「よこすかひとり親サポーターズひまわり」が生まれた訳
2009年4月に立ち上げられた『よこすかひとり親サポーターズひまわり』。
創設のきっかけは、さらにその2年前にさかのぼります。
横須賀市が2007年から2年間にわたって開催した『ひとり親家庭等自立支援の在り方検討会』という審議会があります。
2003年の初当選以来、ひとり親家庭の支援はフジノの重要テーマとして本会議・委員会でも質疑を続けてきました。
当然ながらこの審議会についてもフジノは2年間にわたる全てを傍聴しました。
しかし、最終的に出された『報告書』はとても納得ができるものではありませんでした。
この審議会に、当事者の立場として2人の方(シングルマザーの立場から1人、シングルファーザーの立場から1人)が委員として参加していました。
それは、委員として参加したおふたりも同じ気持ちだったのだと思います。
「行政だけに任せていても何も変わらない」
そして、おふたりは『よこすかひとり親サポーターズひまわり』を立ち上げました。
行政主導ではなく当事者主体のピアサポートは大きな力に
審議会の開催中から、フジノはおふたりに強いシンパシーを抱いていました。
フジノにとって、おふたりはまさに『戦友』です。
そのおひとりである、シングルファーザー代表の立場として出席されていたMさん。
『ひまわり』では事務局長として、その活動を縁の下の力持ちとしていつもしっかりと支えて下さいました。
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今でこそ、ひとり親家庭の当事者会は全国組織をはじめ、たくさんのグループが立ち上がっています。
けれども10年前は、全国的にほとんど当事者組織がありませんでした。社会資源も数えるくらいしかありませんでした。
『ひまわり』の活動は、時代の先駆けとして市内外で重要な役割を果たしてきました(立ち上げ当初から現在に至るまで、市外・県外からの問い合わせもたくさんあります)。
ありとあらゆるニーズを汲み上げて、『ひまわり』は活動を行なってきました。
「なかなかひとり親家庭のこどもたちはBBQやキャンプをする機会が無いから・・・」
と、泊りがけのキャンプやBBQ大会を開いてきました。
「忙しくてなかなかリラックスできない、リフレッシュしてほしい」
と、キッズヨガ&ママヨガ教室まで開催してきました。
こどもたちがとっても楽しそうに過ごしている姿をフジノはいつも本当にうれしく見守ってきました。
ある年のBBQ大会にはなんと100人以上も参加し、大盛況に終わりました。
こうした派手な取り組みに目がいきがちですが、事務局長としてMさんは本当に地味で地道な活動こそ大切にし続けてくれました。
『ひまわり』の最大の武器は、『交流会』です。
こどもたちを保育に預けて(フジノはいつも保育担当です)シンママ・シンパパがその思いのたけを率直に語ることができる場です。
行政主導で開催していた時(もちろんフジノも参加していました)には、全然、生の声を発言できなかった当事者のみなさん。
それが『ひまわり』の『交流会』に来ると、みなさん、本音を語れるのです。
初めて参加した時には、真っ青な顔で言葉も出ない、そんな方々がたくさんいらっしゃいます。
けれども『ひまわり』に参加して1年が経つ頃には、笑顔でリカバリーする姿をたくさん見てきました。
知らない大人たちに怯えて親御さんの後ろに隠れていたこどもたちが、今では元気に走り回っている姿や成長して大きくなっていく姿に、フジノはいつも棟が熱くなりました。
『ひまわり』の持つ力=当事者(ピア)の持つ力の強さをこの10年間にわたってフジノは実感し続けてきました。
『ひまわり』は現場で常に当事者のみなさんに寄り添い続けてくれました。
そんな『ひまわり』の存在と活動にいつも励まされて、フジノは市議会でひとり親家庭の支援を訴え続けることができました。
「市民活動」は「担い手」が交代してこそ永続できるものだから
しかし、忘れてはならないことがあります。
このような素晴らしい活動をして下さっているのは、ふつうに暮らしている市民の方々なのです。
フジノのように報酬をもらいながら仕事として活動をしている訳では無いのです。
そして、ひとり親のまさに当事者なのです。
自らもとても大変な状況の中にありながら、仕事を終えた夜や休日を費やして、ボランティアとして何の報酬も受け取れる訳でもなく、活動を続けて下さっているのです。
どれほど素晴らしい活動であっても、最も大切なのはご自分の人生です。
当事者活動(市民活動)は、リーダーやメンバーが代替わりしてこそ、健全で長続きしていくものだとフジノは信じています。
本日開かれた総会で、事務局長Mさんが今期末(3月末)をもって退任されることが決まりました。
総会終了後に、みんなでお花見に行きました。
Mさんの退任を知った、歴代の『ひまわり』参加者のみなさんが本当にたくさん参加して下さいました。
優しく温かい人柄で、みんなを支えてくれたMさん。そんなMさんに対してみなさんもとても強い想いを持っておられるのだと思います。
フジノにとっても審議会時代から約12年のおつきあいになります。
とてもさみしい気持ちですが、同時に、とても素晴らしいことだと感じました。
新たな事務局長も決定し、『ひまわり』はこれからもすくすくと太陽に向かって大きな笑顔を向け続けるのだと思います。
Mさん、今まで本当にありがとうございました。
その献身的な活動に対して、どれほどたくさんの言葉を尽くしても感謝しきれません。
フジノが政治家としてひとり親家庭の支援に取り組み続けることができたのも、Mさんからかけられた言葉がいつも胸にあったからです。
感謝の気持ちを表す方法はただひとつ、政治家としてこれからもずっと全力で取り組みを続けていくことだけだと信じています。
Mさん、今までありがとうございました!