横須賀市とメディアの報道で統計にズレが起こりました
本日5月19日、メディアでは
「横須賀市で新たな陽性判明1名」
と報道しました。
しかし、横須賀市保健所は公表をしていません。
横須賀市の公表とメディアの報道の間で、感染者数にズレが起こってしまいました。
この理由をご説明します。
新型コロナウイルス感染症に限らず感染症の統計と対応には2つのルールがあります
今回の新型コロナウイルス感染症(SARS-CoV-2)に限らず、感染症の報告と公表には2つのルールがあります。
- 患者さんの居住地にかかわらず、「発生の届出を受けた保健所・保健福祉事務所がカウントする」というルールがあります
- カウントとは別に「実際の対応は患者さんの居住地の保健所・保健福祉事務所が行なう」というルールがあります
今回の患者さんはたまたま鎌倉保健福祉事務所(所管は神奈川県)の管内でPCR検査を受けました。
そして陽性が判明したので、1番目のルールに基づいて、鎌倉保健福祉事務所(所管は神奈川県)が発生届を受け付けました。
その為、鎌倉保健福祉事務所においてカウントされて、発表も鎌倉保健福祉事務所を所管している神奈川県が行ないました。
このルールがありますので、もしも横須賀市保健所がカウント・発表をしてしまうと『ダブルカウント』になってしまいます。
その為、横須賀市保健所ではカウントも発表もできませんでした。
今回の方は横須賀市の50例目にカウントされません。
このルールは全国共通なので、他都市でも同じように処理をしています。
けれどもこうした感染症の統計ルールは報道機関にとっては関係ありませんよね。
そこで、居住地が横須賀市なので報道機関は「横須賀市で新たに1名判明」と報じた訳です。
これが『ズレ』が起こった理由です。
実はこの『ズレ』はこれから先も起こる可能性があります。
市民のみなさまにとっては「市内居住の方が新たに感染した」という事実のみが重要ですから、このルールは分かりづらいですよね。。。
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また、2番目のルールに基づいて、患者さんご本人への対応や濃厚接触者調査などは横須賀市保健所が行なっています
繰り返しになりますが、これは新型コロナウイルス感染症だけのルールではなく、通常の対応です。
どうかご理解下さい。