新型コロナ特措法が成立しました
今日、国会で新型コロナ特措法が成立しました。
新型コロナウイルス感染症の拡大に備える為に、新型インフルエンザ等対策特別措置法を改正しました。
これによって、国民生活や経済に甚大な影響を及ぼすと総理が判断すれば『緊急事態宣言』を出すことができるようになります。
都道府県知事は『外出自粛』や『休校措置』を要請できるようになります。
自殺対策の強化が附帯決議に盛り込まれました
メディアではもっぱら私権の制限につながる可能性がある『緊急事態宣言』が焦点となり、報じられました。
一方で全く報じられないのですが、自殺対策をメインの政策とするフジノにとってすごく重要な附帯決議がなされました。
それは、この新型コロナウイルス感染症によって自殺リスクが高まる可能性に対して、自殺対策を強化することを求めたものです。
大規模な自然災害が起こると、発災直後から1年くらいの間は自殺は減少しますが、その後数年間にわたってじわじわと増加していくことがよく知られています。
こうした過去の経験に照らして、新型コロナウイルス感染症の蔓延に対しても自殺対策の強化を政府に求めた附帯決議が加えられました。
政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用等について遺憾なきを期すべきである。
(1〜12 省略)
13 過去の経験に照らせば、新型コロナウイルス感染症の影響が、健康問題にとどまらず、経済・生活問題、さらには自殺リスクの高まりにも発展しかねない状況となっていることを踏まえ、政府は一人の命も犠牲にしないという強い決意のもとに、全国の自治体と連携し、自殺対策(生きることの包括的支援)を万全に講ずること。
(以下20まで省略)
20項目の附帯決議の13番目に自殺対策の強化が記されています。
3月は1年間で最も自殺リスクが高い為に「自殺対策強化月間」と定められていますが・・・
新型コロナウイルス感染症そのものから命は守られたとしても、生活が破綻してしまい、自殺へと追い込まれてしまうのであれば、本末転倒です。
フジノをはじめ、全国の自殺対策に関わる人々はこの附帯決議をもとに、各自治体に対して自殺対策の取り組みを万全のものとするように求めていかねばなりません。
本来ならば毎年3月は自殺対策強化月間です。
しかし横須賀市でも新型コロナウイルス感染症対策の観点から街頭キャンペーンを中止しました。
重要な取り組みである包括相談会(こころとくらしの相談会)も中止されました。
定期的に開催されている『自死遺族分かち合いの会』も中止されるのではないかと思います。
全国でも同様に、自殺対策強化月間の取り組みは中止・縮小されています。
本来ならば、1年間で最も自殺の犠牲者が多いのが3月だからこそ、自殺対策強化月間に定めているのです。
それなのに、多くの取り組みがなされなくなりました。
ハイリスクな状況に追い込まれている方々に対して、今こそ僕たちは力を注がねばなりません。
過去の自然災害の後の自殺による犠牲者数の増加と同じ傾向をたどらない為にも、どうか全国の関係者のみなさま、取り組みを進めていきましょうね。