再びベイビーロスアウェアネスウィークについて市長に一般質問しました
9月議会に続いて今回も『ベイビーロスアウェアネスウィーク』について一般質問を行ないました。
ふつうの感覚だと、9月議会で取り上げたのと同じテーマをすぐ次の12月議会で続けて質問することはありません。
何故なら、わずか3ヶ月で大きく市の方針が変わるような事態の変化は起こらないからです。
けれども、あえて重ねて質問をしたのは、9月議会での提案を受けて実施された取り組みが全国的に大きな反響を呼んだからです。
「やはりこのテーマは社会から取り組みを求められていた!」とフジノは痛感しました。
そこで、さらなる取り組みを提案しました。
3つの質問をご紹介します。
質問1.「ベイビーロスアウェアネスウィーク~亡くなった赤ちゃんとご家族に想いを寄せる1週間~」の初日に本市が発信したメッセージが全国から高い評価を受けたことについて
Q.フジノの質問
2020年9月議会での提案を受けて、本市は『ベイビーロスアウェアネスウィーク~亡くなった赤ちゃんとご家族に想いを寄せる1週間~』の初日10月9日と、最終日10月15日に本市公式ツイッターアカウントからメッセージを発信しました。
特に初日に発信したツイートは全国から好感をもって受け止められました。全文は次の通りです。
「結婚したら妊娠し、赤ちゃんを産めて当然だ」というイメージを持っていませんか?不妊・不育、流早産などつらい経験に苦しみ、周囲からの心無い言葉により悲しい思いをされている方がいらっしゃいます。横須賀市は、これを深く受け止め、その方々の気持ちに寄り添うまちづくりに取り組んでいきます。
11月20日現在、「いいね」が884、リツイートが280、引用リツイートは35にのぼりました。
未確認ですが、本市公式アカウントで発した過去のどのツイートよりも多い「いいね」数ではないでしょうか。
強い賛同のメッセージも寄せられました。
例えば、
「こういう温かい街いいなあ。市が理解してくれるって嬉しいよなぁ」
「行政のアカウントが自らこういう発信をしているの最高すぎる。横須賀市にも住んでみたいと思った」
「自治体主導でこの取り組みをリードしていただけると心強いですね」
「全国的にこういう考えが広がってくれるといいな」
「何十年も受け続けたダメージってそう簡単には消えないから、このツイートには救われる」
「いいぞ横須賀市!」
「もう横須賀市に引っ越したい!」
「これをツイートできる市のアカウントすばらしすぎるな。安心感しかない」
「横須賀市すき」「この言葉をきいて横須賀に住みたくなった」
などです。
本市はこれまで全国的にも珍しい、赤ちゃんを亡くしたご家族へのグリーフケアの取り組みで高い評価を受けてきましたが、さらに今回、赤ちゃんを亡くしたご家族の存在について社会を啓発する取り組みでも全国から高く評価されるようになったのです。そこで伺います。
【質問】
実施前には、啓発の仕方によってはフラッシュバックが起こり、かえって不調を訴える方々もいらっしゃるのではないかと心配する答弁をしておられましたが、今回、実際にそのようなご意見は本市に寄せられたのでしょうか。
実際にメッセージを発信した結果、全国から寄せられた「いいね」や好意的なコメントの数々などを受けて、本市が発信したメッセージが全国に与えた影響や取組の必要性について、どのように自己評価していらっしゃいますか。
A.市長の答弁
メッセージの発信に対する意見についてです。今回発信したメッセージについて、不調を訴える御意見は、幸いなことに寄せられていません。
次に、自己評価についてです。全国から想像以上の大きな反響をいただいたことに大変驚いています。
そして、行政として取り組むことへの期待と責任を強く感じています。引き続き、亡くなった赤ちゃんとその御家族の気持ちに寄り添えるように取り組んでまいりたいと思います。
質問2.亡くなった赤ちゃんとご家族について、その存在、支援の必要性、社会にある偏見の解消について、本市が日常的にあらゆる啓発の取り組みを行う必要性について
Q.フジノの質問
僕は本市が発信したメッセージが全国に与えた影響を高く評価しています。
一方で、現時点では実際のアクションは公式アカウントから2通のツイートを発信しただけであることもまた事実です。
今後は社会啓発の取り組みを積極的かつ継続的に行なっていく必要があります。そこで伺います。
【質問】
来年度は、本市のあらゆる公式SNS、ホームページ、広報よこすかを通じて、流産・死産・中絶・新生児死亡などによって亡くなった赤ちゃんとそのご家族について、その存在と支援の必要性と社会にある偏見の解消について市民に語りかけるべきではないでしょうか。
【質問】
啓発冊子やチラシを作成して、公共施設や協力していただける民間施設に配架すべきではないでしょうか。
【質問】
赤ちゃんを亡くした天使ママ・天使パパ・天使きょうだいなどご家族の立場の方々をスピーカーとしてお招きし、市民向けに理解と支援と啓発の為の講演会を開催すべきではないでしょうか。
A.市長の答弁
次に、亡くなった赤ちゃんとその御家族への理解と社会にある偏見の解消に向けた発信、啓発冊子等の配架及び講演会の開催について、併せて回答させていただきます。
御家族への支援や偏見の解消への取組は、大変重要なことだと思いますので、継続して取り組んでいきたいと考えています。
市民への情報発信については、SNS等の利用やチラシの作成、配架、講演会の開催など、様々な方法が考えられますが、関係者の御意見や御協力をいただきながら、効果的な方法を検討してまいりたいと思います。
質問3.本市の姿勢をより強く打ち出す為にも「ベイビーロスアウェアネスウィーク~亡くなった赤ちゃんとご家族に想いを寄せる1週間~」を来年度は公的な啓発週間とし、様々な取り組みを行う必要性について
Q.フジノの質問
前の質問では、特定の期間に限定しない、日常的かつ継続的な取り組みを提案しました。
長期的に最も効果的なのはこうした取り組みなのですが、一方で世界中のあらゆる地域や人々と同じタイミングで歩調をあわせて啓発イベントを実施することも重要です。
本市の姿勢をより強く打ち出せる、国内外の多くの人々との強い連帯感がうまれるなど、大きな相乗効果を得られるからです。
加えて本市は今年の取り組みによって全国の当事者の方々からの強い期待も背負っています。
そこで本市によるベイビーロスアウェアネスウィークへの関わりについて改めて提案します。
【質問】
来年度はベイビーロスアウェアネスウィークを本市の公的な取り組みとして、積極的に取り組んでいくべきではないでしょうか。
【質問】
来年度もベイビーロスアウェアネスウィークにあわせて、本市の公式SNSアカウントによるメッセージを発信すべきではないでしょうか。
世界のあらゆる公的機関の建物や民間のスタジアムなどや有名建築物などでは、今年もベイビーロスアウェアネスウィーク期間中にこの取り組みへの参加表明と社会への啓発の為にシンボルカラーのピンクとブルーにライトアップがなされました。
【質問】
そこで来年は、本市も市役所の庁舎などをピンクとブルーにライトアップする取り組みを行なってはいかがでしょうか。
【質問】
ベイビーロスアウェアネスウィークの最終日に世界中で『Wave of Light』が実施されていますが、本市も市役所前公園などでキャンドルを灯す取り組みを行なってはいかがでしょうか。
A.市長の答弁
ベイビーロスアウェアネスウィークについて、4問併せてお答えさせていただきます。
私も、国内外の人々と同じタイミングで情報発信を行うことが効果的だと考えます。来年度も、この期間に合わせて、公式SNSによりメッセージを発信していきたいと思います。
啓発週間における市役所庁舎のライトアップや、市役所前公園でのキャンドルをともす取り組み等は、関係部署と協議しながら、できるところから取り組んでいければと思っています。
一般質問は、以上となります。
全体的にものすごく前向きな答弁でした。
特に来年のベイビーロスアウェアネスウィーク2021に向けては、あらゆる取り組みの実現に向けて期待が高まりましたね。
来年のベイビーロスアウェアネスウィークは横須賀市役所をライトアップしてみせます!
ライトアップにはとても大きな予算が必要です。
これまでフジノは、神奈川県庁で行なわれた他の啓発週間のライトアップを見学して、実際にかかった費用などもお聴きしてきました。
コロナ禍で横須賀市の財政がとても厳しい状況に追い込まれている中で、こども育成部の予算の枠から果たして100万円単位の予算をライトアップの為だけには充てられないとフジノは考えています。
そこで、来年のベイビーロスアウェアネスウィーク2021に向けては
- ライトアップの設備と費用はフジノが準備する(業者さん探しとクラウドファンディングでの寄附を考えています)
- 横須賀市にはライトアップに対して『横須賀市後援』と明記していただく
というのが現実的なのではないかなと考えています。
今回、市長への質問を作成するにあたって、担当部署の部課長らと意見交換をたくさんしました。みなさん、すでに来年度に向けて前向きな姿勢でした。
ここには記せないのですが、いろいろなアイディアも出して下さっています。楽しみですね。
いずれにしても
2021年は横須賀市でベイビーロスアウェアネスウィークにライトアップを実現します!
これは政治家としてではなく、藤野英明個人として絶対に実現してみせます。
どうか言葉にできない悲しみや苦しみを心の奥にぎゅっと閉じ込めている方々が、少しでも、天使になった大切な赤ちゃんのことを温かい気持ちに感じられますように。
そして、変わるべきは社会の側です。
この誤った風潮を持つ社会の側を変えていく為のきっかけや啓発の取り組みを、フジノはどんどん進めてまいります。
1年間を通して取り組みを進めていきますが、特に2021年の10月9日からのベイビーロスアウェアネスウィーク2021はさらに全力を尽くして取り組みを発信していきますからね。
赤ちゃんの死をムリに語れという誤解はおやめください
ある議員から「赤ちゃんを亡くしたことを無理やり話せということか」というようなおかどちがいの発言がありました。
これは全くの誤解です。
かなり長い時間の話し合いをもったのですが、その議員の強力な支援者がこの取り組みをとても嫌っているようで、すごく残念です。
理解をしようという姿勢は見られず、何時間お話してもダメでした。
フジノは本当にたくさんの当事者の方々の悲しみの声をこの17年間ずっと聞き続けてきました。
世間が語れない死にしてしまっている流産・死産・新生児死亡など赤ちゃんの死について、せめてこの横須賀市だけでも安心して語れるようなまちでありたい。それがフジノの願いです。
語れない空気でがんじがらめにされている中で、すでに僕はグリーフケアの取り組みを横須賀市とともに進めてきました。
エンジェルサポート事業という取り組みもフジノの提案をもとに実現していますが、誰かに語りたい・聞いてほしい、そんな方がどこにも行き場所が無い状況をすでに横須賀市は変えたのです。
センシティブなテーマは、フジノのライフワークである自殺対策も同じですが、理解されるのに長い時間が必要です。それでもフジノがすすめてきた方向性がまちがっていなかったことは、すでに歴史が証明をしてくれています。
ベイビーロスアウェアネスウィークとそれが象徴している大切な赤ちゃんを亡くしたお母さんとご家族の尊厳が守られる為の取り組みは、必ずこの国に広まっていくはずです。
国内でどのまちも取り組みを進めていない中で、横須賀市がスタートしました。
全国で他に例がありません。
だから、反対意見も出るでしょう。フジノは反対意見の方ともじっくり話し合って、この取り組みへのご理解を求めていきたいです。
おひとり反対しておられる議員の方も来年一緒にこの取り組みに参加して頂けるように、フジノはこの取り組みの大切さを説明し続けていきたいと思います。