記者クラブによる立候補予定者調査票
選挙への立候補予定者になると、必ず記者クラブから調査票への記入が求められます。
写真の撮影も行なわれます。
これは、選挙初日の新聞にどかーんと顔写真と経歴が載る、あの紙面の為のアンケートです。
意識の高いメディアが「性別欄」を求めることに強い違和感
戸籍名、生年月日、住所、職歴などを書く欄に加えて『性別欄』がありました。
これまで必死にフジノたちが行政・教育などあらゆる分野において性別欄の廃止を進めてきたのに、何故この欄があるのか理解できませんでした。
もちろん今の世論の流れとして「『女性議員』を増やさねばならない」という動きがあるのは理解しています。
でも、安易な男女二元論では絶対にダメです。
「これまでメディアのみなさんとともに無意味な性別欄の廃止を一生懸命に進めてきたのに」
という強い違和感しかありませんでした。
横須賀市ではすでに沢田市長の時代から積極的に取り組みを進めてきました。
2003年、市役所の扱う申請書など総数1800件のうち、性別記載欄があった約200件を精査しました。
2004年から約100件の性別記載欄が削除されました。
さらにフジノはこの数年間男女二元論にもとづいた『男女共同参画推進条例』の改正を求めてきたのです。
前市長との質疑を繰り返しゼロ回答、上地市長に交代して改正に前向きな答弁が出て、市長が男女共同参画審議会に諮問、1年間の議論を経て、ついに3月の予算議会に改正案が提出されました。
そして新たに名前も変わり『男女共同参画と多様な性を尊重する社会を推進する条例』が成立したのです。
こうした取り組みを進めてきたフジノにとって、今回の調査票は『自分が在りたい性別(性自認)』を書く為の性別欄とは感じられませんでした。
単に『生まれた時に割り当てられた性別』を書く為の性別欄としか受け止められませんでした。
それは間違っています。
問いそのものが間違っている以上、回答すればフジノは自分自身が取り組んできたことへの裏切りになります。
回答を拒否して今後は「性別欄の削除」を求めました
そこで、調査票の性別欄の回答を拒否するとともに、下の文章を記しました。
これを提出しました。
神奈川新聞と読売新聞は丁寧に説明を聞いてくれました
提出後、すぐに神奈川新聞が反応してくれました。
結論からいうと、担当の記者の方は日頃から『性的な多様性の保障』に関する記事を多数書いて下さっており、真意をすぐに理解して下さいました。
政治・行政だけでなく、メディアも変わってほしいという願いも共有させていただいたと思います。
続いて、読売新聞が反応してくれました。
まず、横須賀支局。続いて横浜支局。
ともにお話を聞いて下さった上で、
「住民票に記載されている性別をデータとしては入力せざるをえませんが、ご意見はとてもよく分かりました」
とおっしゃっていただきました。
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他社の方々は、反応するまでもなく、問題意識を共有して下さったのでしょうか?
それとも、またフジノが細かいことで吠えているなあとお感じになってのでしょうか?
あるいは、市民のみなさまが投票する基準は性別だとお考えなのでしょうか?
どうかこの調査票から性別欄が無くなることを願っています。
政治・行政・教育をはじめ、医療の世界でも可能な限り、性別欄を廃止していく動きを一生懸命に進めてきました。
繰り返しますが、それはメディアのみなさまのご協力が無ければ前進させられなかったことです。
1つ1つ細かいことを変えていかなかったら、社会なんて変わる訳がありません。だからフジノは細かくてもこだわり続けます。
どうかメディアのみなさまも改めてこの点についてお考えいただきたいです。