性的マイノリティ当事者のみなさまの老後の不安を減らしたいです
9月7日の生活環境常任委員会でフジノは、いわゆる性的マイノリティ当事者のみなさまの
「老後の不安を少しでも減らしたい」
という想いから複数の質問をしました。
その結果、いくつかの改善がなされました。
まずこの記事では『介護保険の認定』についてご報告します。
介護サービスを受けるには「認定」を受ける為の「申請」が必要です
もしあなたがまだ若ければ老後のことは考えたことが無いかもしれません。
でも、若年性認知症になったり、高齢になると、誰もがかつてのように心身が思うように機能しなくなって生活に不自由を感じるようになっていきます。
その時に必要になるのが『介護保険』です。
自宅にホームヘルパーさんが介護に来てくれたり、訪問看護師さんが医療的なケアに来てくれたり、特別養護老人ホームに入所したり、これらは全て介護保険のサービスなのです。
では介護保険のサービスを受けられるようにするにはどうしたら良いか、その流れを横須賀市の冊子『あんしん介護保険』から紹介します。
介護保険のサービスを受けられるようになる為には、まずあなたはお住まいの自治体(市区町村)に介護保険を使う為に『介護認定の申請』をします。
申請を受けると、自治体は職員などをあなたの自宅や入院先に派遣します。あなたの心身の状態をチェックする為です。
これを『認定調査』と呼びます。
そしてチェックした結果、判定が出ます。
あなたの心身の状態を、非該当、要支援1・2、要介護1~5というように区分をします。
この区分を『要介護度』というのですが、今後受けられるサービスの量が決まります。
つまり、介護保険の全てのはじまりは『認定の申請』を行なうことなのですね。
多くの自治体や介護サービス事業所が「申請は本人または家族」と明記しています
この介護サービスを受ける全てのスタートが『申請』なのですが、多くの自治体では
「申請はご本人またはご家族が行なうことができます」
と書いています。
Google検索に「介護保険」「認定」「申請」と入力して検索をかけたら、最初に出てきた自治体HPにはこう書いてありました。
次に出てきたのは民間のある介護サービス事業所HPでした。
2つだけ紹介しましたが、ほとんどの自治体では
介護保険の認定申請をできるのは本人または家族
と明記しています。
横須賀市が介護の必要な方にお配りしている冊子『あんしん介護保険』でも同じです。
横須賀市は現場レベルでは誰からの申請でも受理しています
でも、フジノは知っていました。
横須賀市の現場レベルでは申請を本人または家族に限定なんてしていません。
フジノは個人としては自分の両親・親戚、市議としてもいろいろな方々の認定申請のお手伝いをしてきたからです。
ひとり暮らしで全く身寄りがない方もたくさんいらっしゃいます。そうした時、横須賀市ではご友人からの認定申請であっても正式に受理してきたのです。
法的にも全く問題ありません。
この事実がちゃんと知らされていない為に、多くの方々が
「本人か家族か地域包括支援センターでなければ申請できないんでしょ?」
と誤解しています。
「家族じゃなければ申請できない」
とあらゆる自治体HPや介護サービス事業所HPに記されてしまっているので、いわゆる性的マイノリティ当事者の方々は
「法的な家族じゃない自分たちは、大切な人に介護サービスが必要になった時にどうすれば良いのか・・・」
と不安を感じておられます。
そこでフジノは、このような質疑をしました。
フジノの質問
市民部人権・男女共同参画課に数点伺います。よろしくお願いします。
まず『介護保険の申請』についてです。
一般的に多くの市区町村では、介護保険の認定を受ける申請は「サービスの利用を希望するご本人」(ご高齢の方、または若年性認知症の方などですね)また「ご家族」が行なうものと記されています。
その為、いわゆる性的マイノリティされる方々(以下、性的マイノリティ当事者と略させていただきます)は
「自分たちは法的な家族ではないから申請ができない」
と受け止めておられます。これは全国的にも明らかです。
けれども本市の介護保険では申請者を本人と家族だけに限定はしていません。
例えば、ひとり暮らしの方であればご友人が申請をすることもしばしばあります。
そして、もちろん受理をしております。
つまり、当然ながら性的マイノリティ当事者もパートナーに介護が必要となった場合にはもちろん申請することができます。
けれども、どこにも明文化されておらず、周知もされていないので、本市のこの事実は全く知られていません。
そこで、この事実をしっかりと周知して、性的マイノリティ当事者から介護に対する不要な心配を取り除く必要があると僕は考えています。
そこで質問します。
人権・本番男女共同参画課は介護保険課と協議して、本市ホームページや広報よこすかや冊子『あんしん安心介護保険』などの記述のあり方や周知の方法を改善すべきではないでしょうか。
お答えください。
人権・男女共同参画課長の答弁
今、委員からご意見のありました、性的マイノリティの当事者の方もパートナーに介護が必要になった場合に申請ができることについてですが
人権男女共同参画課のホームページに、性的マイノリティの方も活用できる制度などとコーナーを設けておりますので、多くの方に知って頂けるようにそちらのホームページにまず掲載をしたいと思っております。
そして広報よこすかと『あんしん介護保険』の記載については福祉部介護保険課の方に当課から伝えたいと思います。
人権・男女共同参画課は100点の答弁をしてくれました。
もちろん、事前に福祉部介護保険課とは丁寧にやりとりをした上で質問に臨みました。
高齢化率の高い横須賀市ですから、現実に即した対応をしてきた介護保険課はフジノが質問をすることを快く受け止めてくれました。
横須賀市HPの「性的マイノリティの方も活用できる制度」のコーナーが改善されました
9月7日の答弁から10日が経った今日9月18日、さっそく横須賀市HPが答弁のとおりに改善されました。
どうかみなさま、知っていて下さい。
パートナーシップ宣誓証明書も不要です!
あなたや大切な方のSOGIが何であろうと全くカンケーありません。大切な方に介護が必要になった時は、最もそばに居るあなたが申請をして下さい。
横須賀市の福祉部介護保険課はあなたから申請を受理しても、関係性を尋ねるようなことはありません。
カミングアウトの強要などはありません。
アウティングも条例で禁止しています。
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今後は、最も市民に身近な広報紙である『広報よこすか』と、実際に介護が必要な方にお配りしている冊子『あんしん介護保険』の表現を改善していかねばなりません。
もう少し待っていて下さいね。