ついに「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム」を構築するの為の「協議の場」が初開催されました
長年の課題であった、精神障がいのある方々が安心して地域で暮らせる為の取り組みを進める為の協議会が初めて開催されました。
横須賀市精神保健福祉連絡協議会です。
精神保健医療福祉の関係者23名が出席しました。
この『横須賀市精神保健福祉連絡協議会』を設置した目的は、『設置要綱』に明記されているとおりです。
横須賀市精神保健福祉連絡協議会設置要綱
(設置)
第1条 精神障害者が、地域の一員として安心して自分らしい暮らしをすることができるよう保健、医療及び福祉の関係者による協議を行うため、横須賀市精神保健福祉連絡協議会(以下「協議会」という)を設置する。
(所掌事務)
第2条 協議会は、次に掲げる事務を所掌する 。
(1)精神障害者の支援に関する情報交換
(2)関係機関における連携方法についての意見交換
(3)その他協議会が必要と認める事項
保健・医療・福祉関係者による協議の場の設置
種類 | 名前 | 協議する内容 |
---|---|---|
代表者会議 | 横須賀市精神保健福祉連絡協議会 | 現状・課題の共有、事業の検討、評価 |
実務担当者会議 | (仮称)精神保健福祉実務者連携会議 | 現状・課題の共有、解決に向けた検討 |
個別支援会議 | 個別ケースの退院に向けた検討 |
フジノたち精神保健医療福祉の現場に長年関わっている人間からすると
本音では
「これまでも(全ての障がいについて議論を行なってきた)『障害とくらしの支援協議会』で同じ内容をずっと議論してきたじゃないか」
「せっかく『障害とくらしの支援協議会』で長時間議論して結論を出したのに、その結論は何も実行に移されていないじゃないか」
「看板をかけかえてまたゼロから議論するのか」
という憤りは強くあります。
けれども、それくらいに他の障がいと比べても精神障がいに対する取り組みは遅れてきたのです。
だから今回、精神障がいに特化して協議する場が正式に立ち上がったことをフジノとしては一定程度評価したいと思います。
そして何よりも「今度こそここで決定したことは実行に移してほしい」という強い気持ちをもって臨んでいます。
第1回の会合では、率直なところメンバー間の顔合わせという意味あいがメインでした。
またメンバーも現場にいる実務者ではありませんでした(例えば病院関係者であれば『院長クラス』が出席しました)。
現場をリアルに理解しているメンバーによる実務担当者会議(『精神保健福祉実務者連携会議』の場こそ、この協議会のメインのエンジンだとフジノは考えています。
今後の『精神保健福祉実務者連携会議』をしっかり追いかけていき、フジノは議員の立場から横須賀市の精神保健医療福祉の改革を進めていく援護射撃をしていきます。
「病院中心システム」から「地域包括ケアシステム」への移行は歴史的な必然です
協議会のお話は終わりです。
ここからは歴史の流れのようなお話を書きたいと思います。
●
今、世界的に医療史の大転換が起こっています。
20世紀は、医療モデルに基づいた病院中心のシステムがメインとなった『病院の世紀』でした。
病気や障がいのある方々は『患者』や『障がい者』として、医師を頂点とする病院や施設で丸抱えされるのが当たり前とされてきました。
しかし、21世紀は、生活モデルに基づいた地域中心のシステムがメインとなる『地域包括ケアの世紀』へと移行しつつあります。
つまり、病気や障がいがあろうとも『患者』ではなく『生活者』として、QOL(≒人生の質)を大切に、地域の社会資源を利用し、様々な多職種の連携によるサービス提供を受けて、人生の最期を迎えるまで住み慣れた地域で暮らしていくのです。
世界の中でも類を見ないスピードで進む我が国の超少子高齢社会を受けて、我が国はまず最も人数が多い高齢者の分野から『地域包括ケアシステム』を導入しました。
その為、世間には『地域包括ケア』=『高齢者のもの』というイメージが定着してしまっています。
けれども本来、医療モデルのもとで『患者』として扱われてきた全ての方々が『地域包括ケアシステム』の対象です。
つまり、こども・障がい・難病・生活困難など全ての方々が対象なのです。
例えば医療的ケアの必要なこどもたちに対して『小児在宅ケア』がスタートしましたよね。これもこの動きに呼応したものです。
障がいの分野の中でも、特に精神障がいについては、世界的に批判を受けている我が国の病院中心のシステムを終わりにしなければなりません。
そこで厚生労働省もようやく『精神障害にも対応した地域包括ケアシステム』を政策として打ち出しました。
つまり、病気や障がいがあろうとも『患者』ではなく『生活者』として、QOL(≒人生の質)を大切に、地域の社会資源を利用し、様々な多職種の連携によるサービス提供を受けて、人生の最期を迎えるまで住み慣れた地域で暮らしていくのです。
世界の中でも類を見ないスピードで進む我が国の超少子高齢社会を受けて、我が国はまず最も人数が多い高齢者の分野から『地域包括ケアシステム』を導入しました。
その為、世間には『地域包括ケア』=『高齢者のもの』というイメージが定着してしまっています。
けれども本来、医療モデルのもとで『患者』として扱われてきた全ての方々が『地域包括ケアシステム』の対象です。
つまり、こども・障がい・難病・生活困難など全ての方々が対象なのです。
例えば医療的ケアの必要なこどもたちに対して『小児在宅ケア』がスタートしましたよね。これもこの動きに呼応したものです。
障がいの分野の中でも、特に精神障がいについては、世界的に批判を受けている我が国の病院中心のシステムを終わりにしなければなりません。
そこで厚生労働省もようやく『精神障害にも対応した地域包括ケアシステム』を政策として打ち出しました。
ようやく精神保健医療福祉の分野にも、地殻変動が起こることに全国の関係者からは多くの期待が集まっています。
これまでの横須賀市の「精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築」への動き
先ほど、同じような内容はすでに『障害とくらしの支援協議会』の場でずっと議論してきた、と記しました。
厚生労働省が『精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築』という新しい概念を打ち出す前から、実質的に同じ内容の取り組みが全国で進められてきたのです。
横須賀市でもこの名称ではないものの、地域で安心して精神障がいのある方々が暮らしていかれる仕組みづくりが議論されてきました。
しかし結果として何も進まなかったのです。
●
そこで厚生労働省が新しい概念を打ち出したことをきっかけに、フジノはこの枠組みを利用して、とにかく少しでも前に進める為にあらゆる機会をとらえて訴えてきました。
まず、2017年度に『第5期障害福祉計画』づくりが行なわれました。
これは障がいの種別を問わずに横須賀市が取り組むべき計画なのですが、ここに『精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築』を明記させることに取り組みました。
その結果、計画に記すことには成功したのですが・・・・
なんと2020年度末に『協議の場』を設置すると記されてしまいました。
なんと4年後です!
これではあまりにも遅すぎます。
この信じられないほど遅すぎる動きに対して、2017年9月のブログ記事でフジノは厳しく批判しました。
同じ想いを持つ上地市長は、前倒し実施を行なう為に2018年6月議会に補正予算案を提出してくれました。
この補正予算案は無事に可決されました。
それから委員選びや様々な準備が行なわれて半年後の今日ついに横須賀市の『協議の場』が初開催されることになったのです!
このような流れを経て迎えた『協議の場』ですので、フジノは執念をもって取り組みを進めていきます。
どうかあなたもご協力をお願い致します。