決算審査スタート、今日は健康部の審査でした
今日の決算審査は、健康部でした。
健康部の所管はとても広いです。
例えば、フジノの重要政策である自殺対策や精神保健福祉や感染症対策に取り組む保健所は、健康部の所管です。
市内唯一の火葬場である中央斎場も健康部の所管です。
さらに、市民病院とうわまち病院も健康部の所管です。
地域包括ケアのうち、在宅療養や在宅看取りも健康部が所管しています。
このように所管が広い為、健康部の予算・決算に対するフジノの質問は毎回とても多くなる傾向があります。
今日の教育福祉常任委員会でも、たくさんの質問をしました。
その中から今日のブログでは、『死産』への『グリーフケア』『ビリーブメントケア』の為の取り組みの提案をご紹介します。
毎年こんなにたくさんのこどもたちの死が存在しています
下の表は、市の資料をもとにフジノが作りました。
横須賀市の火葬場で扱った『死胎』『12歳未満』の人数を表にしました。
『死胎』とは、妊婦さんのお腹の中で亡くなった赤ちゃんのことです。つまり、『死産』にあたります。
死肢 | 市内 | 市外 | 合計 |
---|---|---|---|
2016年 | 53件 | 9件 | 62件 |
2015年 | 44件 | 12件 | 56件 |
2014年 | 36件 | 13件 | 49件 |
2013年 | 39件 | 13件 | 52件 |
2012年 | 51件 | 4件 | 56件 |
2011年 | 51件 | 10件 | 61件 |
2010年 | 96件 | 20件 | 116件 |
2009年 | 156件 | 19件 | 175件 |
2008年 | 152件 | 29件 | 181件 |
毎年、本当に多くの赤ちゃんがお母さんのお腹の中で亡くなって、天使になって天国に帰っていきます。
12才未満 | 市内 | 市外 | 合計 |
---|---|---|---|
2016年 | 11件 | 2件 | 13件 |
2015年 | 6件 | 2件 | 8件 |
2014年 | 14件 | 2件 | 16件 |
2013年 | 6件 | 2件 | 8件 |
2012年 | 13件 | 0件 | 13件 |
2011年 | 10件 | 1件 | 11件 |
2010年 | 8件 | 2件 | 10件 |
2009年 | 14件 | 1件 | 15件 |
2008年 | 12件 | 2件 | 14件 |
元データが件数という単位の為に『件』と記しましたが、本当ならばフジノは『人』と記したい気持ちです。
生まれることなくお母さんの胎内で亡くなったとしても、それは『人』だとフジノは受け止めています。
ましてや12才未満で亡くなったこどもたちについては「件数表示はおかしいだろ」という気持ちがさらに強くなります。
ただ、統計として12才以上も全て統一表記で『件数』としている為、どうかお許し下さい。
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こんなにも、たくさんの死産が毎年起こっている。
こんなにも、12才未満のこどもたちが亡くなっている。
こうした実態は、世間には全く知られていません。
人の生き死にをテーマにしている政治家としてフジノは、いつもこうしたデータを見つめてきました。
そして、ご遺族のお気持ちを想っては胸が苦しくてたまりませんでした。
さらに、お子さんを亡くした方々にお話を聴かせていただくと、ほとんどの場合、何のケアも受けておられないことが分かりました。
適切なケアを受けなければ、妊産婦さんやそのパートナー、またご家族たちは、とてもハイリスクな状態へと追い込まれてしまいます。
何のケアもなされてこなかった現状は、変えねばなりません。
フジノには『死産』や幼くして亡くなることそのものは無くせません(医学の進歩を祈ってやみません)。
それでも、政治家としてやるべきことがあると強く感じるようになりました。
『グリーフケア』『ビリーブメントケア』の必要性はこれまでも訴えてきました。
しかし、これからは具体的な政策として提案を行なっていくことに決めました。
今日の提案は、そんな想いから行ないました。
市内唯一の火葬場・中央斎場へ提案をしました
かつて市内には2つの火葬場(浦賀・中央)がありましたが、現在は中央斎場に統合されました。
その市内唯一の火葬場である中央斎場を所管している健康総務課に以下の提案をしました。
2017年10月2日・予算決算常任委員会教育福祉分科会・健康部への質疑
フジノの質問
決算書には、中央斎場においてどれだけの方がおいくつで、あるいは生まれてこれずに『死産』の状態で火葬場に来ているという数が毎年計上されています。
それを見るにつけても感じていたことなのですが、『死産』により胎児の火葬に来られる御夫婦に対するメンタルヘルスのケアの必要性を感じております。
保健所健康づくり課などの相談窓口のチラシを中央斎場に置くことができないものなのか。
健康総務課としては、どんなふうにお考えでしょうか。
健康総務課長の答弁
ただいま御質問いただきました、中央斎場での死胎の件数が、平成28年、市内市外合わせて62件ございます。
今、御質問いただいたことについて、現在の取り組みというのはありませんので、健康づくり課と調整を図りたいと思います。
フジノの質問
ありがとうございます。
同じく、『死胎』、死産の子だけでなく、10代の子どもたちを亡くした保護者の方に対する当事者会の紹介ですとか、健康づくり課の相談窓口などの紹介も御検討いただけたらと思っております。
質疑応答は以上です。
健康総務課長はとても前向きで、即座に検討を始めて下さるとのことでした。
今後の動きをご報告していきます。
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『流産』『死産』によって天使ママ・天使パパになった方々の声を、フジノは政治家としてたくさん聴かせていただいてきました。
今までは自分の中でどのようなアクションを取れば良いのか、悩んでいました。
発言をすることでより悲しみを大きくしてしまわないか、そんなことを考えては逡巡していました。
けれども、ハッキリとやるべきことが自分の中で明確になりました。
これからは積極的に発言をしていきます。
もしも天使ママ・天使パパやご家族の方々でご意見をうかがえる方がおられたら、いつでもフジノにご連絡ください。
後日談その1
健康総務課長のアクションはとても早く、配架がすぐに実現しました!
中央斎場では3カ所で『横須賀こころのホットライン』が置かれています。
タクシーの電話番号やバスの時刻表など他の案内が貼りだしてある所にさりげなく置かれているので、冊子を見たり手にとっても他人から気付かれにくくなっています。
とても良い置き方だと思います。
提案者のフジノとしては、どうかこの冊子を手に取るとともに、実際に相談につながっていてくださることを祈ってやみません。
後日談その2
2018年度予算案を審査する予算委員会で、フジノは改めて質問をしました。
その結果、2018年度もこの取り組みを継続する方針との答弁を受けました。
どうかこの取り組みがずっと続いてくれることを祈っています。