予算決算常任委員会・全体会が開かれました
今日は『予算決算常任委員会・全体会』が開かれました。
毎回ご説明していることなのですが、横須賀市議会には大きく2種類の委員会があります。
- 予算に関わりのある議案を審査する『予算決算常任委員会』
- 予算に関わりの無い議案を審査する『4つの常任委員会』
今日は、予算に関わりのある議案を審査する方の委員会=『予算決算常任委員会』の最終日でした。
4つの分科会で、市長から提案された補正予算案などの審査を行なってきました。
今日の全体会ではその審議された結果を、分科会長が報告します。
続いて、その報告への『質疑』、複数の分科会にまたがる内容についての『総括質疑』を行ないます。
そして『討論』を行ない、最後に『採決』を行ないます。
フジノは5つの議案すべてに賛成しました。
予算決算常任委員会としても、最終的に5つの議案すべてを『可決』しました。
「福祉の危機」を訴える反対討論は切実で、フジノも心が揺れました
今回、小室重卓議員が補正予算案への反対討論に立ちました。
討論とは、何故この議案に対して自分が賛成なのか・反対なのかを訴えて、議場のメンバーに考えを変えるように説得する為に行なう演説のことです。
フジノは小室議員の反対討論にとても心を動かされました。
あえてひとことに要約すると
「保育現場をはじめ、福祉は待ったなし。『ワンピース』とのコラボイベントは効果額もはっきりせず、予算を支出すべきではない」
というものでした。
(*ぜひ正確な内容は、インターネット録画中継が公開される24日(月)に小室議員の討論をご覧いただきたいです)
補正予算案のうち、小室議員が注目したのは観光課(プロモーション担当)の事業についてでした。
議会に示された説明資料をこちらに記しますね。
「ONEPIECE×横須賀」コラボイベントの開催(集客プロモーション事業)
- 補正の理由
アニメ「ワンピース」と「カレーの街よこすか」が、ともに20周年を迎えることを記念したコラボイベントを開催します。東映アニメーション、京急電鉄、トライアングル、横須賀市と連携し、世界的な人気アニメコンテンツ「ONEPIECE」と地域のグルメ・観光資源をコラボする企画を実施します。
京急沿線は京急電鉄、猿島はトライアングル、市街地は横須賀市がそれぞれ分担し、企画を実施します。
また、この夏公開予定のアニメ作品劇場版(8月9日から上映)のプロモーションにあわせ実施することで、メディアへの露出を図るとともに、ラグビーワールドカップ日本大会、東京オリンピック・パラリンピックを前に、国内外の幅広い世代への発信と集客により地域経済の活性化を目指すため、当初予算では見込めなかった経費について、不足する予算を増額補正します。
- イベントについて
- 開催日時
2019年7月8日(月)~10月20日(日) - 開催場所
①横須賀中央・汐入エリア(ヴェルニー公園、三笠公園、商店街等) 、猿島エリア
②京急沿線の各駅(品川、羽田空港等)、京急百貨店、油壺マリンパーク等 - 実施体制
①共催:横須賀市・京浜急行電鉄(株)・(株)トライアングル
②協力:東映アニメーション(株)・横須賀商工会議所
- 開催日時
- 補正額
2795万円の支出増
→横須賀集客促進実行委員会の負担金として - 2795万円支出増の算出根拠
内容 金額 グルメや商店街とのコラボ企画 361万3000円 ・海軍カレーやグルメとのコラボ企画
海軍カレーやキャラクターをイメージしたグルメ、スイーツを注文するとオリジナルグッズをプレゼント
・商店街ステッカー
対象店舗で500円以上の買い物をすると映画のイラストを使用したステッカーをプレゼント内容 金額 街中や公園等の装飾 1734万9000円 ・市役所の壁面装飾・海賊旗・懸垂幕
・商店街フラッグ・横断幕設置等
・民間事業者との連携による装飾
・三笠公園音楽噴水
・ヴェルニー公園横断幕・街灯装飾内容 金額 イベント周遊マップの作成 368万8000円 ・イベント周遊マップ
・商店街スタンプラリー内容 金額 AR(AugmentedRealityの略、拡張現実) 9か所 0円 内容 金額 警備費 330万円 - インバウンド対応
①多言語情報サイトの活用による市内観光スポット案内
②英字版案内パンフレット制作・配布
③観光案内所による案内(英語・中国語(他言語も翻訳機なら対応可能)上は、横須賀市の事業です。
これに加えて、(株)トライアングルと京浜急行(株)は下の取り組みを行ないます。
【参考】(株)トライアングル実施
猿島での主な企画
- 猿島の愛称変更 モンキー・D・ルフィ島(猿島)
- 猿島航路の渡船のラッピング、声優による船内案内
- 桟橋(島側)の装飾
- 立像製作・設置、船のモックアップ、フォトスポットの設置
- 表示・掲示物・パンフレット・Webサイト等
- 9月以降のイベント開催
①謎解きイベント
②ナイトツアー
③宴島ナイト(貸切パーティー) - コラボグルメ、グッズ販売
- 描き下ろしイラストの制作
京浜急行電鉄(株)実施
- 電車・駅関連
①赤・青・黄色のラッピング電車、広告ジャック
②駅装飾(羽田、品川他全7駅) - 各施設
①油壷マリンパーク
②京急百貨店(グルメ・ショップ)
③記念きっぷ、満喫きっぷ【三崎・横須賀・葉山女子旅】 - その他 グッズ製作(鉄道+アニメ)、ノベルティ、謎解き、 描き下ろしイラスト等
これは、あくまでも補正予算案の一部です。
他にも、例えば教育・保育の無償化の莫大な金額があります。
いずれにしても、子育ての現場、福祉の現場の切実な危機的状況への対応が先決であって、効果もハッキリしない『ワンピース』と横須賀のコラボイベントには反対である、というのが小室議員の反対討論の主張でした。
(小室議員、もしフジノが受け止め違っていたらごめんなさい)
この主張はとてもよく理解できます。
フジノが17年前に初立候補した時、赤字確定のハコモノ建設に使う税金を福祉に回せと強く訴えました。
美術館建設に50億円も市民の税金をつかい、毎年3億円の赤字を垂れ流して穴埋めは市民の税金を使う、そんなバカげた税金の使い方は無い。そう訴えました。
今も美術館は毎年3億円の赤字を垂れ流しています。だからフジノは市の当初予算案に賛成したことは17年間1度もありません。
福祉の現場は今も待ったなしです。
この危機的な状況であえてこの取り組みを本当に税金でやる必要があるのか、という訴えは正しいとフジノも思います。
「経済の再生は福祉の財源を確保する為」と訴え続けてきた上地市長
それでも、フジノは反対にまわることはなく、補正予算案に賛成しました。
理由は、上地市長の市長選挙立候補前からずっと現在まで一貫して変わらない姿勢を信じたからです。
横須賀のまちににぎわいや活気を取り戻して、まずは経済を再興させ、増加した税収を福祉へ投入する、こうした経済と福祉の両立によって、誰も一人にさせないまちを実現してまいりたいと考えています。
2019年2月26日の施政方針演説から引用した上地市長の言葉です。
あまり注目されないフレーズですが、立候補前から上地市長は繰り返しこの言葉をずっと訴えてきました。
選挙前からずっと上地候補のそばでこのフレーズを聴いてきたフジノだからこそ、分かります。
市長就任3年目に入った今でも、必ず折に触れて上地市長は「経済を回すのは増え続ける福祉の財源を確保する為だ」とずっと訴えてきました。
●
上地市長が就任して以来、毎月のようにド派手なイベントが発表されるようになりました。
これは上地市長が持つすさまじい人脈をフル活用して、エンタメやスポーツをはじめとするあらゆるイベントをどんどん引っ張ってきているからです。
例えば、今回の『ワンピース』イベントだって、上地さんが作者の尾田栄一郎さん(おだちゃんですね)と仲良しだったことから実現しました。
新聞をはじめとするあらゆるメディアもこうしたイベントを大きく報じるので、よく市民の方々からこう言われます。
「上地市長は経済政策には熱心だけど、福祉に関心がない」
「上地市長はハデなことが好きだけど、福祉に関心がない」
「上地市長はイベントばかり打ち上げるけれど、福祉に関心がない」
こうしたご意見を市民の方から言われるたびに、毎回フジノは反論してきました。
「上地市長は福祉の財源を確保する為に経済を回そうとしているだけなんです。福祉への関心は歴代市長の中でも最も高いですよ」
「順番が逆です。福祉の財源を確保する為に経済政策をどんどん打っているのです」
と。
フジノは上地さんが議員だった時代からそばにいて、17年間もブレずにずっと同じことを語ってくるのを聴いてきました。
「今後もずっと福祉サービスへの支出は増える一方で、税収は下がっていくばかりの横須賀。これをどうすべきか。経済を回すしか無い」
歴代のハコモノ政策と上地市長の経済政策の決定的な違い
フジノは、歴代市長のハコモノ政策には常に反対を続けてきました。
美術に罪は無いけれど(フジノも個人としては人生の折々において美術に人生を救われてきました)、将来にわたってずっと毎年3億円の赤字が出続ける美術館を50億円も市民の税金を使って作る必要は無い、と。
今でも美術館の赤字を減らす為にずっと提案を続けています。
一過性の花火に過ぎないハコモノは、ずっと赤字を垂れ流し続けていき、市民の税金を食いつぶしていきます。
けれども、上地市長が打ち出してきた様々なイベントは(確かに数千万円規模の支出増になりましたが)、将来にわたって赤字を垂れ流し続けていくものはありません。
これが過去の歴代市長とは大きく異なるポイントです。
そして何よりも異なるのは、その根っこに流れている思想です。
上地市長は、福祉を守る為に経済政策を打っているのです。
メディアは手段(イベントなど)ばかりを大きく報じるので、上地市長の真意(=目的)が全く市民のみなさまに伝わっていないのが残念でなりません。
小室議員の反対討論は胸に響きました。
けれども、フジノが賛成のまま考えを変えなかったのは以上の理由からでした。
- インバウンド対応