アメリカの養子縁組に関わる人達の必読書が初めて邦訳されました
1999年に出版されて以来、今日に至るまでアメリカの養子縁組界に絶大な影響を与えてきた、と評される1冊の本があります。
『Twenty Things Adopted Kids Wish Their Adoptive Parents Knew』
です。
発売10年で13万5000部以上も売れて、出版から20年経った今も養子縁組エージェンシーは『必読書』とされているそうです。
この本が初めて翻訳されて5月20日に出版されました。
日本語版のタイトルは
『養子縁組を考えたら読む本〜これから親になるあなたに知って欲しい20のこと』(著者:シェリー・エルドリッジ、監訳:ヘネシー澄子、訳:石川圭子、明石書店、2019年)
となりました。
親を必要とするこどもたちの気持ちを徹底的に学び続けていきます
この本を手に取ったきっかけがあります。
●
フジノの幼い頃からの親友の数名は、里親・養子縁組によって育ちました。成長していく過程で、友人としてその心情をずっと聴き続けてきました。
小学校時代からの親友は児童養護施設に住み込みで働いてきました。親と離れて暮らすこどもたちを施設で支える友人の想いもずっと聴き続けてきました。
人生を通じて、フジノにとって、血のつながりのある親と離れて暮らすこどもたちの存在はいつも身近なことがらでした。
『血のつながり』と『家族であること』とは全く別である、と考えてきました。
大切なことは、『親を必要とする全てのこどもたちに家庭が与えられること』だと考えています。
そう信じて生きてきたので、17年前に政治家に転職してからもずっと養子縁組・里親制度を強く応援してきました。
●
今回の選挙でもフジノは養子縁組・里親制度の普及を強く訴えました。
ただ、
「里親と養子縁組を圧倒的に増やします」
との宣言は、様々な形で受け止められました。
特に心を打たれたのは、里子の立場の方からのメールでした。
「私は里親に引き取られて育ったけれど、里親からずっと虐待を受け続けてきたので、いつも児童養護施設に戻りたいと願い続けてきた。フジノさんは里親を圧倒的に増やすと言うけれど、むしろ里親になる人の基準を厳しくしてほしい」
という趣旨でした。
切々とその想いが長いメールでに綴られていました。
もちろんフジノは里親・養親の『質』はとても重要だと考えています。
『数を増やす』のは単なる『手段』であり『目的』は『こどもたちが幸せに生きていかれること』です。
そこで選挙が終わってからすぐに、児童相談所長や担当課長ともこのテーマについて意見交換をしました。
現在、横須賀市ではまさに里親・養子縁組を増やす為の計画(社会的養護推進計画)を策定する検討部会が進められています。
フジノも児童相談所長も担当課長もみな同じ想いで居ますので、この計画の中にも、こどもたちの権利が守られるように必ず盛り込みます。
いずれにしても、このメールが強いきっかけとなって、さらに『こどもの立場』の想いを学び続けようと感じました。
友人たちの人生を通じて学んできた想いに加えて、さらにもっと多くの『こどもの立場』の声を聴き続けていこうと感じました。
●
ちょうどその後に、アメリカで長年読み継がれてきた本書が出版されることになり、手に取ったのです。
20年前の本とはいえフジノの学びたいことと完全に一致している本なので、とても良いタイミングで読み始めることができました。
(その2に続きます)