台風シーズンを前に避難所の感染症対策の新たな取り組み
昨年2019年の台風15号・19号は各地に大きな被害をもたらしました。
横須賀市でも地域のコミュニティセンターや総合体育館に避難所が設置されました。
今後も毎年のように大型化した台風が被害をもたらす想定であらゆる対策が必要です。
さらに、新型コロナウイルス感染症のパンデミックの状況下で複合災害が起こる可能性も想定しなければいけません。
そこで横須賀市では、夏の台風襲来を前に避難所の感染症対策として新たな設備の購入を決定しました。
(本日開催された臨時議会で予算案が可決されました)
- 避難所内で避難者同士の間隔を確保し飛沫感染を防止する為の屋内用テント・820張
- 避難所に入る際に検温を行なうための非接触型体温計・44個
- 冷房設備が無い体育会館用にスポットクーラー・12基
費用は5137万円です。
屋内用テント
屋内用テントを820張、購入します。
ふだんは86cm×86cm×18cmの箱に収まるサイズなのですが、広げると2.1m×2.1m=4.4平方メートルの床面積になります。
スペース的には4名は入れます。
- 4名×820張=3280名
市内17コミュニティセンター(土砂災害警戒区域にある坂本コミュニティセンターとテントを張る大きな部屋の無い長井コミュニティセンターを除きます)と、総合体育館(横須賀アリーナ)・北体育館・西体育館・南体育館に備えておきます。
昨年の台風19号の時、避難所に避難した市民の方々の最大時の数は、約1600人でした。
けれども仮に1世帯2名だとしても
- 1世帯2名×820張=1640名
と、昨年の避難者数の最大時を上回る方がテント内で過ごせる見込みです。
一番の目的は感染防御なのですが、もう1つ、プライバシー保護の目的もあります。
昨年の台風19号の時には、総合体育館やコミュニティセンターでは残念ながらプライバシーの配慮が不十分でした。
「もう避難しない!」とのご批判も頂きました。
その反省から、着替えや赤ちゃんへの授乳にテントを使っていただければプライバシー保護ができると考えています。
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当日、発熱や具合の悪い方はテントのある広いスペースではなく、和室など別室にておやすみいただきます。
これによって、インフルエンザやコロナウイルスなどの感染症が蔓延しないようにします。
非接触型電子体温計
避難所に入る前に、みなさんの体温を非接触型の電子体温計で測定します。
44個の体温計は避難所となるコミュニティセンター&体育館に配備します。
スポットクーラー
避難所として利用することになるコミュニティセンターには、現在もクーラーが設置されています。
けれども残念ながら北体育館・南体育館・西体育館には空調設備がありません。
熱中症対策が不可欠ですので、この3ヶ所の体育館にスポットクーラーを4基ずつ合計12基を設置します。
スポットクーラーは体育館全体を冷やすパワーはありません。
4ヶ所に置いて、暑さに弱い方や暑さで気分が悪くなってしまった方の為に使うような形になると思われます。
けれどもあくまでも今回の購入は、この夏の台風襲来に備える為の急ぎの対応となります。
中期的には体育館に空調設備を設置する予算をつけていくことになります。
コロナ禍でも安心して避難所で過ごせる為に
この3種類の装備品を購入して終わりではありません。
横須賀市保健所の保健師の方々は、過去に大きな自然災害が発生した時に、全国に支援の為に派遣されています。
その為、インフルエンザが蔓延してしまった避難所で支援にあたった経験もあります。
感染症と自然災害との複合災害にも対応できるように、全国の被災地支援の経験を持つ保健師の方々と、災害対策の担当課である危機管理課が意見交換を重ねています。
これからもさらに検討を重ねて、複合災害に対応できる体制を構築していきます。
市民のみなさまからのご意見をぜひお寄せ下さい。
よろしくお願いします。