4年ぶりの再演「Here’s your World!横須賀美術館の夜」へ
夕方から、衣笠のはまゆう会館へ向かいました。
『横須賀市民ミュージカル(SUKAミュー)』によるミュージカルを鑑賞する為です。
タイトルは、『Here’s your World!〜横須賀美術館の夜〜』。
そうです、4年前に上演されたあの作品が再演されることになったのです。
ふだんフジノは、同じ作品を2回観ないことにしています(人生は短い一方で、観るべき作品は無限ですから)。
けれども今回は、特別な事情がありました。
先日開催された『Yokosuka子ども食堂』の縁日でのこと。
ひとつのテーブルで一緒にごはんを食べた子から、『SUKAミュー』に出演するから観に来てね、とお誘いを受けたのです。
見知らぬフジノとごはんを食べることに、はじめはちょっと距離を感じていたみたいだったのが、『SUKAミュー』のお話で一気に距離が縮まりました。
「おじさんね、このミュージカルを前にも観たことがあるんだよ」と話すと、これまで半年以上ずっと歌と踊りを一生懸命練習してきたのだ、と身振り手振りで教えてくれました。
僕には、こどもがいません。
だから、全てのこどもを自分のこどもなのだと考えて生きてきました。
「お仕事が無かったら行けるかもしれないかなあ」と答えると、「来てね」と念押しをされてしまいました。
これは仕事をやりくりして絶対に行かねば、と心に決めました。
そして今日に至りました。
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作品のストーリーでも、親子の絆が描かれています。
あらすじ
主人公は、小学6年生の女の子ミキ。お母さんと家で喧嘩をしてしまいます。
横須賀美術館では、絵本の企画展示が行なわれています。
ミキは美術館に忘れ物をしてしまいました。そこで、夜の美術館に取りに戻ると・・・
絵本の登場人物たちが絵本から飛び出て歌ったり踊ったりしていました!
今夜は皆既月食。たくさんの事件が起こります。
さてさて、どうなることやら。
ネタバレを避けてあらすじを書いたら、逆にストーリーが全くわからなくなってしまいました(汗)
とても楽しいミュージカルでありながら、親と子の愛情、人が人を大切に思うこと、それを言葉や行動に移すことの大切さが描かれています。
15年以上も続いている、市民による手作りのミュージカルです
ところで『市民による手作りのミュージカル』というと、その実力は素人レベルなの?と思う方もいらっしゃるかもしれません。
いえいえ、すごい実力なのです。
あらゆる年齢(本作についていえば、小学校2年生から69才までにわたりました)の方々が集って、公演の半年以上前から猛練習を繰り返した末に、歌も踊りもみんな高い実力を持っているとフジノは感じています。
2001年にスタートした活動の歴史は以前のブログに記しましたので、こちらでは省略します。ただ、休止期間ものりこえて15年を超える歴史を持つその活動はダテではありません。
Youtubeにアップされていた、団体の紹介動画をご紹介しますのでぜひご覧下さいね。
下の動画は、同じ『Here’s your World!〜横須賀美術館の夜〜』なのですが、ややストーリーが異なる別バージョンです(実際は2時間近くの作品を20分程に、物語も大きく変更されています)。
4年ぶりの舞台はグレードアップしていました
4年前と比べて、かなりグレードアップしていました。
やはり、舞台装置の違いが一番はじめに目をひきました。演劇はセットが無くても成立するものではありますが、今回は4年前と比べてセットが作り込まれていて、作品の世界に気持ちが入り込みやすかったです。
また、ミュージカルなので歌を歌うシーンがたくさんあるのですが、ステージの幕に字幕を映し出したり、とてもおもしろい試みが良い効果を生んでいたと思います。
しかし何よりもグレードアップしていたのは、個々の役者の実力だと感じました。
ひとりひとりの発声と滑舌はとても良かったです。
はまゆう会館の音響の良さもあるのかもしれませんが、小さな役者さんも大人たちに決して負けない声量でフジノはとても驚かされました。
そして、主役にライトが当たっている時の、主役以外の演技もしっかりしていました。ついクセでフジノはいつも『主役以外の存在』を観てしまうのですが、たくさんの人々がステージにあがっているようなシーンでも、みんながそのシーンに没入して演技をしていることに目を奪われました。
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フジノが今夜足を運ぶきっかけとなった小さな役者さんの演技も歌も、とても良かったです。
見事に役を演じきっていましたし、何よりもとても楽しそうでした。
その小さな役者さんは、僕に「来てね」と約束をしたことなんて憶えていないかもしれません。
でも、僕はこどもたちとの約束だけは絶対に守ろうと決めているのです。それが単なる自己満足かもしれなくても。
フジノは2日間の公演の初日、夜の回に鑑賞しました。この回は当日券が出ていましたが、明日はすでにかなり前売り券が売れているようです。
もしも当日券が出るようならばツイッターなどでお知らせがあるはずなので、ご関心のある方はぜひチェックしてみて下さいね。
2018年はぜひOB・OG公演に足をお運び下さい!
残念ながら、来年2018年は『SUKAミュー』そのものの公演はお休みするそうです。
でも、OB・OGによる公演がすでに企画されているので、ぜひ来年はこちらをご覧いただきたいと思います。
フジノは、元・東宝の社員なので、映画・演劇には毎日必ず触れて生きてきました。
倍率3000倍の会社に就職できたくらいですから、それこそ本当に幼い頃からずっと映画やミュージカルを愛してきました。
自分自身が演じる側に回ったことはありませんが、演じる人々を常に応援してきました。そして、それ以上に裏方の仕事をリスペクトしています。
今も変わらずに、公人としても私人としても映画・演劇に関わる活動を心から応援しています。
『SUKAミュー』だけでなく、このまちには俳優の卵がたくさんいて、それを応援する機会や場所がたくさんあります。
フジノ自身はできないのですけれど・・・ぜひあなたも『観る側の人』から『演じる側の人』にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
後日追記
翌日の神奈川新聞が報じてくれました。
こちらのリンクをご覧くださいね。