昨日、突然「あいさつをしたい」との連絡を受けました
昨日、市役所から連絡を受けました。
「明日、藤野議員が教育委員会定例会の傍聴をされた後、少しお時間いただけませんか。教育長から藤野議員にご挨拶に伺いたいとのことです」
と言われたので、問い返しました。
「お会いする理由は何ですか?」
「今は申し上げることができません」
そこで改めて、問い返しました。
「その挨拶をする相手というのは僕だけですか。それとも市議会の全議員に対してですか?」
「藤野議員だけでなく、全議員を回るようです」
との返答でした。
このやりとりですでにフジノは、『教育長が挨拶をしたい理由』を察しました。
新しい市長へ交代して、そしてこのタイミングで「全議員を回って挨拶をしたい」となれば1つしか理由はありません。
『辞任』です。
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フジノは教育委員会定例会の傍聴後にすぐに別の仕事があるので、ご挨拶を受けることは丁寧にお断りをしました。
「今日の教育委員会定例会が、青木教育長にとっては最後の晴れ舞台になるのだろうか」
と考えながら、けさの定例会を迎えました。
午後、全議員宛に報告がありました
教育委員会定例会が終わった後、フジノは仕事で東京都内へ向かいました。
15時過ぎに、全議員宛の連絡がありました。
以下の文書が報告されました。
何の理由も記されていない、1行だけの報告です。
平成29年(2017年)7月21日
市議会議員 様
教育委員会
青木教育長の辞職について
標記について、平成29年7月31日をもちまして、青木教育長が辞職いたしますのでお知らせいたします。
事務担当:教育委員会事務局 教育総務部 総務課
同じように、横須賀市のホームページにも1行だけの報告が掲載されました。
これだけの文章を読んで、市民のみなさまはどうお感じになったでしょうか。
前市長が誤った人事を行ない、ご本人も学校現場も混乱し苦しんだ3年半でした
そもそもフジノは、現教育長の就任に強い反対を示しました。
市議会では、人事案件については質疑をしないという不文律(文章でルール化されていない紳士協定)がありました。
しかし、あえてそれを破りました。
吉田前市長が人事議案を出した時に、市長に対して教育長の職責にふさわしい方では無いという立場で、厳しい質疑を行ないました。
フジノの強い反対にもかかわらず、2014年2月1日付けで就任することになりました。
それから3年6ヶ月。
前市長による誤った人事によって、横須賀の児童生徒たちは『学力テスト』も『体力テスト』も全国平均を下回り続けました。
そもそもこどもたちの『学力』も『体力』も、衣食住・生活習慣・家庭環境が安定していれば向上していくものです。
けれども、横須賀の生活困窮世帯の中学生たちはお昼ごはんを食べることもできませんでした。
こどもの貧困にしっかりと向き合おうとしてこなかった訳で、『学力』も『体力』もアップしないのは当然の結果です。
さらに、『いじめの被害』にあうこどもたちの多さ(2015年度、小学校240件、中学校160件)、『不登校』になってしまうこどもたちの多さ(2015年度、小学校127名、中学校480名)。
横須賀のこどもは危機に晒され続けてきました。
教職員による信じられないような体罰(体罰という名前は生ぬるく、『暴力』です)も無くなりませんでした。
さらに『体罰』を隠す傾向さえあるのです(中学校教職員が生徒を体罰で負傷させた上に不適切な発言を行なった為に県教育委員会が1月に懲戒処分を決定したが、本件を教育委員会定例会にも市議会にも報告さえしていない)。
また、放射性物質に汚染された高濃度の除染土を、学校の敷地内に埋めたままにし続けました。
「8000ベクレルを超える除染土は無い」という虚偽答弁をフジノに行ないながらも、測定した結果、1万数千ベクレルを超えた除染土の存在が明らかになった後も「虚偽答弁ではない」と言い張り続けました。
フジノは学校教職員の方々と勉強会を続けています。
残念ながら、こうした現場の先生方から教育長への信頼は最後まで得られませんでした。
ハッキリと申し上げます。
このような教育行政を進めてきた教育長は、全く不適格だったと申し上げざるをえません。
こどもたちと向き合う仕事には全く向いていない方を、前市長が自らのイエスマンを就任させたが故に、横須賀のこどもたちはより良い教育を受ける機会を逃しました。
前市長の責任は極めて重いと言わざるをえません。
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今回の退職の理由は、知りません。
上地市長のお考えなのか、あるいは、前市長に任命されたので自らお辞めになることを決めたのか、知りません。
フジノはこれまでの教育長の発言の数々から、市民から罷免要求があってもおかしくないと感じてきました。
これで良かったのだ、とハッキリと申し上げます。
こどもたちがいつも一番大切にされる教育へ横須賀は生まれ変わらねばなりません
これから、横須賀の教育を大きく変えていかねばなりません。
こどもたちがもっともっと衣食住・生活習慣を安定してこのまちで成長していかれるような教育に変えていかねばなりません。
保護者のみなさんは教育委員会のことを全く身近に感じておらず、市民に開かれた教育委員会だと全く感じていない現状を変えていかねばなりません。
教職員のみなさんの過重労働は、もはや過労死ラインを超えています。教職員のみなさんがこどもたちと向き合える心理的・肉体的・時間的な余裕が持てる労働環境に変えていかねばなりません。
横須賀の教育は、危機的状況にあります。
大きく変えていかねばなりません。
教育行政のリーダーがこどもたちのことを常に一番大切に考える方でなければ、絶対に教育は変わりません。
前教育長おひとりに責任をおしつけるつもりはありません。
しかし、リーダーの姿勢をみて教育委員会事務局や学校現場は変わります。
もっとこどもたちが健やかにのびのびと暮らしていかれるように、
どのような家庭に生まれてもこの厳しい社会を生き延びられるように、
横須賀はこどもたちを守り育てていく教育行政を進めていく為に、
どんな時であろうとも絶対こどもたちを一番大切にする。
そんな方を新しい教育長に任命してほしい、と上地市長に強く期待します。