神奈川大学「地方自治論Ⅰ」でゲストスピーカーをしました
今日は、神奈川大学の『地方自治論Ⅰ』にゲストスピーカーとして出演しました。
浅野史郎教授に今年もお招きいただいたのです。
アサノ先生が神奈川大学に2013年に着任されてから7年間、フジノはゲストスピーカー皆勤賞です。
盟友である江口友子さん(平塚市議会議員)・DELIさん(松戸市議会議員)とともに、地方議員3名で大学生のみなさんとお話しました。
コロナ禍での大学生たちの置かれている苦境
今年は特別なことが2つありました。
第1に、コロナ禍の為に講義はZOOMで行なわれたことです。
白楽のキャンパスではなく、学生のみなさんもアサノ先生もフジノたちも自宅やそれぞれの居場所でパソコンを開きました。
学生のみなさんの通信料を考慮して、映像はオフ。
フジノたちは学生のみなさんの顔は一切見えませんでした。
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今年はアサノ先生からゲストスピーカーの依頼を頂いてから、ずっと悩ましい気持ちで過ごしました。
毎年のことですが「高い学費にみあった講義にしたい」「1回の講義が人生を変えることもあるのだから良いものにしたい」と思い、事前の準備にはいつも力を入れています。
しかし今年はいつも以上に力を入れねばならないと思いました。
何故なら、新型コロナウイルス感染症のパンデミックの今、学ぶ機会はおびやかされているからです。
全国の大学生のみなさんの置かれている状況を思うと、フジノはとても切なくなります。
大変な受験生活を終えて夢をもって入学してたくさんの新たな出会いがある大学生活が始まるはずが、新型コロナウイルス感染症によって全国の大学が閉鎖しています。
入学式が行われなかった大学もあると聴いています。
講義を開始している大学も収録された動画を観るだけ、ZOOMなどによる双方向といっても、大学の教室でのリアルな講義とは全く異なります。
さらに、入学を機に他県・他市から引っ越して下宿している学生の多くは、アルバイトもストップしてしまい、生活がとても厳しい状況に追い込まれています。
仕送りをしてくれる保護者の側も、感染防護の為の休業によって収入が減り仕送りが厳しくなっているとしばしばお聞きします。
そのような状況ですから、横須賀市では、市内の大学に通う大学生たちにフードバンクと連携して食料を配りました。
数年前から横須賀市は、生活困窮に追い込まれた方々への食の支援を行なってきました。
大学生を対象にしたのは初めてで、今までは大学生たちは生活困窮とは無縁の存在でした。
けれども今回、食料の提供を受けた大学生たちからは、強く感謝されました。
本当にとても生活に困っているのです。
きっと神奈川大学の学生のみなさんも状況は同じだと思います。
ウェブによるリモート講義なのだからどこで受講しても同じだから、実家に帰って家族のもとで生活したいけれども、帰省も許されない。
せっかく大学に入ったのに、まだ全く同級生と会うことができていない。サークル活動も無いまま。
外出を控えて、いつ終わるか分からないコロナ禍のもとで過ごさねばならない日々。
全国では多くの大学生が退学を考えているとの調査結果も出ています。
だからこそ、とにかくこの100分間は全力を尽くして学生のみなさんと向き合おうと努めました。
(神奈川大学は90分ではなくて100分で1コマなのです)
そんなフジノの全力が、どうか学生のみなさんに届けばいいなと願いながらZOOMに向かいました。
どうかコロナ禍の2020年を過ごしている全国の大学生のみなさんが、この日々をのりこえて学び続けられることを心から祈っています。
浅野史郎先生は今年度いっぱいで退官されます
2つ目の特別なことは、アサノ先生が今年度いっぱいで退官されることです。
宮城県知事を3期12年ですぱっと辞めて、宮城県社会福祉協議会会長、慶應義塾大学SFCの教授、そしてHTLV-1との闘病、神奈川大学特別招聘教授への就任。
フジノは大学1年生の時に本を通してアサノ先生に出会いました。
人生の不思議なご縁のおかげで、そんな特別な存在であるアサノ先生といろいろな機会にご一緒させていただくことができました。
そんなアサノ先生がついに退官されるのです。
フジノは万感の思いでした。
アサノ先生のライフワークの1つである『地方自治論』には、慶應義塾大学SFCの時から関わらせていただきました。
アサノ先生の弟子のような気持ちでいつもそばに居ました。
師匠の視線を受けながら壇上に立って学生のみなさんにお話をするのはいつも二重の緊張でいっぱいでした。
ゲストスピーカーもついに卒業です。
アサノ先生はいたってお元気ですが、フジノがこうして何かの形でアサノ先生とご一緒させていただく機会は少なくなるのかもしれません。
とてもさみしく感じます。
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神奈川大学の学生のみなさん、そしてアサノ先生、本日はとても貴重な機会をありがとうございました!