悲願達成、横須賀市犯罪被害者等基本条例が全会一致で可決されました!/2021年12月議会

犯罪被害者等基本条例、ついに成立しました!

本日開かれた本会議に、フジノたち犯罪被害者等基本条例検討協議会のメンバーがつくりあげた条例案が提案されました。

メンバーを代表して、青木哲正議員が提案理由の説明に立ちました。

提案者を代表して提案理由を説明する青木哲正議員、最前列でその様子を見守る藤野英明
提案者を代表して提案理由を説明する青木哲正議員、最前列でその様子を見守る藤野英明

「ただいま議題となりました議員提出議案第6号横須賀市犯罪被害者等基本条例制定について、提出者を代表して提案理由の説明を申し上げます。

日々安心して暮らすことは誰もが当たり前に享受すべきことですが、犯罪はその当たり前を突如として奪います。人は、一たび犯罪に遭うと身体的、精神的、そして経済的に大きな影響を被り、それらの影響は被害者本人にとどまらず、家族や関係者にも及び、かつ、その影響が解消されるまでに長期間を要することがあり、さらには解消されない場合もあります。

また、犯罪によって直接被る影響に加え、犯罪捜査や裁判の過程において、あたかも被害者に責任があるかのような誹謗や中傷、報道機関による過剰な取材や憶測による報道、インターネットを用いた事実と異なる情報など、二次被害による影響を被ることもあります。

当事者や関係する皆様の長年にわたる努力により、国において被害者支援に関する法制化等は実現されてきましたが、いまだ十分な対応とはいえない状況にあります。

もとより、被害者支援については、その居住地のいかんに関わらず、等しく行われるべきものと考えます。

その為、本市議会は地方自治法に基づき国等への不断の働きかけを行ない、あまねく支援が講じられる社会を目指すこととします。そして、本市は、刑法等に定められる犯罪にとどまらず、法律上犯罪と認められていないケースについても条例の対象とし、長期にわたって支援の手を差し伸べ、全ての犯罪被害者等に寄り添う横須賀の実現を目指します。

本条例は、市、市民等及び事業主等の責務を明らかにして、犯罪被害者等のための施策を総合的かつ計画的に推進し、犯罪被害者等の人としての基本的な権利の保護を図るとともに、安心して暮らせる社会を実現することを目的としています。

また、犯罪被害者等が直面している様々な問題の解決の為に必要な支援を受けられるよう、総合支援体制の整備や見舞金の支給等の基本的な支援を行なうことを条文に反映させました。

条文の協議につきましては、犯罪被害者等基本条例検討協議会において検討を重ね、外部委員として犯罪被害者御本人及び御遺族の方々から御意見を伺い、各行政機関、犯罪被害者支援団体及び神奈川県立保健福祉大学の方々に御助言をいただくとともに、関係部局とも意見を交えて協議を進めてまいりました。

最後に、条例案提出に当たり、非常にタイトなスケジュールの中、円滑な協議会運営に御協力いただきました委員の皆様、貴重な御意見をいただきました犯罪被害者御本人及び御遺族の皆様、神奈川県、神奈川県警察及び茅ケ崎市の犯罪被害者等支援担当の皆様、神奈川県被害者支援センターの皆様、神奈川県立保健福祉大学の皆様及び市の関係部局の皆様に心より感謝を申し上げ、提案説明とさせていただきます。

議員の皆様におかれましては、本議案に御賛同賜りますようお願い申し上げます。」

そして大野議長によって、採決が行われました。

「ご賛成のみなさんのご起立を求めます」

本会議場の全ての議員が起立しました。

犯罪被害者等基本条例案に全員が起立賛成しました
犯罪被害者等基本条例案に全員が起立賛成しました

大野議長が宣言しました。

「総員起立であります。よって、本件は原案どおり可決されました。」

こうして『横須賀市犯罪被害者等基本条例』が可決・成立しました。

フジノの悲願が叶いました

フジノにとって犯罪被害者等基本条例を作ることは、15年にわたる悲願でした。

犯罪の被害に遭った方々からのご相談を受ける中で国の犯罪被害者等基本法では、対応が不十分だと考えるに至りました。

2006年3月の本会議で「横須賀市独自の被害者支援の条例をつくるべきだ」と提案しました。

当時の市長が前向きな答弁をし、市民の安全を守る包括的な条例の中の一部として被害者支援が盛り込まれました。

そして、現在まで続く『犯罪被害者等支援相談窓口』が2007年に設置されました。

けれども、その後も多くの方々からの犯罪被害に関するご相談を伺う中で、残念ながら取り組みが不十分だと改めて考えるようになりました。

特に、性暴力被害をはじめ、警察で事件化されない多くの被害者の方々が全く何の支援も救済も受けることができていないことに強い憤りをおぼえました。

ご相談を受けた方の中には勇気をもって被害届を出された方もいます(フジノは被害届を出す前から裁判が終わるまで、そして事件から十数年が経過した今も当事者の方を見守り続けています)。

でも圧倒的多数の方々は、警察にも相談できずに、誰にも言えずに苦しんでいる状況に追い込まれていました。

その苦しみは、何年経っても消えることはありません。

フジノは改めて横須賀市独自の犯罪被害に特化した条例をつくることを決意しました。

そして、2019年の選挙公約として横須賀市独自の犯罪被害者等総合支援条例を作るべきだと選挙で繰り返し訴えました。

2019年の横須賀市議会議員選挙で藤野英明は横須賀市独自の犯罪被害者等支援条例を公約に掲げました

当選を果たすと、横須賀市議会実行計画で4年間で4本の議員提出条例を作るという決定に際して、犯罪被害者支援条例づくりを提案しました。

他の会派からの賛同もいただき、4年間で4本作る条例の1つにフジノの提案が選ばれました。

条例づくりのプロジェクトチームである『犯罪被害者等基本条例検討協議会』のメンバーにも立候補して、2年にわたる条例づくりに取り組んできました。

こうしてついに、今日の条例成立を果たすことができました。

来年4月の施行までに行政による要綱策定などをチェックし続けます

今夜はひとまず、犯罪被害に遭いその苦しみの中で勇気を出してフジノにご相談して下さった方々に、条例が可決されたことをご報告します。

しかし、うれしさよりも「まだやるべきことがある」と身が引き締まる想いでいます。

条例が実際に効力を持つ『施行』は来年2022年4月1日からとなります。

今日からは新たな仕事がスタートします。それは、実際の見舞金や日常生活を送る為の支援の内容や量を行政が細かく決める作業(要綱などを作ります)が始まるのです。

提案者として施行までに要綱などが条例の趣旨にそったものとなるように、しっかりチェックしていかねばなりません。

条例は作った、けれども誰にも喜ばれなかった、そんなことに決してならないように引き続き取り組みを続けていきます。

犯罪被害はそもそも絶対にあってはならないものです。

けれども残念ながら、この世から犯罪被害を無くすことはフジノにはできません。

ならば、被害に遭った方々の人権を守り、なんとか少しでも心身の苦しみをサポートできる取り組みを行なっていかねばなりません。

おひとりおひとりがお話して下さった苦しみの気持ち、フジノは絶対に忘れません。

これからも取り組みの状況をみなさまに報告し続けていきます。

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