10月11日は「国際カミングアウトデー」です
本日10月11日は『国際カミングアウトデー』とされています。
カミングアウトデー (英語: National Coming Out Day、NCOD) は、自身の性的指向や性自認をカミングアウトしたレズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー(LGBT)の人々を祝い、人々の認識向上を目的とした記念日。
Wikipediaより
この定義の前半部分である、カミングアウトをした人々をお祝いする、という意味でとても象徴的な活動をしている方がいらっしゃいます。
かずえちゃんが今年も『LGBTQ100人カミングアウト』の動画を作成して公開しています。かずえちゃんのご許可を頂いて、こちらのブログにも掲載させていただきました。
今年もとても素晴らしい動画なのでぜひご覧下さいね。
フジノはうつ病とパニック障がいをかれこれ20年にわたって闘病していることを初立候補の時からカミングアウトしています。
会社員として仕事をしていた時からオープンにしていましたし、立候補するくらいで隠すことでも恥ずかしいことでもないし、何より自分がそうした行動を取ることが人々の偏見・差別・スティグマに加担してしまうのが嫌だったからです。
選挙公報にも書いたこともありました。精神疾患に苦しんでいても、政治家としてこれだけ実績を上げてきた藤野英明そのものを見てほしいという率直な想いがあったからです。
そんな自分の在り方から、かずえちゃんの動画に出演してくださっているみなさまにも、フジノは強い共感を抱きます。
こちらの記事もカミングアウトデーについて分かりやすく記してあるので、よろしければあわせてご覧下さいね。
どの定義を取るかでニュアンスは異なってきますが、フジノの受け止めはWikipediaの定義の後半部分に重きをおいています。こんな感じです。
誰もが自らの性的指向・性自認のままに尊重されるべき社会になるように、社会全体が取り組んでいく日
SNSを見ていると様々な受け止め方があります。
カミングアウトデーを否定的に受け止めておられる方もいらっしゃいます。
カミングアウトを強制される日のようでイヤだ、という方もいらっしゃいました。圧力に押されて本人の意志とは違う形ですからそれはカミングアウトではありませんよね。
かずえちゃんの動画を掲載させていただいているフジノですが、一方で、カミングアウトした人がえらいとかすごいとは全く思いません。
そういう次元のお話では全く無いからです。
そもそもカミングアウトするもしないもおひとりおひとりの自由です。できない事情は山ほどあるのが現在の社会状況ですから。フジノがアドバイスを求められたらムリにすすめたりは絶対にしません。
カミングアウトをしようがしまいが、まずは、あなたがあなたらしく居てほしい、というのがフジノの願いです。
何よりも変わるべきは社会の側です。
SOGI(性的指向・性自認)は多様であることが当たり前の現実を、ふだんから、社会とそれを構成するひとりひとりの人が
「そんなこと当たり前でしょう?」
と誰もが自然に認識するようになるように、政治・行政が積極的に取り組んでいかねばならないとフジノは考えています。
2018年3大改革の結果、横須賀市は条例を全面改正しました
この国際カミングアウトデーに、フジノから市民のみなさまに改めて『横須賀市の姿勢』についてお伝えしたいです。
多様な性を保障する取り組みを長年フジノは取り組んできましたが、上地市長の誕生によって、2018年度には3つの大きな改革が実現しました(それをフジノは『性的な多様性を保障する横須賀市の2018年3大改革』と呼んでいます)。
- 横須賀市パートナーシップ宣誓証明制度の創設
- 男女二元論だった男女共同参画推進条例の全面改正→横須賀市男女共同参画及び多様な性を尊重する社会実現のための条例へ
- 横須賀市人権施策推進指針の初めての改定
この2番目である条例改正についてお知らせしたいのです。
横須賀市には『男女共同参画推進条例』という条例があったのですが、男女二元論の古い時代の遺物のままでした。
多様な性が当たり前である現実に照らしてフジノは10年前から改正を提案してきたのですが、前市長は全く動かず(例えばこちらの質疑など)。
しかし上地市長の誕生によって、ついに条例の全面的な改正が行なわれることになりました。
金井淑子先生ら審議会委員のみなさんに、2018年に1年かけて審議していただきました。
そして、条例は生まれ変わりました。
横須賀市はカミングアウトが個人の権利として保障されることを条例に明記しました
それが『横須賀市男女共同参画及び多様な性を尊重する社会実現のための条例』で、翌2019年4月1日から施行されました。
今日のブログでは第3条第1項(6)についてお伝えしたいです。
基本理念を明記した第3条の中に「カミングアウトはあくまでも個人の権利であり、アウティングは絶対に許されない」と記しました。
(基本理念)
第3条
(1) 全ての人が、性別等にかかわらず個人として尊重され、いかなる場合においても暴力及び不利益な扱いを受けることなく、自由に生き方が選択できること。
(2)〜(5) 中略
(6) 性的指向、性自認等に関する公表の自由が個人の権利として保障されること。
横須賀市は、カミングアウトはあくまでも個人の自由であり、権利として保障されることを市の基本理念としました。
この権利を奪うことを明確に禁止しています。
(性別等による人権侵害の禁止)
第8条 全ての人は、いかなる場合においても、性別等による差別的な取扱い及び暴力による人権侵害を行ってはならない。
さらに、救済の為の取り組みも明記しています。
権利の侵害を受けた時は専門委員に苦情・相談を申し出ることによって、専門委員は調査・是正の措置などを取ることを定めました。
(男女共同参画及び多様な性の尊重に関する専門委員)
第11条2 次に掲げる者は、委員に対し、書面により苦情、相談等を申し出ることができる。
(2) 市内で男女共同参画及び多様な性を尊重する社会の推進を阻害する要因により人権が侵害された者又は侵害されるおそれのある者
(委員の職務等)
第12条 委員は、関係者の同意を得て、前条第2項の苦情、相談等に基づき、必要に応じその内容を調査し、是正等の措置を講ずるよう関係者に要請し、又は関係機関へ引き継ぐことができる。
横須賀市はカミングアウトを個人の権利として守り、アウティングを許しません。
権利が奪われるようなことがあれば、専門委員が是正措置を取ることになっています。
条例を使い倒して、社会を変えていきましょう
条例は使い倒さねば単なる文章になってしまいます。
この9月議会でもフジノは、この第3条第1項(6)を根拠にして「コロナ感染者の個人情報の公表がアウティングにならないように改善すべき」と提案しました。
条例を根拠に改善を求めたら、市は当然に改善しなければなりません。
そして、実際に今では公表方法が改善されました。
条例は使ってこそ、意義があります。ぜひあなたにも知っていてほしいのです。
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毎日の暮らしの中で、あなたが条例の存在を意識することはまず無いと思います。
けれどもフジノなりに全力を尽くして、あなたの権利が守られるように横須賀市の法律である条例に明記しました。
条例は、法律と同じです。
市も、市民も、守らねばならないものです。
ぜひこの条例の存在を知っていてほしいのです。
そして、あなたが条例に魂を吹き込んで下さい。
本日の国際カミングアウトデーをきっかけに、ぜひあなたに知っていただきたかったことを記しました。
誰もが望む自分らしく生きられる社会が一刻も早く実現するように取り組みを進めていくことを、今日、国際カミングアウトデーにフジノは改めて誓います。
一緒にがんばっていきましょうね。