今日のフジノの2つの心配事
今日ずっとフジノは心の中に2つのことが気になっていました。
1つ目は、本会議での自分自身の一般質問がどうなるか。
2つ目は、今日提出される学校給食運営協議会の『給食費の額についての答申』がどうなるか。
一般質問はフジノ自身が全力を尽くせば良いだけですが、答申はどうなるか心配していました。
11月17日の教育委員会定例会について書いたブログ記事でもご報告しましたが、横須賀の小学校給食の現状はとても厳しいものがあります。
長年、給食費の値上げから逃げてきた為に、材料がどれだけ値上がりしても献立に知恵を絞って何とかして栄養価を良いものにしようと栄養士のみなさんががんばってきました。
でも、当然ながら限界でした。
そして、国の基準・県の平均の栄養価よりも、横須賀の小学生たちは摂れている栄養レベルが下回っているのです。
上の3つの表は先日のブログでもお示ししましたが、ほとんどの栄養素において、国基準と県平均を横須賀の給食は下回っています。
フジノはこどもの貧困を解決する為に中学校給食の実現を訴えましたが、すでに給食を実施している小学校給食もいろいろな問題があります。
いろいろな問題を1つずつ解決すべく提案をしてきましたが、栄養価の改善も本当に切実な問題です。
その解決の為に、率直に、こどもたちの栄養を改善する為にフジノは給食費を500円値上げすべきだと考えています。
そして、機会があるごとに学校給食担当課長や学校教育部長らに対して
「生活習慣病・要介護にならない為にも生涯を通じた栄養・運動・睡眠が大切で、お母さんのお腹の中に赤ちゃんがいる時からの取り組みが本当は一番大切です。
小学校の給食も生涯を通じた健康政策の重要な取り組みです。
市民の反発を恐れて給食費の値上げからずっと歴代市長は逃げてきましたが、絶対に今回はダメです。
必ずこどもたちが国・県レベルの栄養を摂れるように、給食費は500円まで値上げをすべきです」
と訴えてきました。
『値上げ』という響きにはネガティブなイメージがあるので、政治家は言いたがりません。
けれどもフジノは大切なことは大切だと市民のみなさまにご説明をして、そしてご理解を頂きたいのです。
もしも給食費が500円値上がりしても、生活保護世帯・低所得世帯は生活保護と就学援助によって公費の支援が入ります。
実際に値上げを受ける中~高所得世帯のみなさまには、どうか外で飲む1杯のコーヒーを毎月1度ガマンして500円をこどもの栄養の為に捻出して頂ければとお願いいたします。
その1杯のコーヒー分の金額で、こどもの食事がまともな栄養価に改善されるのです。
そんなことを、お会いする市民のみなさまにお願いして回っていました。
ただ、今日の答申がどのような内容になるかは、分かりませんでした。
「答申」が出ました!
本会議が終わった後、フジノは教育委員会に答申について尋ねました。
「無事に教育長へ提出されましたよ」
とのことなので、さっそく写しを頂きました。
下がその全文です。
横須賀市学校給食運営審議会
委員長 鈴木志保子
平成30年度の給食費の額について(答申)
本審議会は平成29年10月10日に、横須賀市教育委員会より平成30年度の給食費の額について諮問を受けました。
本審議会では慎重に審議を行なった結果、下記のとおり答申いたします。
記
答申
学校給食は、児童生徒の心身の健全な発達の為、安全・安心で栄養バランスのとれた食事を提供することにより、健康増進を図るとともに、正しい食習慣の形成、好ましい人間関係の育成等『食育』の分野も担っており、教育活動の一環としても非常に重要なものです。
また、『子どもの貧困』が社会問題となる状況において、給食の意義は、高まってきていると考えます。
しかし、横須賀市では平成21年4月に現在の給食費の額に改定してから給食費の額を据え置いている一方で、小学校給食においては、原材料等の価格が上昇し、金額に見合った給食の提供となっており、給食からとれる栄養価は下降傾向にあると認識しました。
また、このような厳しい状況に対して、少しでも栄養バランスの整った食事を提供する為に、横須賀市の学校給食は、食材の種類を変えたり、1回の食材の使用量や種類を減らしたり、デザートの回数を減らすなどの『献立の工夫』で対応しているという説明を受けました。
しかし、この対応も栄養価の維持を考えた場合には限界の状態であること、さらに物価が上昇した際には、現在の学校給食の水準さえ維持できないことが予想されます。
その為、現行の給食費では児童への栄養バランスの整った給食の継続的な提供は困難であり、給食費の改定を行うことはやむを得ないとの結論に至りました。
審議の過程では改定額についても議論いたしました。
横須賀市の給食から摂取できる栄養価を見ると、エネルギーやカルシウム、鉄など重要な栄養素が国の基準や県の平均を下回っています。
審議会ではこの状況を重く受け止め、給食から摂取できる栄養価を週あるいは月当たり平均して、少なくとも県の平均以上に、できる限り国の基準まで高める必要があるという結論に至り、その為には給食費の額を別表のとおりとすることが妥当と考えました。
中学校給食については、現在牛乳のみの提供で定額7700円としていますが、平成30年度は改定要素が無いことから給食費の額を据え置き、完全給食実施時に見直すのが妥当であると確認しました。
なお、本答申を受け、給食費を改定する場合は保護者に対する説明を丁寧に行なうよう申し添えます。
また、給食の献立作成にあたっては、安全・安心でおいしい食材の使用を第一に考えた上で、栄養価に重点を置き、必要に応じて安全性担保の確認を前提に、安価な外国産の食材の一部使用や、栄養価を高めた食材・食品の活用など今まで以上の工夫を求めます。
さらに、家庭における栄養バランスの整った食事の提供について保護者と協働で子どもの良好な発育発達を進めていくことを求めます。
本答申により横須賀市の学校給食がさらに充実することを期待します。
*答申中の赤文字はフジノがつけました。
議論の過程では3つの案がありました。
案 | 内容 |
---|---|
1 | 給食費すえおき |
2 | 1食単価10円(月額100円)の値上げ(現状の栄養価維持の献立) |
3 | 1食単価30円(月額500円)の値上げ(国の基準まで栄養価を高めた献立) |
その中で、最もハードルが高いけれどフジノが実現したいと願っていた、500円満額の値上げで答申されています。
ホッとしました。良かったです。
市民のみなさまにとって、特に現在おこさまを小学校に通わせている世帯の方々にとっては値上げはつらいニュースかもしれません。
それでもどうかご理解いただきたいのです。
この値上げは、本当に大切な値上げなのです。どうかご理解をいただきたいです。
これからのスケジュール
今日はあくまでも『答申』が出ただけです。値上げが決定した訳ではありません。
この後の予定は、以下の通りです。
時期 | 内容 |
---|---|
2017年12月8日 | 12月議会で特別委員会に報告 |
2017年12月15日 | 教育委員会定例会で審議(教育委員会の『給食費案』が決定) |
2018年1月上旬 | 総合教育会議で『給食費案』について協議 |
2018年1月中旬~ | 保護者等への周知 |
2018年2~3月 | 3月定例議会で2018年度予算案審議 |
2018年3月 | 予算案の審議を経て『横須賀市給食条例施行規則』制定(給食費の額が正式に決定) |
2018年4月1日 | 『横須賀市給食条例施行規則』施行 |
もしもストレートに『答申』どおりとなれば、来年4月から小学校の給食が改善されることになります。
値上げは確かに市民のみなさまにはご迷惑をおかけすることです。
けれども、どうかこどもたちの摂るべき栄養価を守る為に、それが将来の生活習慣病・要介護への予防の1つでもあるということを、どうかご理解下さい。
どうかこどもたちの健やかな成長の為に、どうかご理解をお願いいたします。