横須賀市が全面協力した「全国の教職員のLGBTs意識調査レポート」が完成/日高庸晴先生が上地市長・副市長・教育長を2年ぶりに表敬訪問しました

日高庸晴先生が上地市長らを表敬訪問しました

2年ぶり日高庸晴先生(宝塚大学教授)が横須賀市役所を訪れました。

上地市長・永妻副市長・新倉教育長との面会に、2年前と同じくフジノも同席させていただきました。

左から、新倉教育長(後ろ姿)、日高庸晴先生、上地市長、永妻副市長
左から、新倉教育長(後ろ姿)、日高庸晴先生、上地市長、永妻副市長

2年前のブログでは横須賀訪問の理由をまだ明かすことができなかったのですが、今回はついにご報告できます!

日高庸晴先生が全国の教職員(幼稚園・保育園・小中学校・高校・特別支援学校)を対象に行なったLGBTs意識調査がついに完成しました。

横須賀市はこの調査に全面的に協力しました。

完成した「性的指向と性自認の多様性に関する教員意識調査レポート」
完成した「性的指向と性自認の多様性に関する教員意識調査レポート」

性的指向と性自認の多様性について全国の教職員の意識調査を行なった10年前(2011年調査)の追跡調査にあたります。

  • 2011年調査→全国6自治体、5,979人が回答
  • 今回の調査→全国36自治体、2万1634人が回答

前回・今回と両方の調査に参加した自治体は全国でもごくわずかなのですが、実は関東では横須賀市だけなのです。

2年前、日高先生はこの調査の依頼に訪れて、上地市長が全面的な協力を約束しました。

そして横須賀市教育委員会と市立学校の協力のもと、全教職員を対象にしたアンケート調査を実施したのです。

全国調査の結果は、今年2021年3月、朝日新聞をはじめ各社によって報じられました。

「同性愛教えた」教員の11%、「教える必要ある」は75%

朝日新聞

性の多様性 学んだ先生は・・・子どもの悩み 把握しやすく

中日新聞

などなど。

フジノは見逃してしまったのですが、神奈川新聞でも報じられていたようです。

今回の調査結果を紹介しているリーフレットはこちらからご覧になれますので、ぜひチェックしてみて下さいね。

横須賀市と教育委員会は調査結果を今後に活かします

横須賀市も横須賀市教育委員会も、単に調査に協力するだけではなく、この結果を今後の取り組みに活かしていきます。

調査研究が完成した直後に、日高先生から教育長・教育委員会事務局にリーフレットを送っていただきました。すでに全教職員向けにPDFファイルで配布を終えています。

また、教育委員会が校長会の場でもこの調査結果について取り上げます。

さらに、7月に日高先生に横須賀市を訪れていただき、研修の講師も務めていただきます。

日高先生と上地市長はとてもケミストリーが合う気がします
日高先生と上地市長はとてもケミストリーが合う気がします

公開されているリーフレットとは別に、協力してくれた自治体のデータと全国のデータを比較した結果を非公開で日高先生は各自治体に提供してくれています。

横須賀市の教職員の意識調査結果をもとに、しっかりと今後の取り組みに活かしていきます。

こどもの人生を変える先生の言葉があります。だから取り組みを続けねばならない

日高先生が前回も今回も調査結果を報じるリーフレットの表紙に掲げているフレーズがあります。

こどもの人生を変える先生の言葉があります

最後のページの最後の段落の一文も引用させていただきます。

「LGBTsのこどもたちは、誰が信頼できる大人であるかしっかり見ています。この先生ならば自分のことをわかってくれるだろうと信じて、期待して、本当の自分の話をすることでしょう。学校での取り組みや先生のさりげない一言が、彼らの人生を変えることになります。」

フジノも全く同感です。

自殺対策に取り組む為に政治家に転職したフジノが『性的な多様性の保障』に取り組み始めたフジノは、まず何よりも『こどもたちの心と命を守ること』を最優先に考えました。

その理由は、例えば日高庸晴先生が2007年に公表した研究結果からも明らかに「最優先はこどもだ」と感じたからです。

ゲイ・バイセクシャルの男性5731人に対する調査結果

  • 回答者の約半数が学校でいじめにあったと回答
  • 回答者の3人に2人は自殺を考えたと回答
  • 回答者の14%は自殺未遂の経験があると回答

(京都大学院医学研究科の研究員時代の日高庸晴先生の調査結果から)

こども時代に最も長い時間を過ごすことになる『学校現場』での差別・偏見・スティグマを無くすことを最優先に取り組みました。

全ての教職員に対する性的マイノリティに関する研修を実施すること、専門の相談窓口の存在をこどもたちに周知すること、教室や図書館に多様な性に関する本を置くこと、などの提案を行なってきました。

こうしたフジノの想いを受け止めて、横須賀市教育委員会は積極的に取り組んできてくれました。

(当時の教育長は、永妻和子さん。現・副市長です!永妻さんが教育長だったからこそ、取り組みが進みました)

全国から「先駆的だ」と評価された『性的マイノリティに関する教職員研修』を実施してきました。

2013年12月は単発でしたが、幼稚園・小学校・中学校・高校の教職員と学童保育の指導員向けに研修を開催しました。

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ついで、2015年度と2016年度の夏には、教育研究所が主催する教職員向けの『夏期研修』で性的マイノリティについての講座を開催しました。

2017年度からは、新規採用された全ての教職員への研修を行なう『初任者研修』にて性的マイノリティについて取り上げることになりました。

翌2018年度からは対象を拡大して、『初任者研修』『1年経験者研修』『6年経験者研修』に位置づけられました。

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現在はさらに研修対象が拡大されています。

それでも今回の意識調査結果をみると、本市の教職員の方々の間に、性的指向・性自認に対する誤解(正確でない理解)がまだまだ見られました。

もっともっと理解を深めていただかねばなりません。

たとえ世間に偏見や差別が消えずに残っているとしても、こどもたちが幼稚園から高校まで暮らす学校の時期に自己肯定感を持てるようになることがとても大切です。

ネットやメディアの影響を受けた生徒たちが性的指向や性自認を心ない噂話や笑いのネタにすることに対して、先生がきっぱりとそれを否定し、多様性を尊重することを訴えてほしい。

自分自身のあり方に迷っている時に、理解し、支えてくれる先生であってほしい。

そんな先生がひとりでも増えていくことが、こどもたちを守ることに直結しています。

だからこどもたちの命を守る為にも、フジノはこれからも取り組みを進めていかねばなりません。

左から、永妻副市長、日高庸晴先生、上地市長、藤野英明、新倉教育長
*写真撮影の為にマスクを外しています

日高先生、大切な調査をありがとうございました。

上地市長、永妻副市長、新倉教育長、お時間をとっていただきありがとうございました。

改めて、みんなで力をあわせて取り組みを進めていきましょう!

横須賀市が全面協力した全国教員LGBTs意識調査が完成

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