NPO法人Fineの提案を受けて東京都が新たな事業をスタートさせました
今日は、新宿の都民ホール(都議会議事堂1階)へ。
東京都が6月1日に、画期的な新規事業『働く人のチャイルドプランサポート事業』を発表しました。
しかもこの事業は、NPO法人Fineが『都民による事業提案制度』へ提案して、採択されたものなのです。
これまでのNPO法人Fineの取り組みも素晴らしいですが、この事業を採択した東京都もさすがです。
本日はこの新たな事業をスタートするにあたって、広く都民に発信する為にキックオフイベントとしてセミナーを開催しました。
です。
不妊症と不妊治療にまつわる様々な課題の解決を目指しているフジノは、東京都の取り組みを学ぶ為にセミナーに参加してきました。
小池都知事メッセージ、NPO法人Fine松本理事長の講演、そして不妊治療に取り組む社員への充実した福利厚生をすでに提供している企業からのお話は、とても心強かったです。
不妊治療はマイノリティではありません。もはや「よくあること」なのです
6月議会の一般質問でもお伝えしたとおりですが
不妊治療の基礎知識
- 不妊カップルの割合は5.5組に1組です。
- 体外受精で産まれたこどもの数は、5万1001人(2015年)になります。
- つまり、20人に1人が体外受精で産まれているのです。
つまり、不妊治療はものすごく広く浸透しています。
それにもかかわらず、あなたのまわりで不妊治療が話題にならないとすれば、それは社会の偏見がいまだ根強いので誰も話すことができないからなのです。
不妊治療にはとにかく時間がかかる為、仕事を辞めざるをえない方がたくさんいます
2016年、NPO法人Fineが全国初のアンケート調査を行ないました。
不妊治療を経験した方の9割が「仕事と治療の両立が困難」と回答をしました。
実際、多くの方が仕事を辞めているという結果がデータで明確になりました。
厚生労働省調査によれば「半数」が仕事を辞めています・・・
こうした事態を受けて、厚生労働省は『不妊治療と仕事の両立にかかる諸問題についての総合的調査研究会』を立ち上げました(NPO法人Fineからも委員に選出されました)。
2017年には厚生労働省として初めての調査を行ない、今年2018年3月には報告書を発表しました。
厚生労働省の調査によれば、不妊治療を経験した方の半数が仕事を辞めていました。
同調査によれば、その理由は「治療日数が多い」「治療と仕事の日程調整が難しい」が大半を占めていました。
そこで厚生労働省もリーフレットを作って、企業向けに不妊治療への理解と支援を求める活動を進めています。
しかし正直なところ、国の動きはとても鈍いです。
何故ならば、かけ声だけでは企業は動かないからです。
東京都とNPO法人Fineと取り組みが全国に広がることを願っています
この6月議会でも市長へ一般質問をしたばかりですが、不妊症にかかわる課題は本当にたくさんあります。
そんな中、『不妊治療と仕事との両立を支援する』という観点で、企業にとってもメリットがある(つまり実効性のある)取り組みを始めた東京都の取り組みは素晴らしいです。
もちろん、その提案をしたNPO法人Fineも本当に素晴らしいです。
今、この課題に全力で取り組んでいるフジノにとって、東京都の取り組みは素晴らしいお手本だと感じました。
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東京都は企業向けの研修を始めます。
そして、より効果があると思われるのが、不妊治療に取り組む方々を支援する仕組みを作った企業への補助金です。
最大でも40万円と決して高額ではありません。
けれども、インセンティブが全くゼロでは企業は動きません。とにかく今求められていることは、実効性のある取り組みです。
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東京都の新規事業について報じた動画がありました。
こちらをご覧いただければ、とても分かりやすいと思います。
ちなみに、今年と2年前にNPO法人Fineは大規模な調査を行なってくれています。
2年前の結果を報じた動画もありました。
この課題は現在の方がさらに深刻化しています。
そこへ東京都が新たな取り組みをスタートして、広く企業へ不妊治療に対する理解と具体的なアクションを取るように働きかけたのです。
横須賀も、いや国も県も取り組みを今すぐ始めなければいけない!
横須賀も絶対にこうした取り組みを行なっていかねばならないと感じます。
フジノが6月議会で提案した『不妊専門相談センター』の取り組みは、名前のとおりで相談機能がメインです。
しっかりとした一般不妊治療、高度な不妊治療ができる医療機関が存在しない横須賀にとって、まずは相談機能を充実させることが喫緊の課題です。
けれども同時に、社会の在り方を変えていかねばなりません。
女性が働くことを通して自己実現をしていくことが当たり前の社会に変化しました。けれども社会には不妊治療への偏見が根強くあり、企業は治療に取り組む方々に対応できていません。
さらに、共働きをしなければ生計が維持できない状況の中で、不妊治療にかかる莫大な治療費を出すことはとても難しい現実があります。
こうした状況を変えていかねばなりません。
国も、都道府県も、市区町村も、一斉に動くべきです。
少子化が問題だと大騒ぎするならば、今目の前でこどもを持ちたいと願う人たちの想いを叶えることが最優先です。