視察先2カ所にフジノの提案が採用されました!
毎年5月に全ての常任委員会のメンバーが交代するのですが、6月議会中に新メンバー全員で市内視察をするのが恒例となっています。
その視察先は、各部局からの提案に加えて、委員からの提案もできることになっています。
この市内視察先の提案に毎回フジノは全力を込めています。
何故ならば、委員会の全メンバーが同じ現場を観ることで、問題意識を共有できるとても貴重な機会だからです。
そして、なんと今年は、合計3カ所の市内視察先のうち2ヶ所がフジノの提案した場所になりました!
本当に嬉しいです。
西郷委員長・伊東副委員長はじめ、委員のみなさまに感謝しております。
うわまち病院のNICUを視察しました
今日がその『委員会の市内視察』の日でした。
まず1カ所目として、うわまち病院のNICUを訪れました。
NICUは『Neonatal Intensive Care Unit』の略です。
直訳すると『新生児集中治療室』です。
早産などで体重が数百グラムしかない赤ちゃん(超低出生体重児と今は呼びます)や、病気など症状の重い赤ちゃんが、生まれてすぐに入院する場所です。
生まれたばかりの赤ちゃんは、とても不安定です。
呼吸、心拍、血圧、体温、血液中の酸素の量などを24時間体制でモニターしなければなりません。
外から見えない脳や心臓の様子をエコーを使ってチェックしたり、数百グラムしかない小さな赤ちゃんの手足から細い針で採血をします。
細いカテーテルで1時間にわずか0.1ミリリットルという微量の点滴を行なうようなこともあります。
新生児専門の小児科医・産婦人科医・新生児集中ケア認定看護師・臨床工学技士・理学療法士・臨床心理士・保育士など、高度な専門性をもつ多職種が必要です。
こうした高度な治療を行なえるスタッフと専門的な設備が必要な為に、NICUは限られた病院にしかありません。
かつては市立2病院のもう1つである市民病院にもNICUはありましたが、現在はうわまち病院にしかありません。
横須賀・三浦では、あとは共済病院にしかNICUはありません。
そして、うわまち病院・共済病院で対応しきれない場合には、横浜市立大学附属市民総合医療センター・神奈川県立こども医療センター・北里大学病院などにお願いすることになります。
早く小さく生まれた赤ちゃんにとってNICUは『第2の子宮』とも呼ぶべき不可欠な存在です。
少子化によって赤ちゃんの絶対数が減少していますが、一方で、NICUの存在は絶対に不可欠だとフジノは考えています。
NICUはとても大切な場所なので、委員会視察のチャンスを除けば、議員でも中に入る機会はまずありません。
(フジノは、2005年の委員会視察で市民病院NICUを見学したのが公的な視察の唯一の機会でした)
だからこそ、どうしても視察して全ての委員メンバーで想いを共有したかったのです。
今年度から横須賀市では『小児在宅ケア』を推進する為の新たな連絡調整の場を立ち上げます。
かつては助からなかった命が医療の進歩によって救われるようになりました。
その一方で、人工呼吸器、胃ろう、たん吸引など24時間つきっきりでのケアが必要です。
こどもたちはNICUを退院すると、自宅で暮らしていくことになります。
今ではほとんどの医療的ケア児・医療依存度の高いこどもたちと家族が自宅で暮らしています。
けれども実態は、家族の犠牲でなんとか成り立っている現実があります。
まだまだ自宅を訪問してくれる医師や看護師や介護士の絶対数が足りない為に、家族が24時間つきっきりになっています。
数時間のまとまった睡眠を取ることもできないという声をたくさんお聞きしてきました。
こうした現状を変えていく為に、『小児在宅ケア』に関わる保健・医療・福祉・保育・教育など多職種の絶対数を増やしていくこと、顔の見える関係を作っていくことが必要です。
今年度新たに立ち上げる場は、まさにその実現の為に不可欠な存在です。
NICUは、小さく生まれた赤ちゃんを守り育む場であると同時に、退院後の『小児在宅ケア』のスタート地点です。
特に、うわまち病院はこれまでもNICU退院後の地域生活を支える拠点として取り組みを進めてきてくれました。
今日の視察が、NICUそのものの重要性と『小児在宅ケア』の重要性などを教育福祉常任委員会のみなさんと共有できるきっかけとなることをフジノは強く願っています。
視察を受け入れて下さった、沼田管理者・宮本センター長はじめうわまち病院小児科のみなさま、ありがとうございました!
(市内視察の様子は次の記事に続きます)
*写真は全てGCUのものです。GCUとは『Glowing Care Unit』の略で、NICUと比べると症状の軽い赤ちゃんが治療を受けたり、容態が改善してきた赤ちゃんがNICUから移る病床のことです。