「教育・保育の人材確保」は横須賀市にとって最重要課題です
昨年に続いて、教育・保育の人材確保の為の就職セミナー&相談会に参加しました。
保育園の待機児童の多さが全国的な問題になって、久しいです。
もちろん待機児童をゼロにすることは大切です。
けれどもそれ以上に、核家族化が進んでかつてのように大家族みんなでこどもを育てられる時代ではなくなりました。
孤立した子育ても深刻化しており、こどもの健やかな成長、保護者のメンタルヘルス、虐待防止など様々な観点から保育園・幼稚園・こども園(教育・保育)の存在が絶対に欠かせません。
保育士・幼稚園教諭の方々のおかげで、こどもの難病が早期に発見できたり、虐待事案を防ぐことができた、という事例はたくさんあります。
このような様々な観点からも、『教育・保育の質』を守り高めていくことを常に目指しています。
その為にもまず最も大切な存在である保育士・幼稚園教諭の方々に横須賀で就職(復職)していただき、できれば長く務めていただくことが最重要課題です。
しかし、隣接する横浜市、川崎市、さらに東京都は、財政力を武器に様々な形で魅力的な『処遇改善策』を取っています。
横須賀市のベテランの保育士・幼稚園教諭の方々が横浜に転職してしまうこともすでに起こっています。
つまり、他都市との人材確保の競争になっているのです。
上地市長の就任以来、こども家庭福祉への積極的な予算配分がなされています。
ただ、そもそも財政的に厳しい横須賀市では、無い袖は振れません。
莫大な財政支出によって他都市よりも飛び抜けてすごいと言えるような『処遇改善』までには至っていません。
横須賀市には、県内唯一の私立・公立を問わない、保育園・幼稚園・こども園合同の就職セミナーがあります
無い袖は振れなくとも、横須賀市には恵まれた環境があります。
こどもたちを守りたいという危機感を共有し、こどもたちと保護者が健やかに暮らしていかれるようにとの想いを同じくする存在が協力しあっています。
その現れが、今日開催された、横須賀市と『横須賀市私立幼稚園協会』と『横須賀市保育士会』の三者合同による就職セミナー&相談会です。
保育園・幼稚園・こども園への就職を考えている学生の方々や、復職をお考えの方々を対象に、毎年こうして就職セミナーとブースを設けての個別相談会を開催しています。
私立も公立も一緒になって、さらに保育園・幼稚園・こども園も一緒になって、合同での就職セミナーを開催しているのは神奈川県では唯一、横須賀だけなのです。
こどもたちの健やかな育ちという目的の前に、みんなで協力しあって取り組みを進めています。
就職セミナーでは横須賀の教育・保育の魅力が語られました
この悪天候にもかかわらず、就職を考えておられる学生さんたちが40名も来場してくれました。
昨年は70名の参加でしたので(晴天でした)、それに比べれば大きな減少です。
けれども、台風12号がやってきているにもかかわらず参加されたみなさんには、より強い本気度を感じました。
第1部は、保育園の立場からと幼稚園の立場からそれぞれに横須賀で教育・保育の現場で働くことの魅力が語られました。
人生の最も早い時期に、教育・保育の現場で働くということはとても大きなやりがいがあることを改めてフジノも感じさせられるお話でした。
例えば、鈴木理事長(フジノと1才違いなので親近感があります)のお話で
「働いていると苦しいこともあるし、幼稚園とはなんだろうと自問自答することもある。
そんなある日、幼稚園を卒園してから20年以上経っていたのに、ある日、街角で自分を担任して下さっていた幼稚園の先生を偶然お見かけした。
お声がけをして、先生に『自分も幼稚園で働くようになりました!』と報告したかった。
その時、ふと気づいた。
そうか、幼稚園で働くということは、こどもに今すぐに成果とか効果は見えないかもしれない。
けれども今の自分のように、卒園から20年経っていてもすぐに顔を見分けられるくらい印象に残る、ものすごく大きな影響を与える仕事なのではないか」
というエピソードがありました。
フジノはとても共感しました。
追浜生まれのフジノは白鳩幼稚園に通っていました。今でも年少・年長どちらの先生のお名前もフルネームで憶えています。
仕事で追浜を訪れるたびに、白鳩幼稚園の前を通るたびに「A先生・B先生はどうしておられるかな?」と気にしていることを思い出しました。
鈴木理事長がお話したとおりで、人格形成のスタート地点の時期に出会った先生方の存在は大人になっても忘れることは無いのですよね。
とても尊い、やりがいのある仕事だと改めて再確認したエピソードでした。
保育園・幼稚園・こども園のブースが今年から1ヶ所に集結しました
第2部は、ホールに移動です。
市内の保育園・幼稚園・こども園のブースがどーんとホールに集まりました。
実は昨年まで、業種ごとに部屋が分かれていたのです。
その理由を担当課の職員に聴いてみると、
「幼稚園は幼稚園の部屋、保育園は保育園の部屋、と分かれている方が学生には分かりやすいということだったんでしょうかね」
と、よく分からない理由が・・・
就職を考えている学生であれば1年生から参加できるセミナーなのに、幼稚園と保育園とを分ける必要は全くありません。
むしろ「分けてきたことはマイナスだった」とフジノは考えています。
全てのブースをホールに集結させることは大きな効果があるとフジノは考えています。
学生さんや復職を考えている方々が、市内の教育・保育を一覧することができて、自由にお話を聞くことができる訳です。
そしてお話を伺う中で、今までは考えていなかった分野に進むきっかけにもなりうると思います。
加えて、幼稚園と保育園とこども園とがそれぞれのブースをお互いに観ることができ、会話をすることができることはまさに顔の見える関係につながります。
教育・保育に関わる連携ができるきっかけにもなると思います。お互いの良いところをぜひ学び合っていただく機会にもしてほしいと願っています。
上地市長が就任して1年。
ささやかなことに観えるかもしれませんが、担当課の提案がどんどん出てくるようになった良い成果の1つではないかとフジノは受け止めています。
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本日は、参加者のみなさま、ありがとうございました。
保育士・幼稚園教諭のみなさま、ありがとうございました。
そして取材に訪れて下さった、ジェイコムさん・はまかぜ新聞社さん、ありがとうございました。
どうかひとりでも多くの方が、このまちで、ともにこどもたちの健やかな成長の為に働いて下さることを心から願っています。
お待ちしております!