(はじめに)
フジノはふだん『LGBT』という単語を使いません。人の数だけ性的指向・性自任はグラデーションのように様々であり、根本的に4種類の区分に押し込めるようなものではないからです。しかし『SOGI』に関する課題や取り組みを語る時、世間ではあまりにも『LGBT』や『性的マイノリティ』という単語が用いられるようになってしまいました。残念ですが、今回のブログ記事でも市役所の文書の記述どおりに『LGBT』という単語を使用します)
神奈川県内初、横須賀市でLGBT向け就活相談が毎月開催されます
これまで10年近く取り組んできたフジノの『SOGI』に関する様々な課題への提案が、また1つ実現することになりました。
本日、市民部長から下の報告がありました。
市内でLGBT向け就活相談が開催されます
LGBT(性的マイノリティ)の方に向けた就活相談が県内で初めて横須賀市で開催されることとなりましたので、お知らせいたします。
LGBT向け就活相談では、就職活動の悩みや不安にLGBTに理解のある就労支援者が、1対1で相談支援を行います。
なお、この相談会は、神奈川県主催、横須賀市ほか3市共催の『若者のための地域出張相談~就活なんでも相談~』の中の取組みとして実施されるものです。
記
- 実施内容
- 日程 平成29年4月から平成30年3月までの原則毎月第1水曜日(5月と1月のみ第2水曜日)
- 時間 16時から17時
- 場所 ヴェルクよこすか1階(横須賀市日の出町1丁目5番)
- 内容 キャリアカウンセラーによる相談、応募書類の添削、面接の練習など
- 対象 39歳までの性的マイノリティの方
- 申込方法
- 相談は原則事前予約制です。
- 申し込みは、希望日を『特定非営利活動法人ReBit』(info@rebitlgbt.org)へメールにてお申し込みください。
- 応募多数の場合は、お断りすることがあります。
- 空きがある場合は当日でも受け付けます。
【事務担当】
人権・男女共同参画課
下のチラシの方が分かりやすいですね。
『NPO法人ReBit』の力をお借りして、ようやく横須賀で就活相談の場を持てることになりました。『ReBit』のみなさん、よろしくお願いします。
市民部長、人権・男女共同参画課長をはじめとする現場のみなさん、ありがとうございます。
もしもあなたが声をあげてくれたらフジノが議会で提案して、実現します
2016年5月に開催した『横須賀市性的マイノリティ意見交換会』(公募した当事者の方々が横須賀市の『性的マイノリティ関係課長会議』メンバーと毎年意見交換をしています)で出た意見をもとに、フジノが2016年6月議会で取り組みを提案しました。
いわゆる性的マイノリティとされる方々が就職し、働き続けられるように本市がさらなる取り組みを実施し、市内事業者や関係諸機関と連携する必要性について
5月19日、『横須賀市性的マイノリティ意見交換会』を開いて、関係課長が当事者の方々と意見交換会を行いました。
過去3回の意見交換会では、すでに本市と接点のあるNPOなどの当事者の方々を参加者としてきたのですが、今回初めて当事者の方々を広く公募して、全く初めての方にも御参加いただきました。
様々な意見が出た訳ですが、過去3回と最も違いが顕著だったのは、就職、働き続けることに対してもっと本市が積極的に取り組んでほしいとの意見が多かったことでした。
そもそも雇用・労働は国・県の仕事との先入観から、僕は「いわゆる性的マイノリティとされる方々に関する雇用・労働政策は、国・県にもっと積極的に取り組んでほしい」と考えていました。
加えて、近年、NPOや企業によって、いわゆる性的マイノリティとされる立場の学生のための就職説明会などが開催されていることから、NPOによる積極的な取り組みに僕は期待していました。
しかし、今回、本市への期待の高さを知り、僕は深く反省しました。
改めて数回にわたり当事者の方々に意見を伺い、本市が取り組めることがまだ幾つもあることを率直に気づかされました。
この質問を通して、ぜひ市長にも問題意識を共有していただくとともに、さらに本市の施策を前進させるために質問します。
(1)本市は、いわゆる性的マイノリティとされる方々の相談を受ける5つの窓口をリーフレットやホームページで公表していますが、現在は就職や職場に関する相談窓口がありません。
すでに横浜市の男女共同参画センターの性別による差別などの相談においては、いわゆる性的マイノリティとされる方々の職場での偏見や差別に関する相談を受けていることを明示しています。
本市においても『市民相談室(社会保険労務相談)』や横須賀市産業振興財団の『働く人の相談窓口』などの労働に関する相談窓口でいわゆる性的マイノリティとされる方々が安心して相談できる体制をつくるべきではないでしょうか。
(2)『横須賀商工会議所』と連携して、会員企業に対していわゆる性的マイノリティとされる方々に対する正しい知識と情報を提供する機会を設けるべきではないでしょうか。
同時に、性的マイノリティという立場であるがゆえの就職に対する不安や企業に求められる配慮や対応について学んでいただく機会を設けるべきではないでしょうか。
(3)いわゆる性的マイノリティとされる方々に対して現在ハローワークではきちんと対応できる職員が全くいないとの声が大変多かったです。
今後の本市の『意見交換会』には『ハローワーク横須賀』や『ハローワーク横浜南』からも参加されるよう依頼すべきではないでしょうか、お答えください。
市長の答弁
市の労働相談窓口でいわゆる性的マイノリティとされる方々が安心して相談できる体制をつくるべきではないかという御質問をいただきました。
いわゆる性的マイノリティとされる方々が安心して労務相談を受けることができるよう、最初に受け付ける職員の意識啓発はもちろんのこと、相談の対応を依頼している社会保険労務士会等に理解と配慮をお願いしてまいります。また、個別の相談における課題は、多岐の分野にわたるケースが多いため、既存の相談窓口との連携を図りながら対応してまいります。
次に、横須賀商工会議所と連携した性的マイノリティとされる方々に対する正しい知識と情報を提供する機会について、また企業に求められる配慮などを学ぶ機会について御提案いただきました。
昨年度は商工会議所の『不動産部会正副部会長会議』で性的マイノリティの現状等を説明し、性的マイノリティ講演会の開催チラシを御案内して、情報提供を行ないました。
本年度は商工会議所との協議の上、全会員企業の方々に性的マイノリティに関する研修会の御案内を送付し、引き続き正しい知識を学習する機会の提供など、周知啓発に努めてまいりたいと考えています。
次に、今後の『意見交換会』にハローワークの職員にも参加するよう依頼するべきではないかという御提案をいただきました。
ハローワークは国の機関になるので、基本的には独自の取り組みを期待したいと考えています。
しかしながら、多くの市民が利用しているハローワーク横須賀には、本市の取り組みを情報提供していきたいと思います。
なお、ハローワークの職員の『意見交換会』への参加は、当事者のお考えをお聞きしながら検討していきたいと思っています。
フジノの再質問
性的マイノリティとされる方々と就職、就労、職場での相談についてです。
さらに市でできることを探ってほしいと僕は考えています。
今、御提案したことのほかに市でさらに実施できることはないか検討していただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
市長の答弁
性的マイノリティとされる方々へのまず相談体制を整えていくことというのは、今回御提案いただいた労働相談含めて、幅広い体制をとっていく必要があると考えています。
フジノの再質問
商工会議所へのアプローチについては大変感謝しております。
できればリーフレットの送付だけではなくて、当事者の方の生の声を聞いていただく機会も依頼して設けていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
市長の答弁
商工会議所、事務局も含め、いろいろな場所がありますので、当事者の声と一概にいっても、どういう形でお届けするのが適切かというのは、今ぱっとイメージしづらいところがあるのですが、当事者のまず御意向を確認して、そういった御意向があれば、商工会議所に少し投げてみたいと思います。
フジノの再質問
最後に、国・県との連携についてです。
『自殺対策連絡会』では、国・県の機関も参加しております。この問題についても、僕は自殺対策からスタートして、いわゆる性的マイノリティとされる方々の自殺念慮や自殺企図が大変高いというところから、この対策に乗り出しました。
ですから、やはり同じように国や県にも協力を求める必要があると思います。
明らかに横須賀市の方が先を行っている訳です。
ですから、横須賀市から国・県に働きかけて、ぜひこうした意見交換会に参加していただくように呼びかけていただければと思います。
市長の答弁
ハローワークを含めた職員の意見交換会への参加は、こちらも当事者の意向をまず確認した上で、ぜひというお話であれば、市から働きかけていきたいと思います。
フジノがこの質問を作るきっかけになったのは、ある当事者の方の声でした。
就職活動~職場での日々~待遇改善を求める活動~改善はされたもののバーンアウトして退職、その全ての過程をフジノはお聴きしていました。
さらに、先ほど記した2016年5月の『横須賀市性的マイノリティ意見交換会』の場においても、複数の方々から就職活動と職場での毎日に関するたくさんのご意見をいただきました。
もしも当事者の方が声をあげてくれたならばフジノは必ずそれを受け止めます。
そして、実現可能なあらゆる手段を用いて(本会議・委員会での質疑、市との交渉など)必ず実現に向けて努力します。
政治・行政の歩みは遅く、あなたからしたらスピード感の遅さに失望するかもしれません。
けれども歩みは遅くとも、必ずフジノは実現するまであきらめません。
だから、どうか声をあげてみてくださいませんか。それがとても勇気が必要な行動であり、簡単では無いことは百も承知です。
フジノと想いのある市職員の方々は必ず現実を良い方向に変えていく為に努力を続けていきます。
後日追記:神奈川新聞が報じてくれました
2017年4月5日の神奈川新聞が報じてくれました。
ありがとうございます。