教育福祉常任委員会(1日目)が開かれました
12月議会は2日間の本会議を終えて、今日から委員会での審議へと移りました。
けさはフジノの所属する教育福祉常任委員会が開かれました。
市長から提出されたいろいろな議案がありますが、それらについては別の機会に報告します。
今日のブログでは、『うわまち病院の移転建て替えに再考を求める請願』について報告します。
請願審査の様子を報告します
横須賀市議会では、請願を提出して下さった方々が実際に委員会の場に出席して、意見を述べることができます(=『陳述』と呼んでいます)。
請願の審査の前に、まず15分間の陳述がまず行なわれました。
陳述人の方は想いがあふれてしまったのか、陳述が15分を超えてしまい、委員長に促される形で途中で終わる形となってしまいました。
続いて、所管部局である健康部から所見(部としての見解)が述べられました。
部長による所見
請願第11号『市立うわまち病院移転計画の再考及び上町地区の包括的地域振興対策の検討・策定について』、健康部の所見を申し上げます。
はじめに、移転方針を発表してから、上町地域の町内会などで説明会を行なってきましたが、説明会に出席された方々から頂いた、うわまち病院に対する思いをいくつか申し上げます。
建て替えが必要なのは分かるが、現在地での建て替えを諦めずに、もっとこだわって考えてほしい。
地元へ何の相談も無く決定したことには納得いかない。
もう1度はじめからやりなおしてほしい。
進入路の拡幅について地権者は協力すると言っているので、市が言う10年よりもっと早くできるはずだ。
など、 もう1度、現地での建て替えを考えてほしい、というご意見を最も多くいただきました。
また、うわまち病院の歴史的なことについても、上町は、旧国立横須賀病院の城下町として栄えてきたこと。
昭和60年以降には、国立横須賀病院の存続運動を多くの関係者が一緒になり行なってきたこと。
国立横須賀病院が、国から市へ移譲された際の病院名の公募に、地元も参加し、うわまち病院となったことなど。
こうした病院の歴史を大切にしてほしい、というご意見も頂きました。
まちづくりの点では、お祭りやイベントなどで、地域の人々のつながりをより強くしながら、地域、さらには商店街の活性化に向けてがんばっている中で、大きな事業所でもあるうわまち病院が移転してしまうことへの不安の声も頂きました。
このように、地域の皆様の思いが詰まったうわまち病院であり、また病院は、単に医療を提供するというだけでなく、地域の皆様の生活の場と共にあることを、改めて受け止めさせていただきました。
それでは、請願内容について、健康部の所見を申し上げます。
まず、請願項目(1) についてです。
うわまち病院の移転計画については、9月定例議会の一般質問で市長が申し上げましたが、うわまち病院の現地での建替えを断念するということは、本当に苦渋の決断でした。
教育福祉常任委員会での質疑でもお答えしましたように、老朽化が進み、手狭な療養環境を早急に改善しなければなりません。
老朽化したうわまち病院を、1日でも早く、市民のニーズに応えられ、医療の技術革新にも沿える病院とする為には、移転して新病院を建設する必要があると考えています。
次に、請願項目(2)についてです。
うわまち病院の移転方針については、9月8日の上町連合町内会役員会での説明に始まり、10月にかけて、地元町内会主催の説明会や、健康部主催の説明会で、延べ11回、300人以上の皆様にお越しいただきました。
今後も、地域の皆様の求めに応じて説明に伺うのはもちろんのこと、新病院建設の検討状況については、丁寧な説明をしてまいります。
なお、上町連合町内会長からの要請により、12月7日に、再度、地元説明会を開催いたします。
次に、請願項目(3)についてです。
うわまち病院の跡地利用については、市長が、9月定例議会で、うわまち病院の跡地活用は、地域の皆様とともに、明るい将来を語り合いながら進めていきたいと答弁しています。
これは、市が責任をもって取り組むべきことであり、地域の皆様のご意見をいただきながら検討してまいります。
また、上町連合町内会長をはじめ、説明会に出席された方々から、税務署や裁判所の跡地利用について、国に働きかけてほしいという要望があり、上町地区の活性化 のために、市から国に対して働きかけてまいります。
以上をもちまして、請願第11号に対する健康部の所見とさせていただきます。
続いて、
- 田辺昭人議員
- 大村洋子議員
- 板橋衛議員
- 角井基議員
- 杉田惺議員
- 加藤ゆうすけ議員
- フジノ
が健康部に対して質問を行ないました。
次に、討論が行なわれて、加藤ゆうすけ議員から請願項目全てに反対する旨が述べられました。
その後、採決が行なわれました。
内容 | 議員 |
---|---|
請願項目全てに賛成 | 大村洋子議員 |
請願項目2・3に賛成 | 田辺昭人議員 田中洋次郎議員 板橋衛議員 角井基議員 伊東雅之議員 杉田惺議員 フジノ |
請願項目全てに反対 | 加藤ゆうすけ議員 |
上のように、3つの立場に委員の結論が分かれましたので、やむなく多数決となりました。
多数決の結果、請願項目2・3の『部分採択』とすることが決まりました。
教育福祉常任委員会の結論は『部分採択』と決まりました。この後は、本会議に送られます。
最終日の12月14日に、最終的に横須賀市議会としての請願に対する結論が決まります。
請願審査でフジノが行なった質疑応答を紹介します
このブログの最後に、今日の教育福祉常任委員会でフジノが健康部に対して行なった質問を紹介します。
実際には質問という形を取りながら、2つの想いがありました。
1つには、請願をされた方々に対して、うわまち病院を建て替えて新病院を作ることは横須賀・三浦のみなさまにとって不可欠なことだとご理解いただきたいという想い。
2つには、現在の横須賀市の情報発信の在り方を改善して、うわまち病院周辺地域の方々だけでなく広く市民のみなさまに正確な情報をご理解いただきたいという想い。
特に2つ目は具体的な提案を盛り込みましたので、必ず実施してほしいと思います。
フジノの質問
それでは請願第11号・市立うわまち病院移転計画の再考及び上町地区の包括的地域振興対策の検討・策定について、数点質問をさせていただきます。
まずは、『うわまち病院移転について考える会』の安倍代表はじめ、陳述をして下さった高梨会長、署名をして下さった5000名を超える方々に感謝を申し上げたいです。
ある病院の院長先生からは
「移転に反対されるほど地域に愛される病院というのは極めて珍しいことで感謝すべきことなのだよ」
とご指摘を頂きました。
市立うわまち病院をここまで愛して下さったことに感謝を申し上げたいと思います。
質問に入ります。
まず全ての大前提となる、『うわまち病院の建て替えがどうしても必要な理由』を再確認したいと思います。
医療政策は大切なテーマなので、9年程前から僕は市内の医療関係者の方が誰と意見交換をしてきました。
その中にうわまち病院の医療関係者の方もおられて、本来はもっと良い医療が提供できるはずなのに建物の老朽化とその狭さによって実現できないこと、駐車場を拡大したけれどやはり雨が降った日などは県道まで車の列が連なっていることなどをお聞きして、それ以来ずっと問題視をしてきました。
僕の中で建て替えの必然性が高まったのは、7年前の東日本大震災でした。
自家発電がうまく機能しなかったり、病院の機能を維持する為に本当に多くの努力が払われねばならなかったことです。
元々の建物の著しい老朽化に加えて、東日本大震災のダメージが加わりました。
そこで6年前、吉田市長に初めてうわまち病院の建て替えの提案をした訳です。
建て替えの提案者であることから、うわまち病院周辺地域のみなさまにご説明に伺うたびに、僕は「諸悪の根源である」というに厳しいお言葉をよくいただくんですが、それでも「これは正しい提案だった」と信じています。
なかなか市民の皆様にはご理解いただけていないのですが、医療政策というのは1つの病院で考える訳でもなく、また1つの市だけで考えるわけでもありません。
具体的には『地域医療構想』というものがありまして、この横須賀・三浦地域を『横須賀・三浦構想区域』と呼ぶんですが、団塊世代の皆様が75歳となる2025年、もうすぐですが、必要な病床、ベッド数のことですが、2016年度の実績と比べると2025年の推計では600ベッドも足りていないという推計が分かりました。
横須賀・三浦の医療政策の中心は最も大きな街である以上で、やはりこの区域の医療ニーズは横須賀市が担うしかない。
具体的には我々は市立病院を持っていますから、「市立2病院で医療ニーズに備えるしかない」というふうに考えてまいりました。
そこで伺います。
『地域医療構想』における『横須賀・三浦構想区域』の望ましい姿を実現していく上で、横須賀市の市立2病院の果たす役割はとても大きいのだという僕の認識を健康部はどのようにお感じになりますか。
お聞かせ下さい。
市立病院担当課長の答弁
はい。横須賀市立の病院がこの三浦半島地域で果たす役割ということでございますけれども、この点につきましては藤野委員と同じ想いでございます。
やはり地域でとても大切な病院として、また基幹として担っていくべき医療機関だというふうに考えております。
フジノの質問
続いての質問です。
人口減少は続いていきます。
これは全国的に続きますし、この『横須賀・三浦構想区域』でも続いていきます。
けれども、逆に医療が必要な方々のニーズは増え続けて、2030年にピークになって高止まりして2040年頃まで続いて参ります。
具体的な数字を申し上げますと、実績ベースで2013年は約4200人の方が入院が必要でしたが、2025年には5000人を超えて、2030年には5200人、2035年も同じく5200人とピークが続いて、2040年にようやく4900人台へと少しだけ減っていきます。
そこで伺います。
「こうした推計はまず外れることが無く一刻も早くうわまち病院を建て替えて、遅くとも2025年までにはスタートさせる必要がある」と僕は考えてきました。
この考えについて健康部がどのようにお考えか、お聞かせ下さい。
市立病院担当課長の答弁
この点についても藤野委員と同じ想いでございまして、健康部としても一刻も早くうわまち病院の建て替えを実現したいというふうに考えております。
フジノの質問
ありがとうございます。
市立2病院のうち、うわまち病院の方が明らかに老朽化が著しいものですから、うわまち病院の建て替えを6年前にこうして吉田市長に提案したのでした。
現在請願をして下さったみなさまが考えておられる理由と同じ理由で、僕は当初は現在地で建て替えるべきだと訴えてまいりました。
こした事柄を、市議会議員時代の上地市長と議員控室で何度も意見交換をしてまいりました。
ですから今も上地市長と僕は基本的には同じ考えだと思います。
しかし今回様々な状況が明らかになった8月、上地市長が行なった記者会見を聞きました。
初めは僕自身もショックでしたが、やはり現地での建て替えについて様々なシミュレーションを行なった結果を伺うにつけて、残念ながら移転をしてもはや新しい場所で新病院によって医療提供を行なうしかないという立場に上地市長が決断をされた。
僕自身も代替案を調べたけれども、現地では実現できないということが分かった。
そこで8月31日の一般質問の場で自らの立場を表明させていただきました。
この点においては請願者のみなさまと僕は立場がこの請願項目の1番については異なることを大変申し訳なく感じています。
ただ、どうしてもこの『横須賀・三浦区域』の医療を守る為には建て替えをしなければならない事をみなさまにご理解いただきたいと思います。
同時に、うわまち病院周辺地域の発展と振興を願う立場は全く同じです。
これはどんなことをしても徹底的に進めていかねばならないと考えています。
そこで、健康部に伺います。
それは『今後のコミュニケーションの在り方』についてです。
これまでの間、健康部が町内会・商店会にお招きいただいて説明をするという在り方で説明が10回行われ、そして2回の広くどなたでも参加できる説明会が開かれてきました。
しかし、この間ずっともどかしさを常に感じてまいりました。
例えば、地域住民の方から頂いたご提案やご質問に対して、陳述人の方がおっしゃったように、その次の説明会に反映されているのかと言えば、その事自体、一般の我々は知ることができないというな状況があり、質問をいただくたびに僕は議員としては上町に入りお一人お一人にお答えをして回ってきました。
この状況を別の案件と比べてみると「ちょっとやっぱ違うな」と思うことが分かります。
例えば先日『エコミル』という愛称が決まった『新ごみ処理施設』と比べてみて頂きたいんです。
こちらの『新ごみ処理施設』については、市民の皆様へとにかく情報提供を徹底しようということで横須賀市のホームページでもその為だけのコーナーを作り、『広報よこすか』でも定期的にお知らせをし、さらにインターネットや『広報よこすか』では届かない方の為にも、本計画について進捗状況などの情報をお伝えするために紙ベースで『横須賀ごみ処理施設建設ニュース』というものを創刊して年4回発行して進捗状況などをお知らせしてきました。
本来ならばもう8月に発表をしてすぐにしっかりと横須賀市の公式ホームページに『うわまち病院建て替えのコーナーQ&A』などを作って、皆様にご質問を頂けばそこできちんと市の公式な見解を示しできるようにすべきであったですし、また広報よこすかでも今後は定期的に触れていく必要があると思いますし『横須賀ごみ処理建設ニュース』のように紙媒体でも発信していく必要があると思います。
こうした提案に対して健康がどのようにお感じでしょうかお聞かせください。
健康部長の答弁
今、藤野委員から言われた通りだと思います。
これまでの流れからいきますと、8月21日にまずは広く市民にお伝えするということでの市長の記者会見という形を取った後、「地元の事をまず考えなければいけない」ということは当然市長の頭の中にもありましたので、「まず地元に対して健康部が行ってしっかりと説明をしてくるように」との指示のもと9月8日を皮切りにまず地元を中心に、地元を大切に説明をしましょうしてきましょう、ということで進めてまいりました。
そういう中で、健康部主催で、今藤野委員からもおっしゃって頂いたように、2回ほど説明会を開催を致しましたが、その時のスケジュールの取り方がまず地元の町内会の説明会が終わった後でなければ広く市民に説明会を開催するのは好ましくないだろうという判断のもとで行なった結果、その日取りが『広報よこすか』でお知らせしてからですと2ヶ月後ぐらいになってしまうという問題がありました。
そこで報道機関を通じてお知らせをする、市のホームページでもお知らせはしたんですが、というな形で2回ほど開催をさせていただいたんですが、やはり周知が徹底されず、集まっていただいた方が少なかったというようなこともございます。
それから、今、移転候補地の選定を進めている中で、情報提供の場が非常に少なくなっております。
今後、新たな展開を迎えてきますので、そういう中では今藤野委員からご提案いただいたような形で広く情報をご提供していくという風なことは考えております。
フジノの質問
ありがとうございます。
今、お約束していただけたという風に受け止めているんですが、ぜひ提供していただきたい内容について3つ挙げさせて下さい。そして答弁を頂きたいと思います。
まず、うわまち病院の建て替えについてのQ&A。
これは本当に何度も何度も市民の方、うわまち病院周辺地域の方に、様々なご提案。代替案を頂いて、それに関して部局に戻って、地域へ回答をお伝えする。これを繰り返す訳ですが、残念ながら伝言ゲームになってしまって正しい情報が広く伝わらないというような状況がある。
ですからまずうわまち病院の建て替えについて正式な市の意見はどういうものであるのか。頂いたご質問に対してはどうお答えするのかというQ&Aのコーナーは絶対に作っていただきたいというふうに思います。
また、現在移転をするという方向で、うわまち病院周辺地域の方々にご説明を続けてはいますが、一方で移転という現実にも目を向けねばなりません。
ですから移転先に関しての情報提供のコーナーも作るべきです。
先ほど陳述人の形が述べていただいたように、移転先に関する情報。それから現地で立て替えというのはちょっと難しいので予算立てとか考えづらいんですが、比較するとどうなるのかいうようなこともきちんと報告していただきたいと思っています。
例えば、今日この後の教育福祉常任委員会の場で『一般報告』において『市立2病院の病床や機能分担』なども説明されることになっていますが、一般の市民の方々はそんなこと全然ご存知ないわけです。
ですからやはり新しい病院のあり方についてあるいは移転先などについての情報提供も是非していただきたい。
そして最後に、跡地再開発についての情報提供コーナーは絶対に作っていただきたい。
これはもう企画調整会議も開催されている訳ですが、まずそこで何が議論されたのかということ。
それ以外に開催されたこと自体も知られていない状況があります。
ですから繰り返しになりますが、うわまち病院のQ&A、新しい病院のあり方や移転先について、それから跡地再開発については、必ず情報提供をしていていただきたいという風に思いますがいかがでしょうか。
健康部長の答弁
はい。ありがとうございます。
藤野委員のご意見をしっかり受け止めてそのように対応していきたいと思います。
フジノの質疑は以上です。
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うわまち病院移転建て替えの後の『新病院』の在り方について、今日の委員会で報告がありました。
ぜひこちらもご覧くださいね。