絵本「カーくんと森のなかまたち」をご存知ですか?
2007年9月10日に発行された『カーくんと森のなかまたち』という絵本があります。
9月10日というのは『世界自殺予防デー』です。
この出版日付に象徴されるとおり、こどもたちの自殺予防・こころの健康の為に取り上げられることが多い絵本です。
主人公のホシガラスのカーくんは、絶望しています。
自分に生きる価値が見いだせません。
そのカーくんがシロフクロウのホー先生や森のなかまたちのおかげで、元気を取り戻していくストーリーです。
物語はとてもシンプルですが、夢ら丘実果さんのとてもきれいな絵と、絵本作家の吉沢誠さんのやわらかな言葉によって、大人の心にも染み込んできます。
全国でも、いろいろな機会に読み聞かせされたり、授業で使われることもあります。
2007年の出版以来10年にわたって愛されてきたのですが、再び今、注目されています。
昨年2018年に文部科学省が『こどものSOS出し方教育』の取り組みを最低年1回は学校で実施するように通知を出しました。
その取り組みにこの絵本を使う機会が全国的に増えているのです。
中央図書館が土曜こども映画会で上映してくれました
実は映画化(DVD化)されていて、絵本の空気感を見事に映像化しています。
この上映が今日、横須賀市立中央図書館の土曜こども映画会で行なわれました。
観客はフジノを入れて親子10名ほどでしたが、それでも中央図書館の作品選択は本当に嬉しかったです。
もはやこの表をお見せするまでもなくよく知られていることですが、この国はこどもたちに希望がありません。
15~39才の全ての年代で死因の第1位が自殺です。
10~14才でも第2位は自殺です。
15~34才の若い世代で死因第1位が自殺なのは先進国では日本のみであることを厚生労働省も認めています。
このような危機的な状況でフジノたち自殺対策に関わる人間は、やれることは全てやらねばなりません。
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そんな中、中央図書館をはじめとする市立図書館はいつも様々な形でこどもたちを守ろうと力を尽くしてくれています。
平日の学校時間帯に図書館に来ているこどもたちをとがめることはなく(司書のみなさんはとてもよく見守りをして下さっています)、顔色が悪ければ声がけをしてくれます。
フジノが提案した自殺予防に関連する図書コーナーの設置も2009年から続けてくれています。
今日の上映会も決してテーマをふりかざすことなく、ふだんの『土曜こども映画会』として上映をして下さいました。
図書館司書・職員のみなさんの助けを借りて、もっともっとこどもたちを守る為に取り組みを進めていかねばならないと感じました。
中央図書館のみなさま、ありがとうございました。
そして市民のみなさまもぜひ絵本『カーくんと森のなかまたち』を一度ご覧下さいね。