「性的な多様性の保障」について語りました
先日「政治家人生ラストインタビュー(?)を受けた」とブログに記しました。
2時間近く熱く語らせていただいたのですが、けさの神奈川新聞の社会面1面にどかーんと記事になっていました。
全文を引用してご紹介します。
「性の尊重」訴え少なく
LGBTパートナー制度導入2市議選
候補・支援団体「普遍的テーマに」
県内自治体で初めて、性的少数者(LGBTなど)のカップルをパートナーとして公的に認める『パートナーシップ制度』を導入した横須賀、小田原の2市。
どちらも市議選が告示されたが、性の多様性の尊重を説き、性的少数者へのさらなる支援を訴える候補者はわずかだ。
導入とは裏腹な現状に、支援団体のメンバーは
「市民の理解が深まっていないため、票につながらない政策をあえて掲げないのでは」
とみる。
「『性的な多様性』はあたりまえ、のまちに」
横須賀市議選に立候補したベテランの現職(フジノのことです)は公約の柱の1つとして、選挙運動用ピラにそう記した。
10年以上前から、ライフワークの1つである自殺対策の一環として、性的少数者の支援に奔走。
彼らを取り巻く現状を伝え、市に働きかけてきた。
2018年に東京・豊島区議が、支援や知識啓発といった関連施策が最も多いのは横須賀市だったとの調査結果を公表するまでになった。
現職(フジノのことです)は行政の変化に手応えを感じつつ、一方で議会内での広がりのなさも実感している。
積極的に取り組んでいるのはほぼ自分だけと思えるからだ。
「市政の課題は多岐にわたり、『(性的な多様性についてはもうフジノという)専門家がいるから』と他の議員が(あえて)取り上げていない可能性はある」と前置きしつつ、
「ただ性的少数者の支援は人の命を守るもの。
子育て施策のように、誰もが欝論するような普遍的なテーマになるといい」
と願う。
一方の小田原市。
「誰もが人として大切にされ、共に生き、支え合うまちづくり」が基本理念の人
権施策推進指針に基づき、制度を取り入れた。
だが街宣車が走り回る市内で、性的少数者への支援を叫ぶ市議選候補の声は聞こえてこない。
新人候補は、性的指向や性自認による差別の撤廃を掲げる政党からの公認を受け、出馬した。
教壇に立っていた頃、性の多様性を生徒に話して聞かせてきた。
ただ今回、自身のビラに関連した記述はない。
新人は
「党のマニフェストとに掲載されており、『当然』という意味合いでいる。
大上段に構えていない」
と説明。
街頭演説で触れていくつもりだが、あくまで人権問題の1つとの認識だ。
「選挙になると、『誰もが生きやすい社会』をうたう候補者は多いが、表面的に感じる」
性的少数者を支援する政策論争が湧き起こらない現状を、自身もゲイで、NPO法人「SHIP」(横浜市神奈川区)の代表を務める星野慎二さん(59)は嘆く。
それは性的少数者に限った話ではない。
「精神疾患の患者や貧困層など、本当に生きづらさを抱えている人たちについて、ほとんど触れられていない」
と感じている。
同NPO法人は当事者に居場所を提供。
そこで、打ち明けられず悩んだり、親に突き放されたりした若者を多く見てきた。
周囲の理解が重要だと痛感するからこそ星野さんは訴える。
「これから社会を担う子どもへの教育や一般市民対象の啓発活動など、地方議会でできることは多い。
特定の議員だけでなく、1人1人が知識を持ち議員同士で議論できるようになってほしい」
◆パートナーシップ制度
横須賀市は「パートナーシップ宣誓証明制度」、小田原市は「パートナーシップ登録制度」を、それぞれ4月1日から導入。
性的少数者(LGBTなお)のカップルを、異性聞の結婚に相当する関係と認める
証明書を発行する。
どちらの制度も対象は20歳以上で、結婚していないことなどが条件。
横須賀市は事実婚も対象に含め、市営住宅の入居資格や災害見舞金の対象に証明書を所持するカップルを加えた。
小田原市は具体的な運用を今後決める。
(佐藤百合、鈴木秀隆)
以上で引用終わり。
記事で取り上げられたフジノのチラシ
記事で取り上げられたフジノのチラシの「『性的な多様性』はあたりまえ、のまちに」はこちらです。
まず実績としてこう記しました。
- 11年間にわたって様々な取り組みを実現してきた結果、2017年に横須賀市はLGBTs関連施策実施全国自治体」1位に選ばれました。
- 2013年に提案した『パートナーシップ制度』がついに4月からスタートしました!
- 男女二元論だった『男女共同参画推進条例』の改正を提案、実現しました。
続いて、公約としてこう記しました。
- 4月に施行された『男女共同参画と多様な性を尊重する社会の実現を推進する条例』を最大限に活用し、差別と偏見のないまちを実現します。
- 『LGBTs関連施策実施自治体』全国トップの次は当事者のみなさまの毎日の暮らしの安心感や生きやすさのトップをめざしてさらに取り組みを進めます。
このように選挙チラシにフジノはハッキリと明記しています。
「性的な多様性の保障」を普遍的なテーマにしたいです
残念ながらパートナーシップ制度を導入した2市でも、現状はこの記事の通りなのです。
ただ、小田原市と横須賀市は全く異なります。
横須賀市議会にはフジノが居て、このテーマについては11年間ずっと議会提案をしてきました。
パートナーシップ制度についても2013年からずっと提案してきたので、担当課にも蓄積された情報と経験があります。
さらに上地市長も人権意識がとても高い方ですし、市長が諮問をした『人権施策推進会議』の委員のみなさんも見識がとても高い方々ばかり。
さらにさらに、当事者の方々の団体もたくさんの働きかけをフジノとともにしてくれました。
だから、性的な多様性に関する様々な取り組みも全国トップですし、パートナーシップ制度の議論もかなり成熟しています。
一方、行政としての小田原市によるパートナーシップ制度導入の発表は、やや唐突でしたし、正直なところ4月スタートありきで拙速な感覚を憶えました。
また、どなたかは分かりませんがインタビューにお答えになった候補者の方。
政党としてマニフェストでうたっているからあえて大上段に構えて言わないとお答えになっていますが、たぶんこのテーマにそこまでの熱意は無いのだと思います。
(もし違っていたらごめんなさいね)
NPO法人SHIP代表の星野慎二さんの嘆きはそのとおりだと思います。
フジノも全く同感です!
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いずれにしても、もっと当たり前の話題として議会で誰もが議論するようにフジノも取り組んでいきたいです。
横須賀市議会では『政策検討会議』という政策立案のエンジン役があります。
ここで、フジノは「性的な多様性の保障について条例化したい」という提案をしてかなり好感触でした。
もしも5期目に当選できたらば、議会全体で性的な多様性について議論できるようにしていきたいです。
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落選したらフジノの政治家人生ラストインタビューになります。
その相手が神奈川新聞であったことは僕にとって誇りです。
こんなに大きく社会面1面トップに報じて下さったことにも感謝しております。
ありがとうございました。