(前の記事から続いています)
市長は「ポピュリスト」では無く「成果を出す存在」であるべきという8年越しの想い
3番目の質問は、市長というたった1人しかいない存在の『行動スケジュールの在り方』について問題提起します。
神奈川新聞には県知事をはじめ県内首長のスケジュールが掲載されています。
毎日見ているとすぐに気がつくことは、横須賀市長は他の街の首長と比べて、細かな市内イベントでの来賓挨拶や来客数が圧倒的に多いことです。
これらは、財政危機の上に人口減少が止まらない横須賀の市長が本当に今どうしてもやらねばならない仕事でしょうか?
実は、この質問は8年前に吉田雄人前市長が当選した時に全く同じ質問をしています。
フジノはこのように提案をしました。
しかし、市民の皆様は、マニフェストの実現を望んで、吉田候補に投票したのであって、式典への出席などで貴重な4年間がどんどん浪費されていくことを、市民は求めていない事実を市長は自覚すべきです。
これまでの歴代の市長が出席していた会合への出席を取りやめれば、確かに失望されるでしょうが、それこそ市長は説明責任を果たすのです。「セレモニーに顔を出すのは、自分のなすべき仕事ではなく、選挙で市民に負託されたマニフェストを一秒でも早く実現し、希望ある未来へチェンジするのが私の仕事なのだ」と。
既存の団体や組織とはしがらみのないあなたにしかこの言葉は言えないはずです」
そういう場に行って、常に「市長、市長」というふうにもてはやされることが非常に問題だと僕は考えています。
あらゆるしがらみを断ち切る、それがあなたの政治心情とし立候補されたのだと僕は信じておりました」
このように厳しく述べたにもかかわらず、結局8年間、吉田市長は全く逆の行動を取り続けました。
各町内会、市民団体、中小企業、福祉事業所など、市長自ら足を運べば、人々は自分たちが市長に重視されているように感じ嬉しく思うのは当たり前です。
今年参加したら来年も参加することを期待するのは当然で、欠席されれば軽んじられたり忘れられたように感じるものです。
ここ数年間のフジノは、率直に申し上げて「前市長はこうした人々の抱く心理を悪用して、公務に名を借りた選挙対策をしているのだ」と受け止めてきました。
来客の多さも全く同じ理屈です。
職員の頭を超えてじかに市長に会いたい人は多く、何らかの陳情を市の担当者に話すよりも係長・部長も飛び越えて最終責任者である市長に伝えてその陳情を叶えたいと考えるのは、やはり人の心理として理解できます。
そうした人々の抱く心理につけこんで、フットワーク軽く会いに来てくれる市長、会いたい時に会える市長というのは、政治と市民の距離を縮めている素晴らしい市長に見えたことでしょう。
しかし、違います。
住民ニーズを把握する為に現場に足を運び生の声をお聴きするのは、本来、市の担当者・係長らの役割です。
まるで水戸黄門や遠山の金さんのように、住民をなかなか理解してくれない市の担当者を超えて行政トップに陳情して何かが実現できるとしたら、市役所組織は必要がありません。
同時に、市長個人の人気は高くなるでしょうが、住民ニーズを汲み取る力をはじめ、市職員の能力を全く成長させません。
本来、担当者、係長こそが必ず細かな行事や現地現場に足を運び、市民の皆さまの生の声を常に耳を傾けてニーズを把握すること、ともに考える事が必要なのです。
こうして市民や市内で時間を費やせば、当然ながら政府や官公庁への陳情をはじめ、国会議員や県議会議員との連携、横須賀市の魅力を市外・県外へ宣伝しに行く時間はどんどん減っていきます。
財政の厳しい横須賀市が実現したい政策は、国や県の協力なしにはとても難しいですし、トップセールスによってしか実現できない民間企業や他都市との政策や連携も実現できなくなります。
市内では高い人気を誇り、選挙だけは圧倒的に強いにもかかわらず、全国ワースト1位の人口減少を招き、あらゆる問題解決が進まず、成果がほとんど無い空白の8年間が続いたのが前市長時代でした。
7月、市長が変わりました。
フジノは上地市長の就任から約5ヶ月、市長スケジュールを毎日チェックしていますが、休暇はほぼありません。
前市長と同じように細かい市内行事への出席が多く、また来客もとても多いことが、大変に残念です。
上地市長には、同じ過ちを絶対に繰り返さないで頂きたいのです。
そこで行なうのが、下の質問です。
3.上地市長の行動スケジュールの作成基準を抜本的に変える必要性について
歴代市長が動かせなかった国道357号の延伸が上地市長によって動き出したが、貴重な4年間の任期はこうした成果を出す為だけに使っていただきたいと私は願ってやまない。
神奈川新聞には県内首長のスケジュールが掲載されているが、横須賀市長は県内他市の首長と比べて、細かな市内イベントでの来賓挨拶や来客対応が圧倒的に多い。
当然、これでは政府や官公庁への訪問、国会議員や県議会議員との連携、横須賀市の魅力を市外県外へ発信するために出張する時間はなくなる。
財政の厳しい横須賀市が実現したい政策は、国と県の協力なしには難しいし、市長によるトップセールスでしか実現できない民間企業や他都市との連携も実現できなくなる為、現行のスケジュールのあり方は見直すべきだ。
8年前の平成21年度第3回定例会の吉田雄人前市長の初当選後の最初の質問においても私は全く同趣旨の提案を行なったが、前市長は最後まで変えようとしなかった。
上地市長は、市内行事への出席や来賓挨拶は特別な周年行事などを除きお断りし、来客対応も絞るべきだ。
そして、国・県とのパイプを生かして『横須賀復活計画』の実現のために、たった1人しか存在しない市長にしか実行できない行動や重要な政策決定の為にこそ多くの時間を充てるべきだ。
市長の行動スケジュールが決定されるプロセスは、まず各部局から依頼が出されて、それらを秘書課の担当者・係長・課長らがまとめて、一定の基準に基づいて試案を作る。
【質問】
この秘書課によるスケジュールの作成基準を抜本的に改めて、市長の行動スケジュールの優先順位を変えるべきではないか。市長はどうお考えか。
質問は以上です。
フジノの質問がいつになるかその順番は、11月28日の議会運営委員会で決まります。