10月9日〜15日は「ベイビーロスアウェアネスウィーク〜赤ちゃんを亡くしたご家族に想いを寄せる1週間〜」です
横須賀市は、10月9日から15日まで『ベイビーロスアウェアネスウィーク』の取り組みを行ないます。
(1)JR横須賀駅の隣にあるヴェルニー公園の中にあるティボディエ邸を9〜15日の毎晩17:30〜21:00,ピンクとブルーにライトアップします。
(2)さらに、最終日の15日には、文化会館・自然人文博物館の上にある平和中央公園のてっぺんの、平和モニュメントのレーザー照射を特別にピンクとブルーで照射します。
特に、わが国でライトアップを実施するのは横須賀市が全国で初めてとなります。
これまでも横須賀市は、亡くなったあかちゃんとそのご家族の尊厳を守り支援することに全力で取り組んできました。
社会の側への啓発活動である『ベイビーロスアウェアネスウィーク』の取り組みを昨年からスタートしたのですが、今年はさらに取り組みを強化しました。
また、『ベイビーロスアウェアネスウィーク』の前からすでにスタートしている取り組みもあります。
(1)横須賀市役所の北口1階では2週間にわたってパネル展示を行なっています。
(2)また、市内130ヶ所にポスターを掲出しています。
(3)もちろん今年も横須賀市公式ツイッターアカウントから発信を行なっております。
このコロナ禍のまっただなかですが、いずれも屋外のライトアップや密になる場所ではないパネル展示などなので、どうかお近くにお立ち寄りの際はぜひご覧頂きたいです。
パネル展示は、市役所までわざわざ訪れなくてもご覧頂けるように、フジノが動画を撮影しました。よろしければこちらをご覧下さいm(_ _)m
そもそも「ベイビーロスアウェアネスウィーク」って何?
毎年10月9日~15日の国際的な啓発(Awareness:アウェアネス)週間のこと。赤ちゃんを亡くしたご家族への支援の必要性について意識を高め、お空の赤ちゃんの両親、家族、友人が、彼らの大切な赤ちゃんを認識し、想いを寄せる大切な機会です。
その目的は、次の通りです。
- 赤ちゃんを亡くしたご家族への支援の必要性について、意識を高める
- 赤ちゃんが亡くなったことを誰かに話すことを推め、孤立を防ぐ
- 赤ちゃんを亡くすことへの理解を一般に広める
- 亡くなった赤ちゃんを想い、讃える
大切な赤ちゃんといろいろな理由でお別れしなければならない方がたくさんいらっしゃいます。
けれども『語ることのできない死』として扱われていて、わが国では本当にたくさんの方々がつらい想いをさせられています。
横須賀市と「ベイビーロスアウェアネスウィーク」の取り組み
横須賀市ではかねてからグリーフケアに取り組んできました。赤ちゃんとお別れした方々の心身のケアに取り組んできたのです。
(例えば、エンジェルサポート事業、死産届を提出する戸籍の窓口でのエンジェルサポート事業のチラシ配布、中央斎場(火葬場)でのグリーフケアのご案内冊子の配架など)
こうしたグリーフケアを1つずつ提案し実現してきたフジノですが、心の中にはいつも
「ケアだけでは足りない。本当は社会の側が変われば良いのに」
といつも感じてきました。
そんな中、3年前に『ベイビーロスアウェアネスウィーク〜赤ちゃんを亡くしたご家族に想いを寄せる1週間〜』を知りました。
アメリカ・イギリスなどをはじめとする諸外国では、亡くなった赤ちゃんとご家族の尊厳を守り、亡くなった赤ちゃんのことを語れる機会(月間・週間)を設けて、積極的に社会の側が変わるべき、という取り組みをしてきたのです。
アメリカでは10月の1ヶ月間(National Pregnancy and Infant Loss Awareness Month)を、イギリスでは10月9日から15日(『ベイビーロスアウェアネスウィーク』)を、その特に力を入れて啓発する国民的な行事としています。
この『ベイビーロスアウェアネスウィーク』を日本にも導入しようと活動をしてくれているのが、Angie(アンジー)の4人です。
フジノは
「ああ、味方が現れてくれた!同じ想いを持つ人たちが居てくれた」
と励まされ、背中を押されました。
そして続けざまに上地市長に提案を繰り返して(2020年9月議会、2020年12月議会)、昨年のベイビーロスアウェアネスウィークに横須賀市は公式ツイッターアカウントからメッセージを発信しました。
さらに、来年(今年2021年のことです)はベイビーロスアウェアネスウィークの取り組みのシンボルであるピンクアンドブルーに建物をライトアップする、ウィークの最終夜にキャンドルを灯す、などを実施すると上地市長は約束してくれました。
コロナ禍で実現不可能と思われた2021年の取り組み・・・
しかし今年の夏、コロナ禍が激化していきました。
横須賀市の財政は厳しくなり、職員のみなさんの疲労も限界に近づいていました。
だから、フジノは市役所に取り組みをしてもらうのでは諦めました。
いち個人として、自分ひとりでライトアップもキャンドルを灯す取り組みもやろう、借金してでもライトアップを民間事業者にお願いして、それらをSNSで世間に発信していこう、と考えていました。
民間事業者に見積もりをお願いしたり(50〜80万円かかるとのことでした)、悩み続ける毎日でした。
けれどもそんなフジノの執念に圧倒されたのか(可哀想に思ったのか)、
担当課である民生局こども育成部こども健康課のみなさんが、多忙な通常業務とコロナ対策の合間をぬって、他部局とも連携しながらライトアップを実現させてくれることになったのです。
(この職員のみなさまのがんばりは本当に素晴らしくて、感動して思わずツイキャスで語ってしまいました)
特にラスト1週間の職員のみなさんのがんばりは、本当に素晴らしいものでした。
そして今夜、最後のリハーサルが終わりました。
会場であるヴェルニー公園には市役所の各部局と、公園管理をうけおっている民間事業者、ティボディエ邸の運営管理をうけおっている民間事業者など、なんと約30名もの方々がスタッフとして準備に携わって下さいました。
16時から20時すぎまで4時間、みんなで準備しました。
上地市長にも来ていただいて、動画の撮影も行ないました。
明日10月9日からベイビーロスアウェアネスウィーク、はじまります
今日までの全てのプロセスにフジノは立ち会ってきて、今はとにかく感無量です。
明日からのライトアップをはじめとする様々な取り組みが、必要な方に届くことを心から祈っています。
赤ちゃんを亡くしたことが無い方々にも、どうか妊娠は嬉しいことだけではなくいつだって命がけで、失われている命がたくさんあることを知っていただく機会になることを願っています。
社会の側が赤ちゃんの死をタブー視するのをやめて語れる死に意識を変えて、無意識にひどい言葉を投げつけているという自覚を持っていただけたならば、必ず多くの人々が苦しみや悲しみが少しだけやわらぎます。
どうか『ベイビーロスアウェアネスウィーク』について、知って下さい。
これは一部の人が言うような「お祭りさわぎ」などではありません。
大切な存在を喪って苦しんでいるたくさんの方々を、いないものとして扱っているこの国を変える為の大切な取り組みです。
どうか、あなたにご理解いただけたらと心から祈っております。
横須賀市は、上地市長もフジノも担当課の職員のみなさんも、これまでもこれからも亡くなった赤ちゃんとご家族の尊厳を守り、必要な支援をお届けし、社会の側が変わっていくことに全力を尽くしてまいります。
どうか、大切な赤ちゃんを亡くした方々がこれまで誰にも言えなかった想いを天国の赤ちゃんと語りあえる一週間となりますように、心から祈っております。