス利用希望など(①については59問、②については60問)
- 計画策定までのスケジュール(予定)
日程 | 内容 |
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2016年11月15日 | アンケート発送 |
2016年12月15日 | アンケート回収期限 |
2017年1~3月中旬 | アンケート集計 |
2017年3月末 | アンケート集計結果公表 |
2017年5月 | 社会福祉審議会における計画の策定開始 |
2017年10月 | 計画の中間のとりまとめ |
2017年11月 | パブリックコメント実施 |
2018年1月 | 社会福祉審議会からの答申 |
2018年3月 | 計画の完成 |
設問は約60問もありますから、お答えするのはけっこう大変です。
それでもこのアンケートが基礎資料となって、計画の事務局案が作られていきます。全てのおおもとになる大切な、大切なものなのです。
そして、ここから計画づくりがはじまり、計画が完成すれば、2018〜2020年度の横須賀の介護保険の取り組みが決まっていくのです。つまり、あなたのアンケート結果がこのまちの高齢者保健医療福祉を動かしていくことになる訳です。
だから、どうかご協力をお願いしたいのです。
よろしくお願いいたします!